L→R 浜屋周作(Dr)、Ray(Gu)、白木智之(Vo)、加納誠人(Ba)

L→R 浜屋周作(Dr)、Ray(Gu)、白木智之(Vo)、加納誠人(Ba)

【谷川POPゴリラ】ジャンルに関係な
くいろんな層に聴いてもらえる作品

ミニアルバム『愛が欲しくなる』は聴く者に強烈なインパクトを与えること間違いなしの初の全国流通盤! 谷川POPゴリラにとって、この4年間の集大成とも言える同作について話を訊いた。
取材:高良美咲

まずは谷川POPゴリラの結成のいきさつについて教えてください。

白木
高校時代の同級生で組んだバンドです。それこそ初期メンバーとしては今はなきヴォーカルの谷川くんを主軸に、彼の作るポップなオリジナルソングとゴリラな見た目からとって今のバンド名を付けたんですが、ライヴ直前にバンドを辞めるって言い出して(笑)。当時ギターだった自分がヴォーカルに成り上がって、今の谷川POPゴリラが生まれました。

どのような活動を行なってきたのですか?

白木
本当にライヴばっかりでした!!(笑) 地元の愛知では高校時代の1年間しか活動をしていなかったし、つながりもあまりなくて、上京して挑戦って感じで、少しでも多く、いろんなライヴハウスに顔を売ろうって思いからライヴがメインだったんです。ただ、やっぱりそのスタイルも今振り返ってみると良かったなって思うところがたくさんあって。最初の頃はきっと下手くそだったと思いますが、それでも応援してくれる人もいて、その頃に出会えた仲間には今も変わらず一緒にやってるバンドたちが多いです。そんな中で音楽性の変化はあまりなかったですね、ずっと同じスタイルでした。っていうのも、俺にはこれしかないって音楽をやってるつもりだったので!

1月11日にリリースとなったミニアルバム『愛が欲しくなる』はバンドにとって初の全国流通盤ということで、これまで以上に幅広い人に届く作品になると思うのですが、制作に取り掛かる際にはどのようなビジョンがありましたか?

白木
初の全国流通ってことで、今まで届けられなかったところにも聴いてもらえるチャンスだと思って、今までの曲は絶対に入れたかったです。その上で今までの自分たちから少し成長した、変わった楽曲っていうのも、この約4年間の活動として表現したいって気持ちも沸々とあって、既出の曲は全曲録り直しをしています。アマチュア時代のベストでもありながら、“もっと上に行くんだ”って思いを込めた一枚になりました。ただ、制作期間は本当に詰め詰めで(笑)、作りながら“こうしていこう”っていう流れでした。

そんな想いから既存の曲も収録した全9曲の中で、今作のために書き下ろした楽曲は?

白木
「痴漢、アカン」「夢を見ている」「暇乞い」「愛が欲しくなる」の4曲です。実は既出の曲のほとんどが自分作曲のものばかりで、この書き下ろしの曲たちは僕以外が作曲しているっていうのも、アルバム的には面白いところでもあります。
誠人
今までのスタイルとは違う楽曲を作りたくて。ただ、そのバンドらしさや谷川POPゴリラらしさというのも重要だけど、ゆっくん(白木)が歌えばきっとその“らしさ”が出るだろうって思いから、今までの楽曲のスタイルからは離れたものを作ることを意識しました。
白木
「愛が欲しくなる」はパーカッションをギターのRayとドラムの周作が、それ以外の音を全て周作が担当していて。
周作
これまで生きてきた22年間の全てを表現した楽曲です。すごく感動する映画と一緒に聴いてもらえるといいなって気持ちで作り上げました。

