L→R 河むらたろう(Dr)、さえぽう(Vo&Gu)、るみなす(Gu)、みんちゅ(Ba)

L→R 河むらたろう(Dr)、さえぽう(Vo&Gu)、るみなす(Gu)、みんちゅ(Ba)

【AOAZA インタビュー】
“バンド”にとらわれない
自由な音作り

男女4人組バンド・AOAZAが2020年10月に配信リリースしたEP『Paradigm Shift』をCD化! ボーナストラックを2曲加えた計6曲を収録し、4月21日にリリースする。方々で“クリエイター集団として活動していきたい”と語る彼女たちはどのような表現を追い求めているのだろうか?

バンドという形態にとらわれずに
音楽をやっていきたい

ソロや楽曲提供で音楽活動をしていたさえぽうさんは、なぜAOAZAを結成しようと思われたのでしょう?

さえぽう
曲作りが好きなのでひとりで活動していたんですけど、昔バンドをやっていたのもあって、またバンドをやりたいなーと思っていたんです。ちょうどそのタイミングで上京前に地元のライブハウスで知り合っていたるみなすから声をがけてもらって。
るみなす
私がサポートとして参加しているバンドが出るライヴに、さえぽうが対バンのお客さんとして観に来てたんです。その時点でサポートが終わることが決まっていたので、“一緒にやってみない?”と気軽な気持ちで声をかけて。
さえぽう
だから、私は“やるやる!”って。それでよく使うスタジオで顔見知りだった河むらたろうとみんちゅに声をかけて、それこそ1週間しないうちにメンバー集まったんです。
たろう
いろんなバンドを転々としていて、“次は何をやろっかな?”と思っていた時に僕も声をかけてもらって。
みんちゅ
僕もほとんど同じですね。バンドを辞めたばかりのタイミングで声をかけてもらって。音源を聴かせてもらったら歌のうまさにびっくりして、ふたつ返事でOKしました。
さえぽう
仙台生まれのるみなすと私が東京で再会してから、とんとん拍子でバンド結成に至って…だから、“これは運命だ!”って思いました(笑)。

それは運命を感じずにはいられないですね。リモートの画面越しで見ていてもバンドの空気感の良さが伝わってくるくらい、すごく相性のいいメンバーが揃っていますし。

るみなす
そう感じていただけるのは、一緒に音楽をするにあたって好きな音楽はもちろん、感動した風景や映画とか共有するものがたくさんあるのも大きいかもしれないです。個人的にはAOAZAを組んでから海外アーティストのライヴ映像を観る機会が増えて、それを観ていたら海外でライヴをしたい気持ちが湧いてきたので、メンバーにはすごく感化されてます。
さえぽう
そうやって海外の音楽を共有し合ううちに“ポップス寄りのエレクトロをバンドでやったら面白いんじゃないか?”と思うようになって。そこからバンドというよりはクリエイターチームみたいな感覚で形態にとらわれずに音楽をやっていきたくなって、現在のスタイルに至ります。どんどんいろんな音楽性に挑戦していきたいんです。

AOAZAの音楽が風景描写に長けているのには、そういう背景があるんですね。生活音と言えば、ミニアルバム『UP』(2019年5月発表)にはスマホの着信音が入っていました。

さえぽう
今作『Paradigm Shift』なら渡り鳥の旅のイメージで作った「WonderVogel」には鳥の鳴き声を入れてみたり、海のイメージを持つ「BLUE MY MIND」には水の音や潜る音を入れていて。聴いている人たちに物語を想像してもらえるような音作りを心がけていますね。
たろう
ドラマーらしからぬ意見かもしれないですけど、それで表現したいものが表現できるなら、ドラムを入れる必要はないとも思うんです。自由な音作りをするのが一番いいと思うんですよね。
みんちゅ
たろうは引き算がすごくうまいんですよ。彼に影響されて僕もベースを弾かなくてもいい瞬間を見つけられるようにもなったし、弾く意味を持たせられるフレーズを作ろうとする感覚がどんどん身についてきました。さえぽうの曲の世界観はどギツさもあるけど(笑)、SF要素が強いので面白いんです。

確かにさえぽうさんの作る楽曲は一曲一曲に込められた思想が濃いなと。

さえぽう
あははは! 映画や風景、人から聞いた話、起こった出来事とかに刺激されて生まれた感情を放出したいという願望から曲が生まれて、それを“こう感じたんだよ! 聴いて!”と発信していく…という流れが私の中にあるんです。ボーナストラック以外の4曲は自粛期間中に作ったもので、それこそ「WonderVogel」も大学でワンダーフォーゲル部に入っている友達の話を聞いて“何それ! カッコ良いじゃん!”と思っていろいろ想像して生まれたものなんです(笑)。

「WonderVogel」は自然の厳しさも描かれている曲ですが、ポジティブな刺激から生まれたんですね。自粛期間は塞ぎこんでしまう人も多かったですが、AOAZAはどうでしたか?

さえぽう
全然そんなことなかったです。AOAZAはメンバー全員とにかくポジティブなんですよ(笑)。
みんちゅ
昨年3月にパリで予定されていたライヴが中止になってしまったのは残念だったんですけど、“ライヴができないならパリでめっちゃお酒が飲めるね~”なんて話して(笑)。現地でできる限りの美術館やアート展を回りました。
さえぽう
うんうん。ライヴができないのがすごく残念だったから、それ以上に楽しんできました。次回のパリで必ずライヴしたいですし、その時はきっと中止になってしまった時よりも何百倍もいいライヴができると思うんです。だから、身に起こったことは何が何でもやってやる!精神ですね。

楽曲はものすごく落ち込んでいる描写が多いので、そこまで天性のポジティブなのは意外でした。

みんちゅ
でも、さえぽうは色恋沙汰で落ち込んでる時に、めっちゃ曲できるよね?(笑)
さえぽう
確かに(笑)。女子会で愚痴ったりしゃべったりするだけじゃ足りなくて曲にしちゃう。

なるほど。ポジティブだけど感受性の豊かさゆえに感情の振れ幅が大きいから、陰の描写も出てくるのかしら。

さえぽう
うんうん。そのニュアンスが近いかもしれないです。映画で悲しいシーンがあったらボロボロ泣くし、面白いことがあったらすぐに笑うし(笑)。感情があふれ出したら頭で何も考えずに曲を作っちゃうから、あとから歌詞を読み返して“どうやったらこんな歌詞が書けるの!?”と思うことがよくあります(笑)。
L→R 河むらたろう(Dr)、さえぽう(Vo&Gu)、るみなす(Gu)、みんちゅ(Ba)
EP『Paradigm Shift』

OKMusic編集部

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