【Anarchy】僕とMUROくんのこだわり
が詰まった、
完璧なアルバム
取材:土屋恵介
自身の感じるリアルな言葉をラップするアーティストAnarchyが、80年代後半から日本のヒップホップシーンを牽引する“KING OF DIGGIN’”MUROとタッグを組み、全曲MUROがプロデュースのアルバム『DIGGIN’ ANARCHY』をリリースした。
プロディジー(モブ・ディープ)のアルバム『RETURN OF THE MAC』(2007年発表)の中で、MUROくんが2曲ぐらい作ってて、あのアルバムが大好きだったんです。その頃からMUROくんと曲を作りたいと思っていて、それが今回実現したんです
MUROの手によるソウルフルでファンキーなトラックの上で、ヴィヴィッドにラップするAnarchyというのは実にフレッシュ。新作は、“10の顔を見せるAnarchy”がテーマになっている。
十年前よりもラップの面白さを知ってるし、歌いたいこともいっぱいあるから、このアルバムはいろんなラップをしようと意識しました。あと、今まで曲にしてなかった自分を、MUROくんに引き出してもらえたらと思って作っていったんです。今、自分が作りたいアルバムがこれだった。前と同じものは作りたくないし、いつも驚かしたいから、それだけを考えてました。ラップはいつも通り書いたけど、イメージもすぐ沸いたし、リリックも導かれる感じで書けたとこはあります
混沌とした世の中で“目を覚ませ”と歌う「Side B」。FIRE BALLのCHOZEN LEEとRYUZOをフィーチャーした戦い続ける気持ちを綴った「Capture The Flag」。RINOとDABOをフィーチャーしたファンキーな「Devilman」。PUSHIMの哀愁ある歌声がグッとくるAnarchy流のラブソング「Magic Hour」など、バリエーション豊かな楽曲が並んでいる。
正直、このアルバムは完璧。気分は最高。MUROくんとの『DIGGIN’ ANARCHY』の続編は、いつかまた作ってみたいですね
MURO、そして参加したヒップホップ、レゲエのアーティストとともに、Anarchyが作り上げた『DIGGIN’ ANARCHY』は、何にも縛られず新たな世界へ突き進むパワーすら感じる、クリエイティブなエナジーに満ちた作品と言っていいだろう。
このアルバムは僕とMUROくんのこだわりが詰まってるから、アルバムを通して聴いてほしい。素直な気持ちで聴いてもらえれば、何か伝わると思うから。最後にもうひとつ、Anarchyのライヴは絶対観たほうがいいよ
日本の男性ラッパー。1995年よりソロアーティストとして活動を開始し、2006年に発表した1stアルバム『Rob The World』が、インディーズ作品としては異例の好セールスを記録。各音楽誌で年間ベストアルバムとして選出される。2008年、初の自伝『痛みの作文』を出版。同年6月に初のニューヨークライヴを敢行。9月には2ndアルバム『Dream and Drama』を発売し、収録曲「Fate」のMVが『スペースシャワーTV VIDEO MUSIC AWARDS 09』にてBEST HIP HOP VIDEOを受賞した。ドープ感とエンタテインメント性が融合したトラックやリリックが高く評価されており、2011年12月にBillboard LIVE TOKYOにて、日本人ヒップホップアーティストとして初の単独公演に挑んだ。2013年11月、4thアルバム『DGKA(DIRTY GHETTO KIDS ANARCHY)』を米国のヒップホップ最大手配信サイト「Datpiff」にてフリーダウンロードで公開。公開直後から順調にダウンロード数を伸ばし、海外有力アーティストを押しのけてデイリーランキングで1位を獲得したが、アクセス殺到のため回線に負荷がかかり、未明にはダウンロード不可能な状態に。彼の新作への注目度の高さが思わぬ形で証明される形となった。また、2000年よりJC、NAUGHTY、YOUNG BERY、DJ AKIOらと結成したRUFF NECKとしても活躍しており、2012年に初のフルアルバム『RUFF TREATMENT』をリリースしている。オフィシャルHP