SOIL&"PIMP"SESSIONS
『PIMPIN'』を聴いて思う
サブスク時代だからこそ、
この圧倒的サウンドを推す

『PIMPIN'』('04)/SOIL&"PIMP"SESSIONS
イントロなし!?
ギターソロはスキップ!?
また、イントロのみならず、ギターソロも不人気ではあるようだ。高野 寛のつぶやきが話題となっていたことも記憶に新しい。そのもとは2021年9月の産経新聞WEB版、産経WESTの芸能考察に掲載された岡田敏一氏の“イントロとギターソロを飛ばして聴くのは邪道”なるコラムで、そこからの引用であった。岡田氏曰く、〈イントロが長いと、スポティファイに代表される音楽配信サイトの利用者が「ダルい」と他の楽曲にスキップするのだとか。そして、楽曲の途中にギターソロが登場すると、今度は「テンションが下がる」ので他の楽曲にスキップ…。〉だといい、〈この話を聞いて、怒る気持ちより、若い世代の音楽の聞き方がここまで変わってしまったのかと愕然(がくぜん)とさせられた。〉のだとか。その若い世代がスキップする楽曲にこそ、ハードロックやヘヴィメタルの魅力があるし、日本ではまだこのジャンルは廃れていないので、若い世代もぜひスキップすることなく聴いてほしいと締め括っている。
Marty Friedmanもそのトレンドに反応。自身のTwitterで〈大体ギターソロをスキップされる曲は多分、バンド物じゃなくてアーティスト系だと思う。〉と持論を展開した。大まかに言えば、コストの問題で海外のメインストリームのヒット曲においてもギターソロはほぼ消滅したという。日本はややその例外ではあって、〈ギターソロの存在を外せない〉とは思っているものの、それを〈ヴォーカル休憩の8小節〉程度に考えているので、〈ちょっとした喧しい歪んでるギターソロあったら大丈夫になっちゃう〉と分析する。これではスキップされるのは当たり前。ギターソロはヴォーカルとまったく同じ存在感でなくちゃならない。QueenのBrian Mayのギターソロのような、Freddie Mercuryの存在感に負けないクオリティーであればスキップされることはないはずと、ミュージシャンらしいと言えばミュージシャンらしい考察を展開していた。
他アーティストもそのギターソロの件に反応し、くるりの岸田 繁は〈ギターソロて流行ってないの? オレは曲飛ばしてギターソロだけ聴くけどな〉、King Gnuの常田大希も〈焦るなよ またそのうち ギターの時代が 始まるのだよ #ギターソロ の件〉とツイート。ちなみに筆者も、たまたまお逢いした某ロックバンドのメンバーに直接このイントロやギターソロの件を訊いてみたら、“自分もバンドを始める前までは、イントロ長いなとか、ギターソロがうるさいって思っていたことがあったから、その辺は仕方がないんじゃない”と言っていた。簡単にまとめるのも恐縮ではあるが、リスナーが音楽に何を求めるかによってイントロやギターソロの要不要が出てくるのだろう。歌の旋律や歌詞、演者の歌声を求めている人は、それ以外はいらないと思っているのだろうし、その楽曲にある全てを聴きたいと思う人にとってはイントロやギターソロも欠かせないということになるだろか。まぁ、個人的にはどう考えても、後者が真っ当だと思う。カツカレーを出されて、そこにあるトンカツだけを食べたり、ニンジンだけを食べたりする人もいないだろうし…。どうにかしてカツカレーを食べさせたい人たちはトンカツだけ食べてもらってもいいのかもしれないけど、もったいない話ではあるだろう。(ここまでの〈〉は全てそれぞれの当該記事からの引用)
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