L→R 中澤健介(Ba)、中山卓哉(Vo&Gu)、高原星美(Dr)、小島“lue”秀和(Gu)

L→R 中澤健介(Ba)、中山卓哉(Vo&Gu)、高原星美(Dr)、小島“lue”秀和(Gu)

【グッバイフジヤマ】今まで出会った
人たちのおかげで僕らはここまで来ら
れている

前作ミニアルバム『スイートセブンティーン』より1年振りとなる1stフルアルバム『この胸いっぱいの愛を』のテーマは“出会いと別れ”。幸福感に寄り添って懐かしさや切なさを感じさせる今作について中山卓哉(Vo&Gu)に語ってもらった。
取材:高良美咲

2015年9月のミニアルバム『スイートセブンティーン』リリース後、渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライヴや全国各地でのライヴを経てみて、どのような反響がありましたか?

10代に向けて歌った作品だったので、各地に10代のお客さんが増えました。渋谷CLUB QUATTROでのワンマンを終えてからは、バンドとしてのこれからの目標や課題点が見えてきたと思いました。

前作を改めて振り返ると?

すごく瑞々しくて、ファーストみたいな作品だったなと。基本的に誰かに向かって歌っていなくて、10代や20代、30代になった時の自分のために歌っていたなぁと思います。自分のことしか考えていなくて、後ろ向きな歌詞しかないこの作品、とても好きです(笑)。

『この胸いっぱいの愛を』は前作から1年を経ての新作、そしてバンドの1stフルアルバムとなるわけですが。

その渋谷CLUB QUATTROワンマン辺りから、2016年の春に15曲入りのフルアルバムを出したいと考えていたんです。しかし、みんなで話し合った結果、会場限定盤を出して地盤を作ってから出そうという話になり、秋まで延期になりました。曲数はアルバムのコンセプトや流れで10曲になりましたね。

既発の「ひばりくんの憂鬱」、6月に会場限定でリリースした「Summer of Lovers」「ですとらくしょん!」をはじめとした全10曲が収録されていますが、どのような楽曲を選曲しようと思ったのでしょうか?

今作のテーマは出会いと別れ。時間が経って変わってしまうことがたくさんあるけれど、なかったことになるわけじゃない。そういう想いを歌にしようと作った曲を中心に入れました。会場限定でリリースした2曲はキャッチーでライヴでも盛り上がる曲なので、みんな手に取ってくれますね。新しい曲を受け入れてもらえるのは活動の糧になります。

書き下ろした楽曲は?

「夜明けのシュプレヒコール」と「Summer of Lovers」です! 出会いと別れがテーマなので、それの裏側にある時代の変化について歌いたいなと思ってこの2曲を書きました。実はこの2曲は対になっているんですよ。

「星めぐりのこどもたち」は1st EP『Subculture-shock!!』(2012年5月発表)に収録された楽曲ですが、今作に向けて再録してみていかがでしたか?

1stフルアルバムということで、やっぱりこのタイミングかなと思って入れました。大人でも子供でもない時期が歌われてるんですが、ギリギリ今かなと(笑)。これからゆっくりとしっかり大人になっていって、この曲を作った時のことさえ忘れてしまうんだろうな…と思ったら、今録らなきゃと。歌詞に当てはまる自分で歌えたと思います。

当時はどのようなテーマで作られたのですか?

バンドを始める時にすごく好きだった漫画があって。自己投影して読んでまして、いつの間にかにあんなに楽しかったり当たり前だったものがなくなってしまって、結局僕はひとりぼっちなんだと自己嫌悪に浸る自分がいて。“あぁ、これってそう考えている自分が大好きなんだな、気持ち悪い”とか思って作りました。自分へのディスですね。

続く「ジョバンニの切符」は宮沢賢治作品『銀河鉄道の夜』を彷彿させるタイトルですが。

これは2014年の秋に作りました。この時期は別れが多くて、落ち込んでいたんです。“でも、きっと大丈夫。どこにだっていけるし、なんとかなるよ”って友達に伝えたくて作りました。前半は僕が友達に。後半は友達が僕に語りかけているんですよ。

軽快なサウンドの「この胸いっぱいの愛を」はライヴでの合唱が想像できるし、幸福感でラストを締め括ってくれる楽曲でした。

今まで出会った人たちのおかげで僕らはここまで来られていると強く思って書いたので、この曲ができた時からアルバムのタイトルにしたいと思ってました。例え今は僕らのことを好きじゃなくなっていたとしても、それはなかったことにならないと。またこの曲が届いて、“昔好きだったなぁ”とか、その時の情景が浮かんだりしてくれたら嬉しいです。

中でも思い入れのある楽曲、印象深い楽曲は?

「BOYS IN THE BAND」です。「この胸いっぱいの愛を」と対になっていて。僕らがこれからもバンドをやっていって、辛いことがあっても、この曲があればなんだか大丈夫な気がするんです。

今作が出来上がってみていかがですか?

完成してからたくさん聴いてるのですが、このアルバムは受け取ってくれる人がいて、そこで完成するのかなと思います。歌詞をしっかり読んでもらえたら嬉しいですね。CDになって僕以外の人の手に届いた時点で、もうこの曲たちは僕だけのものじゃなくなるので、受け取り方は自由なんですが、少しでも本懐が伝われば嬉しいです。

11月27日には渋谷CLUB QUATTROでリリース記念イベント『渋谷サマー・オブ・ラブ』を開催しますが。

終始笑顔でいられるような楽しいライヴ、だけどちょっとだけ泣けちゃうような、そんな1日にしたいです。
『この胸いっぱいの愛を』
    • 『この胸いっぱいの愛を』
    • LADR-009
    • 2016.11.02
    • 2160円
グッバイフジヤマ プロフィール

グッバイフジヤマ:2011年、幼馴染の中山卓哉と中澤健介を中心に“ルンペンフジヤマ”として活動開始。12年夏に“グッバイフジヤマ”へ改名。各地のサーキットイベントに出演を果たし、話題を呼ぶ。後に小島“lue”秀和、高原星美が加入して14年に現在の4人編成になる。16年11月2日、1stフルアルバム『この胸いっぱいの愛を』をリリース。グッバイフジヤマオフィシャルHP

OKMusic編集部

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