憧れの地であるアメリカで録音された
、めんたんぴんの3rdアルバム『カン
トリー・ブレックファスト』は約38年
の時を超える日本語ロックの名盤!

60年代〜70年代のアメリカンロックに影響を受け、日本のグレイトフル・デッドとも形容されたバンド、めんたんぴん。素晴らしい音楽は残り、聴き継がれるという。もちろん全ての音楽がそうだというわけではないだろうが、70年代に素朴で良質でエモーショナルなロックを鳴らしていた彼らのようなバンドが今も歴史的ロックバンドとして愛されていると思うと本当に嬉しくなる。メンバーにとって憧れの地であっただろうアメリカの西海岸、LAのワーナーブラザーススタジオでレコーディングされたのが、めんたんぴんの大らかな空気を満喫できる3rdアルバム『カントリー・ブレックファスト』である。

骨太ロックなのに癒されるめんたんぴん
の魅力

 めんたんぴんの前身であるめんたんぴんブルースバンドは、高校の同級生だったメンバーによって石川県小松市で結成された。オフィシャルHPによると、メンバー全員が麻雀好きで、佐々木忠平(Vo&Gu)の「めんたんぴんでいこうや!」というひと言でバンド名が決まったらしい。その後、1972年にめんたんぴんとして本格的な活動を始動。メンバーは佐々木忠平、池田洋一郎(Gu)、石崎三郎(Ba)、沖村公平(Dr)の4人で翌年に飛田一男(Gu)が加入。1974年には日本のロックの歴史に残る福島県郡山市で開催された『ワンステップ・フェスティバル』に出演し、注目を集めた。その音楽性とライヴでの実力が評価され、1975年にメジャーデビュー。1stアルバム『MENTAN-PIN』をリリースすることになる。
数多くの優れたロックバンドが存在していたものの、歌謡曲、フォークが主流の時代の中で、バンドがデビューを飾るというのは簡単なことではなかった。その事実だけでも、彼らがいかにシーンの中で光っていた存在だったかを物語っていると思う。めんたんぴんは『夕焼け祭り』や『ワンステップ・フェスティバル』などの大きなイベントに出演する他、自分たちの機材車でアマチュア時代から、全国各地を精力的に回っていたという。実際、当時のロックシーンにおいては、めんたんぴんはライヴを観ておかなければいけないバンドという空気があったように記憶している。イベントで観た彼らのライヴをもう1度観たいと思い、少女時代にクラスメートと一緒に初めて行く街のライヴハウスに行った時、めんたんぴんはきっともうデビューしていたのだろう。覚えているのは道に迷い、途方に暮れていたら、目の前を長身で長髪の集団が通り過ぎて行き、「あの人たちについて行けば大丈夫だ」と無事、ライヴハウスに着いたことだ。携帯がない時代のちょっと笑ってしまうエピソードだが、この話には落ちがあって、自分たちがついて行ったのは、めんたんぴんのメンバーだったということが彼らがステージに出てきて判明した。これも音楽雑誌がほとんどなかった時代ならではの話だよなぁと思う。
そして、めんたんぴんのライヴは最高だった。この頃はハードロック、プログレッシブロック、ブルース、フォークロック、クロスオーバーといろんなジャンルのバンドが存在していたけれど、彼らのライヴは熱くて、どこかほっこり肩の力が抜けていて、観ている人たちをリラックスさせ、自然に笑顔にさせてしまうようなポジティブなエネルギーがあった。先述したように日本のグレイトフル・デッドと形容されていたことは後に知ることになるが、イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ、オールマン・ブラザーズなどアメリカ西海岸から南部のロックに通じる匂いも漂わせていたように思う。そして、何よりも日本語でオリジナル曲を歌っていたことがより親近感を感じさせてくれた。骨太でいて癒される。めんたんぴんには、そんなイメージがある。

3rdアルバム『カントリー・ブレックフ
ァスト』

 1976年にめんたんぴんは寺井貢を新たにドラマーに迎え、ツインギター、ツインドラムの6人編成となる。そんな中で、精力的な活動を行ない、代表曲である「今日も小松の街に」を収録した『めんたんぴんセカンド』と本作の2枚のアルバムを発表する。どちらも名盤なので甲乙は付けがたいが、LAでレコーディング(これも当時の日本のシーンでは画期的)した本作はメンバーの楽しそうな笑顔が印象的なジャケット写真からして、めんたんぴんの大らかな雰囲気が伝わってくる。アメリカの乾いた気候、スタジオの機材、全てが新鮮だったであろう空気感がパッケージされたアルバムは、めんたんぴんの伸びやかでスケール感のあるサウンド、佐々木の包容力のあるヴォーカルにまさにいつの間にか笑顔にさせられる作品である。《始まる場所は生まれたとこから 始まる場所は育ったとこから》と歌うミドルロックチューン「始まる場所は」を聴いた時に、懐かしさを感じると同時に、くるりなどの現代のロックバンドを聴いているリスナーにも、この作品はまるで違和感なく届くのではないだろうかと思った。
3曲目の「ツイストで踊り明かそう」はサム・クックの「ツイスティン・ザ・ナイト・アウェイ」の日本語カバーで(この曲の訳詞のみ、京都のライヴハウス「拾得」のマスターによるもの)、めんたんぴんのハッピーなバイブレーションがライヴを体験せずとも分かる演奏が収録されているが、改めて彼らの音源を聴いて思うことは、洋楽に影響を受けつつ、あくまで日本人スピリッツで音楽を昇華していることの素晴らしさ、オリジナリティーについてだ。2曲目の「川が海へそそぐあたり」にしてもそうだが、彼らの音楽の根底には故郷、小松への想いが流れていて、ロックンロール「ロック野郎」のようにツアーに明け暮れる日々を思わせる曲も数多い。そして、ツインギターの音色、豊かなフレーズもこのアルバムの醍醐味だ。時代が移り変わる中、めんたんぴんの本作を含む初期3作品は2014年の1月に紙ジャケ仕様、デジタルリマスターを施され、再発された。気になった人はぜひ、聴いてみてほしい。

著者:山本弘子

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

4コメント
  • RT @OKMusicOfficial: 憧れの地であるアメリカで録音された、めんたんぴんの3rdアルバム『カントリー・ブレックファスト』は約38年の時を超える日本語ロックの名盤! http://t.co/uZsWx5JFhW #めんたんぴん http://t.co/vwUqf…
  • RT @OKMusicOfficial: 憧れの地であるアメリカで録音された、めんたんぴんの3rdアルバム『カントリー・ブレックファスト』は約38年の時を超える日本語ロックの名盤! http://t.co/uZsWx5JFhW #めんたんぴん http://t.co/vwUqf…
  • #news 憧れの地であるアメリカで録音された、めんたんぴんの3rdアルバム『カントリー・ブレックファスト』は約38年の時を超える日本語ロックの名盤! http://t.co/5AYXf55tPS
  • 憧れの地であるアメリカで録音された、めんたんぴんの3rdアルバム『カントリー・ブレックファスト』は約38年の時を超える日本語ロックの名盤! http://t.co/uZsWx5JFhW #めんたんぴん http://t.co/vwUqfTyK2f