湯木慧

湯木慧

【湯木慧 インタビュー】
核の部分は変わらず、
新たに蘇生した作品

作詞作曲はもちろん、ペイントやMVの場面装飾も手掛けるシンガーソングライターの湯木慧。アルバム『蘇生』では廃盤音源のリメイクを中心に、2年前にMVを公開した「ニンゲンサマ」の初音源化やボーナストラックに新曲も収録。原点回帰の意も込めた今作にはたくさんの仕掛けが散りばめられていた。

アルバム『蘇生』には16歳~18歳の時に作られた楽曲も収録されていますが、楽曲制作を始めたきっかけは何ですか?

もともといろんな創作が好きで。もちろん音楽も大好きだった小さい頃の私は曲を作るということにも強く興味や憧れがあったので、小学5年生の時にギターを買って、弾けるようになってきた時くらいから作り始めていました。

2017年からはコンスタントにCDのリリースをしていますが、普段はどのように楽曲制作に取り組んでいるのでしょうか?

高校を卒業して事務所にも所属し、音楽がはっきりと仕事に切り替わったタイミングで少し制作の仕方も模索し始めました。曲は生きている中で身の回りに起こること、何か感じる事柄があった時に歌にしています。“よし、作ろう”ではなく。歌があふれてくるような出会いや事柄を探すことを最近は強く考えながら生きてますね。

影響を受けたアーティストがいたら教えてください。

本当に多くのアーティストさんやアスリートの方、パフォーマンスをする方々など、いろいろな方に影響を受けていますが、最近ピカソの展示を観に行って、ピカソの作品や言葉を見たり読んだりして心が軽くなったというか。私にとっての創作の原点へ立ち帰らせてくれた気持ちになりました。

今作のジャケットデザインもご自身でされているということですが。

廃盤になったCDなどのジャケットを重ねて合成したものを、白を基調としたデザインのもので包むかたちにして、少し過去のジャケットたちが後ろに透けて見えるという部分で“核の部分や変わらない部分がちゃんとあるまま新たなかたちになる”というのを表しました。

楽曲名が全てカタカナで、初めて聴く人、既存曲を知っている人もどんな楽曲なのか想像が付かない展開だなと思いました。

カタカナにしたのはreborn(蘇生)する前の曲を死んでしまったと思ってほしくなくて、同じ曲だけど新たなかたちとして提示したかったという理由がひとつあります。

今作はアレンジャーさんにアレンジを依頼した楽曲もありますが、収録曲はどのように選んだのでしょうか?

過去たくさんの出会いをくれた曲やライヴでよく歌う曲などを中心に、湯木慧を代表するような曲を選びました。アレンジをしてもらった曲に関しては“これはこのアレンジャーさんにアレンジしてもらったかたちを観てみたい!”と思った曲と、逆に過去にがっつりとアレンジをしてCDにしていたけど弾き語りの良さも提示したいと思った曲で分けました。

今作は5曲目までがアレンジャー参加の楽曲で、6曲目以降は湯木さんのアコースティックや弾き語りでのアレンジを収録していて、前半は壮大な風景やホール会場を思い浮かべて聴いていましたが、後半は最初のチューニング音も斬新で、より湯木さんに近い場所で聴いているような感覚になりますね。

曲順はA面B面のような流れなんです。その中で、ボーナストラックの「ハートレス」に向かってだんだんと距離が近くなっていってるのではないかなと思います。

アレンジャーさんは湯木さんが直々にお声掛けをしたそうですが。

それぞれアレンジャーさんによって出会い方は違かったのですが、いろいろな場面でみなさまのことを知っていました。どの方の作品も大好きで、敬愛する方々と今回の曲がマッチングしたので、ぜひやっていただきたいと懇願し、それが叶った制作でした。自分ではできないような色とりどりの音やかたちがあり、それぞれのアレンジとちゃんと調和するように歌おうとしたので、歌い方についてかなり学び、成長できた作品なのではないのかな…と個人的には思っています。

そんなアレンジャーさんとの制作を経た楽曲が出来上がってみてのご感想は?

この方にこの曲をお願いすれば間違いないと思ってのアレンジ依頼だったので、ばっちりどの曲もとても素敵なかたちになりました。感謝です…。アレンジャーさんの偉大さを大きく感じた制作でしたね。

湯木さんの歌詞は未来へ導くような言葉遣いが印象的で、孤独や虚無感を歌った曲も最後は直向きに受け取れました。作詞の際にはどのようなことを気に掛けていますか? リズム感も良いので詞先で作っているのかなとも思いました。

一番伝えたい想いとそれが伝わるような鍵となる言葉を見つけて大切に綴っていくことですかね。あとは、その音にその言葉がはまっているかどうかなどです。何か想うことや伝えたい事柄があってから曲を作ってきたので、言葉や込める想いは先かもしれないです。でも、逆も挑戦して磨いていきたいです。

ボーナストラックの新曲「ハートレス」は《感情を絶やさないで》というフレーズが印象的でした。

最寄駅のホームレスの方の出来事から生まれた曲なんですが、“いろいろな事柄に対して感情や熱量や関心や想いがなくなってきてしまった、何も感じられなくなってしまった”という人に向けて制作した曲です。

10月20日と21日には四谷三丁目アートコンプレックスホールにて『アルバム“蘇生”リリース記念 ワンマン個展ライブ「残骸の呼吸」2DAYS』を控えています。音源の蘇生、失いかけていた感情の蘇生、湯木慧の蘇生と3つの意味を持つ今作を体感できる場としてどのような空間にしたいと思っていますか?

展示する絵や写真、そして演奏や言葉全てで“蘇生”“残骸”“呼吸”というキーワードをもとに、来てくれた方々それぞれが想いや想像を広げられるような個展ライヴにできたらと思います。次へとつながる欠片がきっとたくさんある空間になっています。

2公演ともチケットが1週間で完売し、これからさらに湯木さんの作品に触れたい人が増えてくると思います。今回は個展ライヴですが、今後のライヴで挑戦してみたいことはどんなことですか?

今は今回の個展ライヴ『残骸の呼吸』に向けて動いているので、今後のライヴをどうするかなどはあまり考えられていないのですが…今は音作りやルーパー(エフェクター)、ダンスなどの身体表現にも興味があるので、興味のあること、面白いと思ったことを積極的に取り入れていきたいです。

取材:千々和香苗

アルバム『蘇生』2018年10月17日発売 LD&K
    • 291-LDKCD
    • ¥2,500(税抜)
湯木慧 プロフィール

ユキアキラ:音楽、絵、言葉で表現し、作詞作曲やMV制作も手掛けるシンガーソングライター。2014年に開始したツイキャスの総視聴者数がわずか2年で累計200万ビューを超え、17年よりミニアルバム2枚と配信シングル、個展フォトブックとコンスタントに作品を発表。18年10月にはアルバム『蘇生』をリリースする。湯木慧 オフィシャルHP

湯木慧
アルバム『蘇生』

「キズグチ reborn by MI8k」

「カゲ reborn by Yamato Kasai
(from Mili)」MV

OKMusic編集部

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