『朝顔』はレミオロメンの類稀なる
センスが詰まった破格のデビュー作

『朝顔』(’03)/レミオロメン
2000年代に現れた桁違いの新人
邦楽シーンにおいても他に比類なき才能を発揮した、桁違いのアーティストはもちろんいて、サザンオールスターズやユーミンはその筆頭だろうし、B'zやMr.Childrenも名実ともにその域だと言える。ここ20年間で言っても、宇多田ヒカルを始めとする女性アーティストの台頭にはその類稀なる能力を見せつけられた格好だった。個人的に忘れ得ない存在は、2003年にメジャーデビューを果たしたレミオロメンだ。個人的に…とは言ったが、彼らが出現した時、“これはモノが違う!”と思った人はかなり多かったに違いない。
生臭い話で恐縮だが、彼らのマネジメントが烏龍舎からレーベルがSPEEDSTAR RECORDSに決まったと聞いた時、“このバンドは向こう30年間は余裕で数字が見込めるなぁ”というようなことを思ったような気がする。将来の四番候補というか、クラシックレースの大本命というか、具体名を挙げるのも恐縮だが、サザン、ミスチルの後継はレミオロメンで決まりと思った音楽業界人は普通に多かったと思う。もしも2003年にブックメーカーで“今年デビューした日本のアーティストで最初にミリオンヒットを出すのは?”というブッキングがあったら、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ORANGE RANGE、スキマスイッチ、大塚愛といったそうそうたるメンバーの中、レミオロメンのオッズはかなり低かった──つまり、本命視されていてもおかしくなかった思われる(実際にはORANGE RANGEが最初にミリオンを記録。あと、日本では日本国内の法律で定められた以外のギャンブルは禁止されています。念のため)。
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