L→R 廣田哲朗(Ba&Cho)、K.O.U(Dr)、SeshiroX(Vo)、Rockwell(Gu&Programming&Cho)

L→R 廣田哲朗(Ba&Cho)、K.O.U(Dr)、SeshiroX(Vo)、Rockwell(Gu&Programming&Cho)

【SILHOUETTE FROM THE SKYLIT】磨き
上げたと実感できる作品

SILHOUETTE FROM THE SKYLITが、今年リリースしたEP、アルバムに続いて両A面シングル「Blue Echo / Closer」をリリース! 2013年11月に行なわれた『Red Bull Live on the Road 2013』で優勝して得た海外レコーディングで録った3曲を収録した今作について、SeshiroX(Vo)に訊いた。
取材:高良美咲

本誌初登場のため、まずは2011年に活動の拠点を福岡から東京に移したきっかけについて教えてください。また、その活動の中で結成時の音楽性と何か変化はありましたか?

何かひとつのきっかけがあったというわけじゃないですが、当時の自分の感覚としては、福岡のインディーズで自分たちと近しい、いわゆるエモ、スクリーモ、ラウドと呼ばれるバンドシーンが皆無だったんですね。そういう音楽を聴きにライヴハウスに来る人がいなかった。もちろんゼロじゃないですけど、そこでお客さんを付けて大きくなっていくっていう前例もなくて、自分の中でバンドを成長させていくイメージが持てなかったんです。俺たちはその時から楽曲には根拠のない自信があったので、とにかくたくさんの人に聴いてもらわないと始まらないと。そういう想いが強かったので、シーンが大きいところ、ライバルが多いところでやるという方向に自然と考えがいったんだと思います。音楽性の面で言えば、進化はしているけれど、今のメンバー編成になってから軸はあんまりブレてないかなぁという気がします。しかし、大きな括りで言えば、東京のライヴシーンに刺激されて、どんどんライヴを意識した楽曲作りに傾いていったことは間違いないですね。

今年7月にリリースした前ミニアルバム『The Reflections』ですが、ライヴでの手応えや反応はどのように感じていますか?

ライヴを意識した楽曲が増えた分、ライヴの手応えは大きく変わりましたね。シンガロングやツーステ、とにかく一体感のあるライヴ展開がやり易くなりました。曲のラインナップとしてもかなり振り幅があって、踊れる曲、アコースティックで聴かせる曲、シャウトありのコアな曲…まぁ、いろいろやってみたわけですけど、ほんとに上手くSFTS節を全てにおいて出せたというか。そういうところをリスナーも感じてくれていて、みんなお気に入りの曲が全然違うんですよ。やっぱり、PVにもなっているリード曲「Unsheathed」や1曲目の「Complete Me」は思い入れのある曲だけど、それ以外にもそれぞれ思い思いのお気に入りの楽曲を見付けてくれたことがとても嬉しかったです。

今改めて振り返るとどのような作品になったと思いますか?

もう作り始めた頃から10カ月くらい経ちますけど、どの曲にもコンセプトやストーリー、やりたいことが明確にあったので一曲一曲の個性がすごいんですよ。だからこそ、みんなが気に入る曲も違ってきて。当初、自分たちで“全曲キラーチューン”って売り文句を謳ってたんですけど(笑)、ほんとにそういう全方位型のアルバムだったなと思います。

バンドとして何か変化などはありましたか?

バンドとしての変化はライヴやツアーの中で起こるんですけど、今回もいろんなことがありました。たくさん壁にぶつかって、あれこれ試行錯誤して、心折れそうになって…今も折れそうなんですけど(笑)。でも、仲間が言葉をかけてくれる環境が僕らにはあって、自分たちの弱さを改めて気付かされたし、強くなりたいと思った。“もう逃げられないし、逃げたくない”って腹を括ったようなところはありますね。

今作は、『Red Bull Live on the Road 2013』で優勝して得た海外レコーディングで収録された3曲が入っていますが、収録された楽曲について、制作前に何かイメージはあったのでしょうか?

前作『The Reflections』のマスターが完成したが5月中旬くらいで、そこから6月の下旬にかけての1カ月で3曲書き上げた感じですね。レコーディングのスケジュールは死んでもズラせないので、なりふり構わずというよりは、狙い澄まして“ココだ!”っていう感じで作っていきました。ボツになった曲は2曲くらいしかなくて、だいたいはオケをAメロからサビまで作ったところで判断するんですけど、今回の「Blue Echo」は俺がどうしてもやりたかったので入れて、「Closer」はデモが出来上がって満場一致で決まりました。途中に作ってた保留の曲が自動的にボツになったくらいで、なんとなく自然な流れです(笑)。

1曲目を飾る「Blue Echo」では初めて取り入れたという軽やかで躍動感のあるファルセットが印象的でした。歌の面で意識したのはどのようなところでしたか?

