Heli

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【Heli インタビュー】
新作EP『AWAKE』は
“1冊目のノート”のような作品

2020年から本格的に音楽活動をスタートさせた注目の新人シンガー・Heliが配信EP『AWAKE』をリリースした。ソウルフルに歌い上げる全6曲には日々抱えている葛藤や希望が詰め込まれ、始まったばかりの旅路を強く踏みしめていく姿が思い浮かぶ。

毎日が悔しい気持ちで
埋め尽くされる一年だった

Heliさんの音楽のルーツにはソウル、R&Bがありますが、そこに魅力を感じたのはいつ頃だったのでしょうか?

ピンポイントには自分でも分からないのですが、小学校の低学年頃だったと思います。1年生の時にダンスを始めて、R&Bを含むダンスミュージックを日常的に聴いていたので気づいたら好きになっていて、洋楽ばかり聴いていました。あと、父がブラックミュージックが大好きなので、保育園に行ってた頃から車でよく流れていて、その影響もあるかもしれません。

好きなアーティストを挙げると?

憧れているのはジェシー・Jです。洋楽ばかり探っていた小学生の時に、YouTubeで一本のアコースティックギターとともに彼女が歌唱している動画を見つけて衝撃を受けました。ダイナミックだけど繊細で情緒のある歌声や、エモーショナルな楽曲にただただ圧倒されて、そこからずっと大好きなアーティストです。

ご自身でもアーティスト活動を志すようになったのはどんなきっかけですか?

ダンスの発表会で歌ったのをきっかけにプロになることを決心しました。中学2年生くらいからヴォイストレーニングに通い始めたり、ライヴハウスにお願いして歌わせてもらったり。音楽を通して誰かを笑顔にすることにやり甲斐や意味を感じているのは小さい頃からずっと変わっていなくて、それをどんなかたちでやっていきたいかと考えた時に、やっぱり大好きな歌しかないと思ったんです。

2020年から本格的に音楽活動をスタートさせ、4作の配信シングルをリリースしてきましたが、Heliさんにとってどんな一年間でしたか?

まだまだ自分は何もできていなくて、毎日が悔しい気持ちで埋め尽くされる一年でしたね。Heliという存在の入口で片方立ちをしているような感覚というか、もっと自由に、もっと自分の心に純情なことだけをしていきたいと強く思いました。今回のEP『AWAKE』の楽曲にはその時々の私の想いが詰まっています。

“AWAKE”には“目覚める”などの意味がありますが、タイトルにはどんな想いが込められていますか?

1枚目のEPなので“目覚め”や”呼び起こす”という意味を持ち、響きもカッコ良い“AWAKE”を選びました。あと、今作に収録されている6曲中、タイトルに“B”がつく曲が3曲もあるので、タイトルは“A”で始まる言葉がいいなと。私の中でのこだわりです(笑)。

昨年10月に配信された1stシングル「Starting Again」は今作でも1曲目に収録されていて、今の生きづらい時代背景を描きながらも、鼓舞するような力強いに感じました。

昨年の自粛明け頃にYuzuru Kusugoさん、柴山 慧さんと制作した曲で、コロナ禍で私が感じた想いを綴りました。今まで経験したことのない事態の中で感じた悔しさやもどかしさ、新型コロナウイルスが広まってから今日まで誰もが抱えていたやり場のない感情を、少しでもすくい上げられるような曲になればいいなと。

この曲にあふれる勇ましさは、弱さあってこそ表現できたものだと思います。

私自身も最後の中学生活を納得のいくように過ごせないまま自粛期間が始まってしまったので、この曲を作っていた時はすごく気持ちが下がっていた時期でもあるんです。でも、世の中はもとの生活に戻すために試行錯誤しながら頑張っていて、そんな姿を見てこのタイトルが思い浮かびました。“スタートに戻ってみんなで新しい生活を待とうよ”という意味の曲です。オンラインの発達はこれからの社会にとってすごくポジティブなことだと思うので、それを曲の中でも表現しています。自粛期間に家にいた頃の自分の感情を思い出しながら歌っているので、この曲のレコーディングをした時はいろんな想いがあふれてしまって泣いた思い出もあります(笑)。

2曲目の「甘風ドライブ」はとてもロマンチックで、《今すぐ/君に惚れそう》というサビに心を掴まれました。心の動きをドライブに例えているのもお洒落ですし、ゆったりとした心地良いムードが、今にも終わってしまいそうな儚さをまとっています。

Carlos K.さんと“R&B系のムーディーなサマーサングを作りたいね”と話していて、トラックを先に作っていただいてからコライトでメロディーをつけました。でも、作詞があまり進まなくて悩んだ曲でもあります。私は四季の中で夏が一番好きで、“私にとっての夏の思い出ってなんだろう?”と考えた時に、小さい頃は夏になるとよくおじいちゃんとアイスを食べに車を走らせていた記憶が強く残っていたんです。昔に感じた思い出や情景をかたちにしたらドライブソングになっていて、夏って最高だけどやっぱりどこか儚くて、風情あふれる素敵な季節だと思いながら歌詞を書いていました。
Heli
配信EP『AWAKE』

OKMusic編集部

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