【vivid undress】この5人じゃないと
絶対できないと思えたミニアルバム
1st ミニアルバム『Unveil』から1年を経て、2ndミニアルバム『Prevail』をリリース!
“Prevail”=“説き伏せる”と名付けられた今作は、バンドの自信に満ちあふれた一枚になった。
取材:高良美咲
初登場のため、まずは結成のいきさつを教えていただけますか?
killa
私がソロで活動していたことがきっかけです。ただ、いろいろと上手くいかなくて、“もうこれを最後のチャンスにしよう”と思ってモロさん(プロデューサーの師崎洋平)に相談しました。その時に“バンドで戦えるようにしていきたい”という話になってメンバーが集まって、とてもいい感じだったのでそのままバンドになりました。老若男女誰もが名前を知っているような、日本を代表するロックバンドになりたいという気持ちがありましたね。
2014年3月の結成からは具体的にどのような活動をしてきたのでしょうか?
yu-ya
とりあえず、曲を作ってみようという流れになって。
kiila
ライヴ自体は少なかったですね。ほとんど曲作りというか。でも曲作りにあたってみんなのスキルのすごさが出てきて、どんどんプログレッシブになりましたね(笑)。5人全員が突出した、負けず劣らずのそれぞれのスペシャリストになったんじゃないかと思います。
syunn
あと、うっちゃん(ウツミ)が入ってまた変わりましたね。そこからまた音楽性は変わっただろうし。
ウツミ
入る前を私は知らないから…変わったんだね(笑)。
2015年4月にリリースした初の全国流通盤ミニアルバム『Unveil』の手応えはどのように感じていますか?
syunn
いろんなことに挑戦したアルバムでしたね。
kiila
楽曲制作の時に出てきた、みんなのスキルのすごさや、いろんなことができるということをギュッと詰め込んだアルバムだったと思うので、難しいことをしすぎたかな?という感もありました(笑)。
ウツミ
私はこの時は加入直後だったので、「ゼロ」(デモ音源)のイメージよりだいぶテクニカルになったなーというイメージだったかも。
rio
だから、ライヴで再現するのが超難しくて(笑)。
syunn
でも、それで僕らがスキルアップできるきっかけになったんじゃないかなと。まぁ…日本がまだ僕らに付いてきていないのかなと(笑)。
kiila
でも、そこがこのバンドの要素だと思っています。
約1年振りにリリースとなるアルバム『Prevail』はいつ頃から制作にとりかかったのでしょうか?
kiila
『Unveil』を作ってわりとすぐ楽曲制作に入りましたね。
kiila
『Unveil』はスキルや楽曲で魅せることができたけど、その後“どんなバンドになりたいか?”と考えた時に、次の作品はより歌モノで、多くの人に届くような作品にしたいという気持ちが沸いてきました。
ウツミ
『Unveil』では正直、難解な曲が多くて…今作が歌モノということもあって、よりライヴを意識した楽曲も増えたと思います。
rio
アルバムの主軸…というか、「シーラカンスダンス」は強烈な曲ができたって思いました!
「シーラカンスダンス」は語感の良い“シーラカンスダンス”という言葉が耳に残る、中毒性の高い一曲ですね。
kiila
プロデューサーのモロさんがメロディーを持ってきて、それにyu-yaがギターフレーズを盛り込んで…というやり方で作りました。歌詞については、作った時のサビの仮歌詞で“シーラカンスダンス”というワードが入っていて、本チャンの歌詞を考えようとした時、それに変わる言葉がなかなか見つからなくて(笑)。…何と言うか、天から降りてきたような言葉だったので、その“シーラカンスダンス”という言葉をもとに作詞しました。曲に関してはやっぱり、“ライヴで盛り上がれるようにしたい”という意向がありましたね。
「Dance Dance Dance」は作曲がバンド名になっていますが、制作やアレンジの際はどのように進行したのでしょうか?
kiila
制作やアレンジについては、スタジオでみんなで“せーの”で曲を作ってみよう!という初めての試みで作りました。
yu-ya
初めてのセッション形式の曲作りだったよね。
kiila
私は意外にエモーショナルに仕上がったと思いましたね、歌詞が感情的ですし。あと、90年代のJ-POP要素が盛り込まれて、大人の人には懐かしく、若い人たちにはそこが新しく感じる一曲になったのかなーと。syunnのズっぺン節(スラップフレーズ)も強烈ですね!