タイトル曲の「愛が欲しくなる」はインタールード的な曲で、その《愛が欲しくなる》というフレーズは「俺的恋の予感」のBメロの歌詞でもありますね。

白木
このフレーズは「俺的恋の予感」のギターリフと同じメロでもあるんですが、Bメロをみんなで歌いたいって思った時にふと降りてきたのが《愛が欲しくなる これじゃ足りない》というフレーズで。これはきっと、自分の中にずっとあった想いというか、バンドとしても、はたまた私生活の上でも“もっと愛されたいな”って気持ちが素直に出てきたんだと思うんです。そういう真芯にある言葉って恥ずかしい気持ちもあるけど、強いなって。かつ、この前にもう少し何か欲しいなぁって思いから「愛が欲しくなる」という楽曲ができました。キャッチーなフレーズでこれだけフックアップしているなら、メンバーもみんな思っていることだし、アルバムタイトルにしようかって流れでした。

ラップを主軸に、《愛が欲しくなる》のシンガロングが広がりを見せますね。

白木
作った時は谷川POPゴリラではないバンドでやろうと思っていたので、自分もギターで。谷川POPゴリラに“恋の歌なんて似合わないし”って思ってたんですけど、そのバンドの話が流れちゃったんです。曲自体は放置してたんですけど、ふとした時に思い出して、絶対にいい曲になる!って自信が脳内であふれ出しちゃって(笑)。構想自体は最初の時とあまり変わっていなくて、最初からこんな曲にしようって思ってました! イメージ通りの楽曲をイメージ通り作れたなって曲です(笑)。

「見ろよ」は2015年8月に100枚限定のシングルとしてもリリースしていますが。

白木
CD枚数自体は多くなかったので、普及率もそんなにだったなぁって後悔はあったんですが、そのシングルからPVを2曲作らせてもらっていて。そのせいか、「見ろよ」はいろんな人が聴いてくれたなって印象が強いです。「見ろよ」単体でもこの曲が好きだって言ってくれる人が多くて、耳に残りやすくてカッコ良い、谷川POPゴリラのアンセム的な楽曲だと思います。そのカップリングの「Make My Day」は自身の音楽との馴れ初めを歌った曲だったんですが、同じ境遇のバンドマンからの受けがいいんです(笑)。今回のアルバムで録り直したもう1曲の「ネガティブSUMMER」もお気に入りで。ライヴの最後とかにやっていた大好きな曲で、元日にPVも公開しました。総じて濃いシングルだったなと思います!

ゆるやかなポップスの「暇乞い」はシンプルなベースとドラムに、差し色的に入ってくるギターが印象的でした。

Ray
「暇乞い」は僕が作った曲なんですが、作りたい楽曲のイメージがあって、Maroon5のようなR&Bやポップスの要素を谷川POPゴリラで演ってみたら面白いんじゃないかっていう好奇心から作りました。もともとゆっくんもそういう楽曲が好きなので合うかなぁって。
白木
自分も好きで聴くジャンルではありましたが、自分では作れない楽曲だなぁって思って、この曲を持ってこられた時はビビッときました。いい詞を乗せなきゃって想いも強く、歌詞を書くのにだいぶ時間がかかりましたね。

「夢を見ている」はストレートで疾走感のある楽曲ですね。

誠人
ストレートだからこそ、本心で向かっている楽曲でもあるかなって思います、白木の感情が大爆発するような、そんな楽曲になったかなって思います。
白木
自分も日頃思っていることではあるんですが、カッコ付けたステージだったり、見繕った自分なんて本当に素敵なの?って思うんです。これから夢を追っていく上で、どんだけカッコ悪く思われようが、ダサくたって自分の真芯を伝える…それが例えボロボロでがむしゃらな姿だとしても、自分のできる全力を出し切ってる姿が一番カッコ良いと思うので、“自分もそうなるぞ”って公言したような曲でもあるかなって。

谷川POPゴリラの楽曲はポップス、ロックとラップを主軸にしつつ、全てがキャッチーに昇華されていますが、制作の時やバンドでアレンジを進めていく時はどのように?

白木
自分が曲を聴く上でやっぱりメロディーが一番刺さるというか、グッとくるポイントで。ヒップホップやラップが好きではあるんですが、やっぱりサビはメロディーを歌いたいなって思いで今の楽曲アレンジになっていると思います。あくまで耳に残って心に刺さるグッドメロディーを、自分が好きなスタイル、ラップやトラックでカッコ良く決めたあとに歌いたいなって。

どのような一枚になったと思いますか?