今まで自分が好きなロックバンド(主に海外)だとファルセットを使う楽曲ってあまりなかったんですけど、日本のポップスは多用してるイメージがあったというか。なんとなくそっちに寄りたくないなっていう潜在的な敬遠があったんですよね。でも、ちょっとしたきっかけで、力強いファルセットの曲も作りたいなって思うようになって。ファルセットってどうしても音の線が細くなってしまうので、うちみたいながっつりなバンドサウンドだと負けちゃうんですよ。そこをどうにか負けないように、力強いファルセットにするっていう意識はありました。とにかく普遍的な4つ打ちのアンセムを作りたいと思ったのがきっかけで。どんな時にも人生の道標になるような…って、そこまで大げさではないですけど。でも、何と言うか、どんな逆境でも静かにぐっと耐え忍んで前に進む。そんな勇気をほんの少しは分けてあげられる曲に仕上がったんじゃないかなと思います。

「Closer」はサビのリフレインが一体感をもたらして、ライヴでは会場を奮い立たす一曲になりそうですね。

まさにそのイメージで作りました(笑)。シンプルなフレーズをみんなで歌ってひとつになる。あとは、わりと小難しいことばっかり歌にしようとする癖があるので、この曲に関してはそういうサビのシンプルさにもあやかって、勝負をテーマにした、男なら誰もが燃えたぎるような楽曲にしようと思って歌詞を書きました。お気に入りのフレーズは《UndoやRedoはない仕様》です!!(笑)

「Sheltered」はシンプルでありながら、曲間のギターソロなど、耳に残る部分が多かったです。この曲はもどかしさを描いた歌詞も印象的だったのですが、この曲で伝えたかったこととは?

この曲もシンプルにいこうっていうのがありました。その中で、どこにフックを付けるかというのがアレンジとしてはテーマだったので、そう言っていただけると嬉しいです。内容としては、多くの人が今の自分より良い人間になりたくて、変わりたくて生きてると思うんです。まぁ、それは俺がそうなんですけど…。でも、変わらない強さってあるわけですよ。ブレない軸のようなものと言ったらいいんでしょうか。どんどん変化していきたい部分と、変わらずに残したい自分の芯の部分との切り分けに葛藤している気持ちを込めました。それから、人間は傷付いたら誰かに慰めてもらったりするじゃないですか。でも、そういうことを器用にできない人はいわゆる“逃げ”になったたりするんですけど、俺はそれが前向きな自己修復のためだったらいいと思うんです。そこに閉じ籠もって一生過ごすのはどうかと思うけど、またすぐ出てきて勝負するんだったら、ちょっとくらい逃げ場に逃げ込んだっていいんじゃないかなって、そういうことを歌ってます。

今作の中でも、聴きどころはどこでしょう?

ニューヨークの空気が振動してできた音なので、それを想像して聴いてください(笑)。

初めての海外レコーディングという、いつもと違う環境でのレコーディングということで、どのようなところに挑戦しましたか?

今までとは作り方が1から10まで違うので、挑戦と言われたら、全てと答えることになるんですが(笑)。特にという話で言うと、ギターの音作りでしょうか。今までは予算の関係でそこまで作り込んだ音作りができなかったんですが、今回はスタジオで時間もあったし、アンプも爆音で鳴らせたので。やっぱりアメリカと言えば高い電圧と渇いた空気じゃないですか(笑)。ギターにはこだわろうってことで、すごくドライブ感と飽和感のある最高のサウンドになったと思います。

その中でどのようなことを得られましたか?

普段使うことのないようなハイグレードなスタジオ環境だったこともありますが、ただ機材が充実しているとか広いとかっていうことではなくて、いかにクリエイティブな脳に切り替えるかという環境面の操作が海外の人は得意だなって感じました。アーティストがいかに気持ち良くセッションに入れるかということにすごく敏感で。俺はアメリカに住んでたことがあるのですが、こんなにキメ細かな気配りができるアメリカ人がいるんだ、とちょっと驚きました。

そんな本作ですが、出来上がってみて、どのような一枚になったと思いますか?

いろんな音は相変わらず要所に詰め込んでるんですが、歌を前に出したりシンプルなリズムアレンジを心掛けたことで、音数が多くても喧嘩することなく何度も聴ける楽曲たちに仕上がったと思います。そういう意味でサウンドプロダクションとアレンジの削ぎ落としによって、今までの作品はまだまだ原石だったんだな、と感じました。今回は磨き上げたと実感できる作品になったと思います。

ここで改めて、SILHOUETTE FROM THE SKYLITとはどのようなバンドだと思いますか?

これは最近すごく実感してることですが、楽曲だけ聴くと器用に思われることが多いんですけど、実際はすごい不器用なんですよね。メンバーのだいたいは喋るのが苦手だし、シャイだし…でも、酒を飲んだらイケるという謎の自信があったり。だけど、名前とか世界観がクールなので、そういうクールなバンドでいなくちゃって思ってきた部分があるんですよ。だけど、もうボロが出始めているんで(笑)。これからはもっと、そういう不器用なところも含めて楽曲やライヴに反映して曝け出していって、初めてみんなに“あぁ、こういう奴らなんだ”って分かってもらいたい。猫被りバンドだと思うんですけど、良い意味で変わっていける柔軟さもある。まだまだ未完成で、変化していけるバンドだと思ってます。

最後に、リリース後の展望について教えてください。

1月はイベント出演や仲間のバンドのツアーサポートを行なって、2月から自分たちのツアーをやります。今回はいろんなところへは行けないんですが、その分凝縮したものにしたいです。ツアーファイナルは初のワンマンなのでシルエットとしての節目となるような最高のイベントにしたいです。
「Blue Echo / Closer」
    • 「Blue Echo / Closer」
    • SRBM-1008
    • 2014.12.03
    • 1080円
SILHOUETTE FROM THE SKYLIT プロフィール

シルエット・フロム・ザ・スカイリット:福岡発のエモーショナルロックバンド。2007年、SeshiroX(Vo)が前身となるプロジェクトバンドを立ち上げ、08年、現在のバンド名になる。11年6月、活動の拠点を福岡から東京に移す。13年11月に行なわれた『Red Bull Live on the Road 2013』の優勝プライズとして得た海外レコーディングで収録したシングル「Blue Echo / Closer」を14年12月3日にリリース。SILHOUETTE FROM THE SKYLIT オフィシャルHP

OKMusic編集部

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