L→R 陽哉(Dr)、ryuto(Support Ba)、泰輝(Vo&Gu)、茅津(Gu)

L→R 陽哉(Dr)、ryuto(Support Ba)、泰輝(Vo&Gu)、茅津(Gu)

【Bye-Bye-Handの方程式
インタビュー】
苦しい時間すらも愛おしいと
思えるようになった自分がいる

今年3月に開催された『No Big Deal Records Audition 2020』で見事優勝を果たしたBye-Bye-Handの方程式(以下、Bye-Bye-Hand)。レーベル所属第一弾となるミニアルバム『Flowers』は5月に脱退したベースの肇が参加した最後の作品であり、“なくなるから美しい”という美学も反映された彼らの再出発を飾る一枚だ。今回はサポートとして加わったryuto(Ba)を含め4人に話を訊いた。

書き足りないからもう一曲作る
っていうのがどんどん続いていった

2015年に結成されたBye-Bye-Handの方程式ですが、どんな経緯で結成されたのでしょうか?

泰輝
もともと同じ中学の同級生で、その頃からバンドをやりたかったんですけど、軽音部もなかったし、“中学を卒業したらバンドをやろう”って約束してたんです。その時は4人でひとつのバンドではなくて、僕が茅津と陽哉それぞれのバンドを作ってかけ持ちしようとしていたんですよ。

最初からふたつも?

泰輝
はい。とにかくバンドがやりたいって気持ちが強すぎて、そのために違うカラーの曲を2バンド分作っていたんですけど、いざやろうと思ったらメンバーが全然集まらなかったので、それならひとつのバンドとして結成しようとなって。だから、曲の安定感がないというか、今もいろいろなタイプの曲があるのは、バンドをかけ持ちしようとしていた時の名残りだと思います。

まずはコピーから始めるっていうのがよくある流れだとは思うんですけど、泰輝さんは中学の頃から自分のオリジナル曲でバンドを組むっていうイメージがあったと?

泰輝
そうですね。曲をコピーするとなると、どれだけ突き詰めても僕よりうまい人なんていくらでもいるじゃないですか。僕はアコースティックギターを小学5年生の頃からやっていて、最初は僕の影響で陽哉もギター始めたんですよ。それなのにTwitCastingですごくギターがうまい奴がいると思ったら陽哉だったことがあって。その時点で敗北感があったというか、もう自分にはコピーはできないと思ったんです。でも、音楽を生業としてやっていきたいっていうのは小学生の頃から思っていたことなので、どうやって自分にしかないもので勝負していくかって考えた時に、コピーは正解があって一番うまく弾けた人が勝ちだけど、オリジナルだったら自分に正解がある状態でできるから、そっちのほうが簡単だったというか。コンプレックスから始まって、オリジナル曲を作るようになったっていう感じなんです。

バンドを組む前から音楽はずっと続けていくものっていう意識が前提にあったんですね。

泰輝
幼い頃からひとり遊びが好きで、小説家や映画監督になりたい時期もあったし、作るってことに対して魅力を感じていたんです。小説は書いてはみたものの案外広がらないっていう難しさがあったんですけど、音楽は書きたいことがひとつあっても一曲じゃ書き足りないってことが多くて。僕はそれにハマっていったというか、終わらないからもう一回書こう、書き足りないからもう一曲作ろうっていうのがどんどん続いていったというか。

今回のミニアルバム『Flowers』はすごくロマンチックな作品だと思ったんですけど、曲を作っている泰輝さん自身はロマンチストってわけではなく、どちらかと言うと現実主義というか。

泰輝
自分がすごく固い人間やからこそ“せめてもの”みたいな気持ちはあります。唯一気を許せたものが音楽で、自分が好きな音楽もロマンチックだったり、ドラマチックなものが多いから憧れがあるというか。心からロマンチックなことができる人が羨ましくもあるので、そんな自分と似てる人が救われたらいいなと思って作ってますね。なるべくポジティブにロマンチックな…せっかく音楽なんだし、現実を見せるよりも違うものを見せたいっていうのは意識しています。

中学の同級生ということでメンバーのみなさんは付き合いも長いと思いますが、今の泰輝さんのお話なんかも聞いたことはあるんですか?

