【HONE YOUR SENSE】爆音と咆哮とと
もに押し寄せる美メロの嵐

メロディアスさと多彩なビートを取り入れた独自のラウドミュージックを開拓し続けているHONE YOUR SENSE。海外からの熱い眼差しも浴びる彼らが、約2年振りの新作となる1stミニアルバム『PHONOMENA』を完成させた。Bara(Vo)とKenta(Gu)が、今作について語る。
取材:田中 大

今回の作品を作るにあたって、イメージしていたことは何かありますか?

Kenta
曲作りは僕と、もうひとりのギターのKousukeが主に担当していて、歌詞はBaraとベースのSatoshiが書いているんですけど、特に何かを話し合うことはなく、お互いに作りたいものを作っていきました。

ヘヴィさとメロディアスさが融合したサウンドが印象的でした。

Bara
やはりそこは狙っているところですね。ギターのふたりはもともとメロディックなメタルが好きなので、そういう部分は自然に出ていると思います。そして、そういう曲をさらにカッコ良く、メンバーそれぞれの要素も加えながら、全員が納得するものにしていくっていうのが、今のHONE YOUR SENSEの曲作りのスタイルですね。

ヘヴィ寄りのバンドは、様式美的な哀愁漂うメロディーを入れないことが多いように思いますが、みなさんはその両方を打ち出していますよね。

Kenta
最近のバンドってギターソロがあまりないですけど、こういうメタルなギターソロはどんどん入れていきたいんです。

メンバーそれぞれの好きな要素が合わさった結果、こういう曲になっているということでしょうか?

Bara
そうだと思います。例えば僕はパンテラとかを聴いて育っているんです。特に僕とSatoshiはリンプ・ビズキットとかコーンとかのニューメタルを通っているので、そういう要素も出ているんじゃないですかね。
Kenta
僕はエクストリームが大好きなんです。ハードロックとかLAメタルがルーツなので、ロックンロールテイストのリフをよく入れます。あと、ブライアン・セッツァーみたいなスウィング系のノリも好きです。

今作の曲だと、「Broken Toys in Attic」はラウド系のサウンドとしては、かなりユニークなノリですよね。

Kenta
前作のアルバム『ABSOLUTE SENSES』に「The Last Man Standing」という曲があるんですが、それもスウィング系だったんです。ジャズとか歌謡っぽい雰囲気も入っている曲なんですけど。今回の「Broken Toys in Attic」もそれに通ずるものがあると思います。
Bara
HONE YOUR SENSEは特定のジャンルに寄せようという意識がないんです。“これをどう料理するの?”っていうのが結構出てくるんですけど、それをHONE YOUR SENSEとして作っていく中で、いろんな曲が生まれてきました。

メンバーそれぞれのルーツが違うというのは、みなさんの外見にも表れていますよね。BaraさんとKentaさんは、まさに対極のタイプっぽいですし。

Kenta
ほんとに(笑)。僕、結成当初、“お前、ギターオタクだな”って言われてましたから。家で作業をするのが好きですからね。ギター雑誌の記事を読んで研究したりもしますし。ヌーノ・ベッテンコートの特集は必ず買います(笑)。
Bara
まぁ、正反対なんでしょうね。Kentaとかが緻密なものを弾いてきて、ヴォーカルが乗ってぶっ壊す、みたいなバンドですから(笑)。その結果、うちらの音楽はどこにも属していないみたいな感じがあるよね?
Kenta
うん。
Bara
いろんな要素が入っているから。昔は“何をやりたいのか分からない”って言われたこともあったんですけど、そう言われるっていうのは“新しいことをやれてる”って解釈して続けてきたんですよ。それを認めてもらえるようになるのは嬉しいことです。

アグレッシブなスクリームとともに泣きのメロディーを畳み掛けてくるのも、みなさんの個性だと思います。今回の曲だと「Torment and Pain」と「It's Over」は泣きの2連発だなと。

Bara
その2曲はKousukeの曲ですね。
Kenta
Kousukeが特にそういうのを得意としているんです。
Bara
みんな自由にやっているバンドなんで。
Kenta
曲を作る側としても、自由にやらせてもらえているのがありがたいです。
Bara
あんまり考えすぎるとHONE YOUR SENSEらしくなくなると思うので、今のやり方は気に入っています。このやり方でさらに進化していきたいですね。

みなさんはドイツのメタルフェスの『Wacken Open Air 2012』に出演したことがありますけど、海外の人にもこういう音楽性は新鮮なものとして受け止められたのでは?

Kenta
ドイツでも反応が良かったですよ。“スウィングメタルだ!”って言われたり。
Bara
曲の一部分だけスウィングっぽくなったり、メタルとは違ったジャンルを入れるのは他のバンドでも耳にしますけど、1曲を通してどっぷりそういう感じの曲ってあんまりないのかもしれないですね。

海外でのライヴはまたやりたいですか?

Kenta
ぜひやりたいです。ドイツのあと、台湾でもライヴをやったことがあるんですけど、この先もっと海外でもやれるようになりたいですね。
Bara
曲をYouTubeに上げると、海外からのコメントもかなりくるんですよ。アジア圏からのものもありますし、インドネシアとかもありましたね。
Kenta
ヨーロッパからのものも多いです。嬉しいことです。

そして、日本でのリスナーもさらに広げたいですよね?

Kenta
そうですね。幅広い人に聴いてほしいですから。
Bara
うちらはこういう音楽性なので、テレビに出たりとかはなかなかないですが(笑)。そういうのに合ったキャッチーなキャラクターのメンバーが必要なんですかね?
Kenta
僕は存在感のないほうなので、そういうのは向かないでしょうね。キャラ立ちしているメンバーは、うちだとSatoshi?
Bara
そうだな。
Kenta
ヘビを家で飼っているんですよ。
Bara
あいつの家の冷凍庫を開けると、冷凍のから揚げの横に餌の冷凍ネズミがあるんですよ。湯煎してからヘビにあげるらしいです。あと、ドングリを育てています。この間は“芽が生えてきたんだよね”と(笑)。

(笑)。今作を出した後は、どのような活動をしていきたいですか?

Bara
ライヴをどんどんやっていきたいですね。そして、フルアルバムにつなげていきたいです。
Kenta
今回のミニアルバムは約2年振りなので、さらに曲も作りたいです。“次のCDを出す出す詐欺バンド”の状態が結構続いていたので(笑)。
Bara
うっかり2年経ってました(笑)。
Kenta
でも、嬉しいことに、この2年くらいの間にいっぱいイベントとかに呼んでもらえるようになったんです。だから、ここから活動の幅を広げていきたいと思っています。
『PHONOMENA』
    • 『PHONOMENA』
    • WLR-1038
    • 2016.08.10
    • 1620円
HONE YOUR SENSE プロフィール

ホーン・ユア・センス:2006年結成のメタルバンド。12年、ヴォーカルのBaraが正式加入し、ドイツの世界最大級メタルフェス『Wacken Open Air 2012』に出演。13年にはHYPOCRICYの来日ツアーに帯同し、台湾ツアーを行なうなど、国内外問わず活動を広げている。約2年振りとなるアルバム『PHONOMENA』を16年8月10日にリリース。 HONE YOUR SENSE オフィシャルHP

OKMusic編集部

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