「君がくれた未来」はライヴでみんなが合唱している景色が目に浮かび、今作の締め括りに相応しい楽曲だと思いました。
kiila
この曲はメロディーが先にできて、楽曲が無色透明という感じだったので、その時のピュアな自分の気持ちを出そうと思って。この曲に関してはひとりの人のことを思って書いた歌詞なんです。
rio
だからこそ、アレンジもシンプルで分かりやすくということを心掛けました。
kiila
この曲こそまさに“歌で伝えたい”という気持ちが強くなった一曲になったと思います。
メンバーそれぞれ、思い入れのある曲はありますか?
syunn
「適度に」のベースフレーズは特にこだわりましたね。あともうひとつ挙げるなら「シーラカンスダンス」。誰にもコピーできないようなフレーズにしてやるぜ!と思って(笑)
yu-ya
僕も「適度に」ですかね。kiilaが最初に歌メロを作ってくれた時にコードを付けてくれと頼まれました。どんなのがいいかな?とすごく悩んで。19~20歳の時に書き溜めたコードとかフレーズを漁って、それがすごくマッチして。
kiila
すごい、それは過去の自分と今の自分がリンクした!って感じだね。
yu-ya
あと、「醜いお姫様」も。rioさんが持ってきた曲といういうこともあって今までの曲と雰囲気が違う。フレーズとかどうしようかな?と思ったけど今では一番好きかもしれないです。
rio
確か、曲をみんなに伝えたあとに旅行に行っちゃって(笑)。その間に残りの4人でアレンジしてくれていたんですが、それがすっごく良くて新鮮で。アレンジでこんなに曲がよくなるんだなーってしみじみ感じました。
kiila
全曲手を抜いてないし、全曲力を入れたんですが、その中でも印象的だったのは「それでも」ですね。最初にデモで作った時は今の曲よりキーが半音高くて。で、制作途中に思い付きで“半音下げよう!”という話になって、そうしたらすごく曲の世界観が違って見えたんです。なんか、上京してすぐにひとりでストリートライヴをしていた時のこととかを思い出したりして…。その時まで書いていた歌詞を全部書き直したんです。
ウツミ
「Dance Dance Dance」「適度に」「醜いお姫様」はBPMが一緒で4つ打ちの曲なので、そのノリの叩き分けにはすごくこだわりましたね
作り終えてみて、改めて感じたことはありますか?
syunn
僕はkiilaの歌声は歌モノのほうが生きるなーと純粋に思いました。
kiila
私が得たものはただひとつ、“感動”!! このミニアルバムはこの5人じゃないと絶対できないって思ったし、私が生きてきたこの人生の中で一番好きなミニアルバムになりました。
yu-ya
俺はこの5人が最高に好きだなーと思った!
ウツミ
私はただただ他の4人がすげーなーって思いました(笑)。
rio
ほんとにみんな、やわらかいというか…柔軟ですね。だからこそ、こんなに素晴らしい一枚が出来上がったと思います!
そんな今作には“Prevail”と名付けられたわけですが。
kiila
一枚目の『Unveil』は“解き明かす”という意味で、次は“説き伏せる”という意味を込めて“Prevail”と名付けたんですけど、後々さらに意味を調べると“勝つ”“流行っている”という意味もあって、ほんとにいい意味しかないような言葉だったんですよ。
rio
それが分かった瞬間、みんなで“これだね!”って決まりました。
リリース後は今作のリリースツアー、そして6月29日にはファイナルとして渋谷WWWで自主企画を行ないますね。
kiila
6月29日は各地ツアーを回った締め括りなので、各地を回ってきて得たパワーをドカーンと出して、さらに次のステップにつながるライヴにしたいですね!
syunn
ツアーでの楽しみはいろいろあるけど(笑)、九州に行けることかな?
今後の活動については?
kiila
『Prevail』という素晴らしい作品が出来上がったばかりではあるんですが、私たちは今もさらに曲作りをしています。『Prevail』が発売されることによって楽曲への期待をもっともっと高めてもらいたいと思っています。そして、私たちもどんどん磨きのかかった楽曲を世に出していきたいです! その楽曲で、さらにライヴが楽しみになっていっていますね。そういった気持ちをみんなと共有できればいいかなと思っています。
ウツミ
この素晴らしい楽曲たちを持ってライヴの力をどんどん上げていきたいと思っています。
syunn
この作品であっと言わせたい! 僕はそれだけです(キラン★)。
- 『Prevail』
- POCS-22026
- 2016.05.25
- 1800円
ヴィヴィッドアンドレス:2014年、別々に音楽活動をしていたメンバーが出会って結成。実力派のメンバーが奏でるテクニカルかつソリッドなサウンドに相反するような大衆性のあるkiilaの歌声、そして90年代J-POPを想起させるど真ん中を突くメロディーを武器に、“J-POP 突然変異型 ROCKクインテット”を称し活動を始める。17年3月に自主レーベル“MONOLITHIC RECORDINGS”の立ち上げを発表、全てのバンド運営に 関する業務をメンバーで分担し、精力的に活動。19年12月に1stアルバム『混在ニューウェーブ』のリリースをもって待望のメジャーデビューを果たす。vivid undress オフィシャルHP