Keisandeath

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【Keisandeath インタビュー】
今までよりも使命感を持って
活動をするようになった

メタル系シンガーソングライター・Keisandeathの7thアルバム『Mother Earth』が完成した。新型コロナウイルスの影響で思うように活動できないフラストレーションも相まって、今作ではかなり楽曲制作に没頭した様子。壮大なタイトルを掲げ、彼女の頭の中にはどんな世界が広がっていたのか?

もとから曲作りは好きだけど、
今はより楽しめている

今回のアルバムのタイトルは“Mother Earth=母なる大地”ですが、なぜこういった壮大なテーマが浮かんだのでしょうか?

“Mother Earth”をアルバムタイトルに決める前に表題曲を作っていて、その時に急に“Mother Earthだ!”と思ったんです(笑)。昨年10月にリリースしたベストアルバム『空-Kuu-』『色-Shiki-』が自分でもお気に入りのタイトルだったので、次の作品はどうしようかずっと悩んでたんですけど、パッと思いつきました。今作には、1stアルバム『THE FIRST』(2018年1月発表)に収録されていた「Eat You Alive」「Verona」「秋紅葉りんご」をリメイクして収録しているんですけど、「秋紅葉りんご」は母と子の物語をイメージして作った曲なので、そういったところから制作中に何となく“マザー”をタイトルに入れたいとは思っていて。アルバム的にはもっと壮大なイメージがあったから、“Mother Earth”がしっくりきました。

表題曲「Mother Earth」はEDMっぽさのあるノリの良い曲ですね。“母なる大地はいつでも私たちを広い心で見守っている、だからそれに応えよう”という気持ちが込められているそうで、歌詞は《Find my truth 今ここから/恐れずに変わる 勇気共に》と心強いフレーズが並んでいます。

今までもライヴで盛り上がりそうなノリノリな曲を作りたいと思ってたのでやっとかたちにできました。でも、おっしゃっていただいたように歌詞は真面目な感じになりましたね。個性も大事だけど、自分自身が変わることで成長することもあるし、母なる大地が見守ってくれているのだから、成長し続けないと…みたいな。

Keiさんはここ数年で海外のファンからメッセージをもらうことが増えて、海外ツアーなども考えていたところでコロナ禍がぶつかってしまったわけですが、そこで落ち込むのではなく、モチベーションは上がっているんですか?

モヤモヤした気持ちはあるんですけど、それを糧に“やるしかない!”と曲作りに専念するようになって、気がついたらすごく前向きな曲ができるようになっていました。あと、今までよりも使命感を持って音楽活動をするようになったとは思います。Keisandeathの音楽を聴いてくれる方にとって、何かが残るものを作りたいという気持ちが今までよりも強いです。今は少しでも元気になってほしいから、歌詞も自然と力強いものが多くなっていたり、『THE FIRST』からリメイクした3曲もポジティブにしたかったので、アレンジだけではなく歌詞も変えました。もちろん『THE FIRST』に収録されているバージョンも好きですけど、今自分が歌うことを考えると暗くしたくなかったんです。

昨年リリースしたベスト盤は全収録曲をリメイクしていたので、そこで今までのKeisandeathを振り返りながら芽生えた気持ちもあり、すごくいいモードで今作への制作に取りかかれたんですね。

そうだと思います。リメイクも含めて、『Mother Earth』はこのタイミングでしかできなかった表現が詰め込まれているんです。歌詞で“私”と歌う時にも、その“私”はKeiや楽曲の主人公のことだけではなく、自分自身のことだと思って聴いてくれているリスナーもいるということを想像していて、意識はすごく変わりました。そういった感覚を歌詞として言葉にするのは難しくもありましたけど。

今作はポジティブ感も大事にされているアルバムということで、踊れる「Mother Earth」に始まり、歌詞も書き換えた「Eat You Alive」などが並ぶ中、「Tokko」は最初の1分半以上ずっとデスヴォイスが響いていて、また違ったアプローチの曲に思えました。

これは怒りの曲なんです。知り合いのご先祖に特別攻撃隊の方がいて、そのお話を聞いて作りました。そのご先祖の方は、ご病気だったお母さまのために20歳の時に特攻で亡くなられたそうなんですけど、私はどうしても許し難い気持ちになって…。当時は特攻隊であることは誇りで、そう思うしかなかった世の中だったけど、そこには誇りに思う以外の気持ちもあったはずで、その想いは忘れてはいけないものだと思って曲にしました。特攻隊の方も聴いたであろう「同期の桜」の要素も入れて、私の怒りの感情だけでなく、どんな想いで旅立ち、どんな想いでお母さまが見送ったのかを想像しています。うまく言い表せないけど、お話を聞いてから特攻隊のことが書かれた本を読んで、遺書はお母さんに宛てたものが多いことも知って、《身体失くせども語り続ける~》のところは自分で書いた歌詞なのに、レコーディングでも感情が高ぶってしまって、録るのに時間がかかりました。

少しずつ今作のタイトルが“Mother Earth”になった経緯が見えてきた気がします。“母”がキーになっている曲が多いのもそうですし、命について考えることがあったんですね。本当に曲作りに没頭していたのだなと。

のめり込むように作ってました。今までは自分の楽曲のスタイルを模索してたんですけど、ベスト盤に収録した新曲「Stay home」「Shiki」を作ったあたりからは、言いたいことが徐々に出せるようになってきて、もとから曲作りは好きだけど、今はより楽しめていると思います。
Keisandeath
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OKMusic編集部

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