L→R 村岡カツ(Ba)、魁-KAI-(Vo)、シモダコータ(Gu)

L→R 村岡カツ(Ba)、魁-KAI-(Vo)、シモダコータ(Gu)

【ALLiCA インタビュー】
ALLiCAのライヴが
みんなの遊び場や
居場所になってほしい

絶叫する60度、天体3349のヴォーカリスト、魁-KAI-がライヴハウスシーンのベテランふたりと新たに結成したALLiCAが結成から10カ月、満を持して1st EP『在処』がリリースされた。ライヴバンドという矜持を持つ彼らが見事封じ込めたライヴの熱量はもちろん、青春パンクからダンスロックまでという全6曲の振り幅も大きな聴きどころとなっている。

全員が曲を作れるのは
強いと改めて思った

ALLiCAの結成は2022年の9月。魁-KAI-さんと村岡カツさんが新たに始めたバンドにシモダコータさんが加わり、活動が本格化したそうですが、魁-KAI-さんと村岡さんがバンドを始めたきっかけから教えていただけますか?

魁-KAI-
ALLiCA以前にやっていた天体3349というバンドが2022年5月に活動休止してから、またバンドをやりたいと思ってメンバーを探している時、“カツくんはどう?”と推薦されたんです。カツくんとは前に対バンしたことがあって、なんとなく面白そうだと思って連絡を取ってみました。

天体3349の活動休止後、魁-KAI-さんはシンガーソングライターとしてソロ活動を始めていますが、バンドもやりたいという気持ちがあったのですね?

魁-KAI-
今ではメインになっている弾き語り活動も最初はバンドを始めるまでのつなぎというか、バンドがない間もステージに立ち続けるために始めたんです。

つまり、魁-KAI-さんが一番やりたいのはバンドだと?

魁-KAI-
そうです。弾き語りだとギターも弾かないといけないじゃないですか。実はギター、そんない得意じゃないんです(笑)。ステージではできる限り走り回ったり、感情表現したり、自由でいたいんです。でも、弾き語りには弾き語りでしかできない表現があることに気づいて、最近は弾き語りの活動もメインになってるんですけどね。

なるほど。だから、バンドが必要だと。そんな魁-KAI-さんから誘われた時、村岡さんはどんなふうに思ったのでしょうか?

村岡
誘われる3年ぐらい前に対バンした時、すごい人だという印象があったので、その人とやるんだと思ったらドキドキとちょっと不安がありました(笑)。

おふたりがバンドを始めるにあたっては、どんなバンドをやりたいと考えていたのでしょうか?

魁-KAI-
それまでやっていたバンドがお互いにロックみたいな、パンクみたいな感じだったので、勝手にそうなるだろうと思っていました。

あまりかっちりと決めずに、お互いのやりたいことをやろうと?

魁-KAI-
そうですね。自由にやろうと思いました。

そこに村岡さんと旧知の仲だったシモダさんを誘ったと。その時、シモダさんは裏方に回ろうとしていたそうですが、なぜバンドに加わろうと思ったのですか?

シモダ
タイミングが合ったということがまずあると思うんですけど、今もライヴハウスでスタッフとして働いたり、屋根裏音楽舎というレーベルをやったり、裏方業もやっているし、バンドも5個ぐらいやっているんです。ただ、ALLiCAのように生活の半分ぐらいをバンド活動に費やすみたいなことはしばらくやっていなかったんですけど、カツくんと魁-KAI-ちゃんから誘われた時、まあまあ呑んでたこともあって、気楽な気持ちで“サポートぐらいならやるよ”って言って、何回かライヴをしたら楽しかったんですよ。それで、このふたりとならやってもいいかなと思いました。いつの間にかふたりの熱意に詰められたんでしょうね、きっと(笑)。

村岡さんはなぜシモダさんを誘ったのですか?