茅津
大体のことはメンバー間でも話してますね。バンドメンバー以前に一番の親友なので。
陽哉
プライベートも一緒に遊ぶし、恋愛相談もするし、家の事情も言うし。
泰輝
その感じがあるから、音楽以外の部分での安心感や信頼感もすごくあります。

ryutoさんは5月中旬からサポートで参加していますが、以前からライヴで共演もされていて、3人がこれだけ仲良かったら馴染みやすかったんじゃないですか?

ryuto
そうですね。僕は学年が一個下で後輩なんですけど、地元のライヴハウスでBye-Bye-Handのライヴを観た時に好きになって、Twitterのヘッダーに書くくらいのファンなので(笑)。
泰輝
今でこそTwitterに書いてくれる方が増えたんですけど、バンドを始めた当初はプロフィールにバンド名を書いてくれている子のアカウントを全部スクショして保存してて、最近見返したらryutoのアカウントもありました(笑)。好きでいてくれた子がサポートしてくれるなんて不思議な気持ちもありますけど、感慨深いし嬉しいですね。

今年の5月でバンド結成5周年を迎えたわけですが、同月に元ベースの肇さんが脱退したり、コロナ禍で思うように活動ができなくなったりと、近況で想像するだけでもさまざまな試練があったんじゃないかと思います。

泰輝
バンドを抜けたかったら抜けてもいいっていうルールを先に作っていたんですよ。それは前向きな意味で、脱退したその先に自分のやりたいことが他にも見つかるかもしれないし、チームプレイだから嫌々やるのは違うと思っていて。バンドって誰かにやらされて始めたんじゃなくて、やりたいと思って始めたものだから、気を遣って続けるようになったらバンドにとっても良くない。抜けてもいいけど、バンドの活動が止まらないようにサポートを探してきてくれるとか、そういう去り際の後片付けみたいなことはちゃんとしようって話してたんです。だから、肇が抜けるってなった時も仕方ないと受け入れられたので、焦ることはなかったというか。それは僕だけじゃなくて、他のふたりも来る時が来たって感じだったと思います。それに、僕があたふたしてたらダメやと思うし。いつも例えで言うんですけど、ずっとバイト募集してるところって何か原因あると思うじゃないですか(笑)。でも、いいバイト先にはいろんな人が来てくれると思うし、Bye-Bye-Handにも入りたいって言ってくれる人はいるって自信があったんです。僕は運命的なタイミングとかを信じるタイプで、減った分だけ何かが入ってくるって感覚でいるから、肇が脱退して、コロナウイルスが流行ってしまって、でも代わりにryutoがサポートで入ってくれたり、『No Big Deal Records Audition 2020』で優勝したり、全部たまたまじゃないって思ってるんですよ。何より人間関係が大事だと思ってるから、自分がいい曲を作ってメンバーの仲が良ければどこまでも行けると思います。この先もきっとヤバいことが起きる予感はするけど、それも全部チャンスに変えたいので焦ることはなかったですね。
陽哉
この5年間で“これ乗り越えたら強くなるぞ”っていう出来事が要所要所にあったので、“ザ・下積み”って感じの期間でした。この5年間が助走で、今やっとスタートが切れたという感覚です。
茅津
僕が大学受験をする時に約1年間の活動休止をしているんですけど、それを経てハンドルを切りやすくなったというか、今となればいい方向に動いたので、いろんな壁があったけど、結果的にはいい方向に持っていけているって感じていますね。
泰輝
活動休止の期間もアコースティック編成でライヴはしてたんですけど、メンバー全員が揃わないとバンド特有の気持ち良さを味わえないことを知る機会にもなって。今もいつコロナが落ち着くか分からない状態じゃないですか。ライヴはできないし、考えないといけないこともたくさんあるけど、その休止してた時期があるからこそ、今回はちょっと気長に待てるというか、“じゃあ、音源を作ろう”とか転換できてますね。人類が危機的な状況になった時って音楽の存在意義が問われるけど、人生にプラスαするのは音楽とか芸術だと思っているので、音楽でやれることはたくさんあるんじゃないかって思ってます。
L→R 陽哉(Dr)、ryuto(Support Ba)、泰輝(Vo&Gu)、茅津(Gu)
ミニアルバム『Flowers』

OKMusic編集部

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