白木
バリエーションに富んでて、インディーズの1stミニアルバムでこの一枚出してくるバンドは最近なかなかいないんじゃない?って思ってます(笑)。
Ray
振り幅が広いおかげで、ロックが好きとかポップスが好きとか、ジャンルに関係なくいろんな層に聴いてもらえるミニアルバムになったかなって思います。

メンバーそれぞれ、思い入れのある楽曲を教えてください。

Ray
僕は「痴漢、アカン」ですね。1曲の中でどんどん曲調が変わっていく谷川POPゴリラらしい曲なので、ギターもセクションごとにサウンドを色付けられるよう自分の持っているアイデアを詰め込みまくりました。
周作
やっぱり「愛が欲しくなる」です! サウンドプロデュースをしただけあって気持ちもこもってるし!
誠人
「痴漢、アカン」かなぁ。この曲は自分が作ったんですけど、従来の谷川POPゴリラにはなかったテイストで、本当はもっとふざけた曲にしようと思っていたんです。だけど、ゆっくんが歌詞を乗せたら熱いメッセージソングになっちゃって(笑)。でも、それが谷川POPゴリラらしさも出ていていい塩梅なのかなっていうのもあります。
白木
自分はアルバムを何度も何度も聴きすぎて全部大好きなんですけど、あえてこの曲って選ぶとしたら、「俺的恋の予感」ですかね! 初めてのラブソングだし、構想から完成までに一番時間かかった曲で、その分こいつのこと考えてる時間が長かったので。トラック1の「Borderless Party」から全曲通して聴いた最後にこの曲が来る時の“絶対的良い曲感”がより増し増しになってるところがたまらなく好きで、このアルバムの締めに申し分ない楽曲になったなと。僕個人としては自分が作曲していない楽曲に歌詞を書くことが少なかったので、そういう点では挑戦的だったと思いますが、これからはそういう曲も増やしていきたいですね。

作り終えた現在の心境は?

白木
自分が今まで聴いてきたアーティスたちは毎回前作を超えているので、自分たちも今までのベスト的な集大成である『愛が欲しくなる』を必ず超えていきたい。その積み重ねこそが、バンドとしてやるべきことでもあるなって思いました。今までライヴばかりやってきた中で、いい楽曲を作っていいアルバムを作ることに目を向けられたいいきっかけになりました。もしCDをきっかけに僕らに興味を持ってくれる人が現れたら、その人がライヴに足を運びやすい環境や雰囲気を作るということが次にやるべきことだと思います。来てもらえるなら、最高に楽しいライヴを届ける! そのためにたくさん練習するし、たくさん考える。たくさん、みんなの目の前に、耳元に現れたいです。これが今までの谷川POPゴリラの全てです。届けたかった想いです。ただ、2枚目、3枚目はきっと今とはまた違った谷川POPゴリラを届けられると思います。よりポップになるのか、よりドープになるのか、今は自分ですら分からないですが…この時代を生き抜いている者同士、バンドとして感じたこと思ったこと素直に届けられるアーティストでありたいなと思っています。さらに磨きがかかってレベルアップした谷川POPゴリラとして、またCDを手に取ってもらえるような、手に取りたくなるような活動を続けていきます。
『愛が欲しくなる』
    • 『愛が欲しくなる』
    • BTR-017
    • 2017.01.11
    • 1836円
谷川POPゴリラ プロフィール

タニカワポップゴリラ:2012年、愛知県にて結成。13年3月の名古屋さよならライヴを機に上京し、活動の拠点を東京、神奈川に移す。16年3月に現在の体制となって初のワンマンライヴを新宿FNVにて開催すると見事ソールドアウト。17年1月、初の全国流通ミニアルバム『愛が欲しくなる』をリリース。谷川POPゴリラ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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