村岡
人間的に好きな種類の人だったからです。それに魁-KAI-ちゃんと僕だけだと煮詰まるというか、考えすぎちゃうことが多かったので、そこをパーンと切り開いてくれる人が必要だと思ってコータさんに入ってほしかったんですけど、きっと入ってくれるんじゃないかと思っているうちに入っていましたね(笑)。

EPの1曲目の「ALL I CAN」で、《心の在処》《夢の在処》と歌っていることを考えると、“ALLiCA”というバンド名はリスナーにとって心の在処、夢の在処になりたいという想いからつけたんじゃないかと想像したのですが。

魁-KAI-
バンド名を考える時、私がそれまでやってきたバンド名は、あえて変わった名前にして注目を引こうとしてたけど、次はシンプルで、略さなくてもいいバンド名にしたいと思って、3文字で考えていたんです。他にも候補はいろいろあったんですけど、その中で“ALLiCA”が一番しっくりきたんです。

バンド名が決まってから「ALL I CAN」を作ったのですか?

魁-KAI-
そうです。気づいたんですよ、“ALLiCA”って“ALL I CAN”にもなるって。

ALLiCAというバンドのテーマソングを作ろうという気持ちもあったのでしょうか?

魁-KAI-
ありました。だから、歌詞の中に“在処”という言葉を入れたんです。

本作は結成から10カ月を経て、満を持してリリースする1st EPですが、収録されている6曲はどんなふうに選んだのでしょうか?

シモダ
僕が加わったのが2022年の12月で、レコーディングしたのが2023年の4月なんですけど、その期間にできた曲です。僕が加わる前からあったものも含め、曲は他にもあったんですが、プリプロで録った9曲の中から、わりと自然に今回の6曲に決まりました。
魁-KAI-
最初は8曲ぐらい入れてアルバムにする話もあったんですけどね。
村岡
厳選して、“この6曲だな”となりました。

その6曲の振り幅の広さも聴きどころですね。

魁-KAI-
でも、そこはそんなに意識していないです。ただ、出来上がったCDを聴きながら、全員が曲を作れるのは強いと改めて思いました。

意識せずに、いろいろな曲が作れる3人なのですね。

シモダ
曲を作る時、こういう曲があったら面白いということは考えますけどね。

メンバー全員が曲を持ち寄るというのは最初から?

村岡
そうです。
シモダ
月に1曲は新曲を作ろうって決めているので、順番を決めて作ったりとか、順番じゃなくても曲ができたら持っていったりしますね。僕は曲を作るのが趣味みたいなところがあるので、ストックがいっぱいあるんです。この間、曲作りの順番を勘違いして、“えっ、今回は俺なの!?”ってなった時は、ヴォイスレコーダーを聴き直して、ストックの中から“これならいけそうだな”って曲を弾き語りで聴かせて、そこから仕上げていきました。
魁-KAI-
自分には作れない曲をふたりが作ってくれるので、それが曲の幅を広げているんだと思いますね。

メロディックハードコアの「STRANGER THINGS」とスカパンクの「グロテスク」はどちらも村岡さんの曲ですが、そういう引き出しは魁-KAI-さんにはないものですか?

魁-KAI-
全然ないです。だから、歌うのが楽しいです。

自分以外の人が書いた歌詞を歌うことに抵抗は?

魁-KAI-
それも全然ないです。伝えたいことがある時は自分で作るので、ふたりが作った曲に関しては、ふたりの想いに乗っかって歌っています。
シモダ
そこがいいと思ったのも僕がALLiCAに入ろうと思った理由のひとつですね。「同じ空を見ているか」は僕が作ったんですけど、昔からあった曲をバンドに持っていった時、魁-KAI-ちゃんが歌うのを聴いて“あっ、そうそう!”って自然に思えたんですよ。そこはすごく大事なところだと思いました。

では、シモダさんと村岡さんが曲を作る時は、魁-KAI-さんが歌うということは、そんなに意識せずに?

村岡
最初は意識していましたけど、意識しちゃうと作詞で煮詰まってしまうので、最近は魁-KAI-ちゃんが違うと思うなら“違う”と言ってくれればいいという気持ちで、自分の言葉で書くようになりました。
シモダ
僕もそうですね。この曲は合いそうだな、合わなそうだなっていうのはあるんですけど、とりあえず歌詞をバーっと書いて、これならいけるだろうぐらいの感覚で持っていっちゃいます。
L→R 村岡カツ(Ba)、魁-KAI-(Vo)、シモダコータ(Gu)
EP『在処』

OKMusic編集部

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