『成増』はとんねるずの
歌手としての才能を
一気に開花させた
デビュー作なっわけだぁ!

『成増』('85)/とんねるず
今も盛んに音楽活動を継続中
注目したいのは彼らの音楽活動だ。タカさんは2019年、元野猿の平山晃哉、神波憲人とともに新たな音楽ユニット、B Pressureを結成し、同年11月シングル「Freeze」、2020年10月にはアルバム『Green Light』をリリースしている。楽曲は全て野猿同様、後藤次利が作編曲を手掛けたものでありつつも、流通はインディーズ。しかも、シングルのリリイベなどはライヴハウスや商業施設のイベントスペースで行なったというから、タカさん自身はインデペンデント精神を貫いたようだ。男気を感じる。対照的にノリさんの音楽活動はゴージャス。自主レーベル“木梨レコード”を立ち上げて、2019年10月には、「GG STAND UP!! feat. 松本孝弘」「チョイ前Love feat. 藤井フミヤ」を含む、ソロEP『木梨ファンク 〜NORI NORI NO-RI〜』を配信。同年12月には上記の他、「夢の先へ〜Next Dream〜 feat. AI」、「OTONA feat. 久保田利伸」「OH MYオーライ feat. SALU」など全10曲を収録した1stアルバム『木梨ファンク ザ・ベスト』を発表した。2020年からは『木梨ミュージック コネクション』『〃2』『〃3』を発表し、その文字通りの最終章として、2022年6月に『木梨ミュージック コネクション最終章 〜御年60周年記念盤〜』を発表するに至っている。また、2020年12月にはパシフィコ横浜にて音楽フェス『TBSラジオ presents 木梨の大音楽会。フェスってゆ-!!』を、2022年4月には両国国技館で『第二回 木梨フェス 大音楽会』を、さらに2022年5月は東京文化会館で『木梨憲武 交響楽団 THE CURTAIN CALL SHOW』をそれぞれ開催している。
両名とも、ここ数年間、コロナ禍で活動がままならなかったろうに、実に精力的に音楽活動を行なっているのである。たけし、さんま、タモリのいわゆる“BIG3”を始め、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、爆笑問題ら、30年間(あるいはそれ以上)に渡って最前線に居続けている芸人はもちろんとんねるず以外にもいるが、ここまで音楽活動に力を入れ続けている人たちは彼ら以外にいない。そこはとんねるずの偉大さと断言しても良かろう。歌とお笑いの両立という点においては、昭和の伝説的グループ、ハナ肇とクレージーキャッツに匹敵する存在なのではなかろうか(まぁ、クレージーキャッツはもともと芸人ではなくバンドではあるけれど…)。