【PAN】ライヴでどれぐらいパワーア
ップするのか楽しみな一枚
結成20周年という節目を目前に控えたPANが、前ミニアルバム『バッカーゲッター』から約10カ月というPAN史上最速で送り出すフルアルバム『ヒズム ハズム リズム』。とどまることを知らない彼らの最新作について川さん(Vo)に訊ねてみた。
取材:高良美咲
結成20周年を目前に控えているPANですが、結成した頃と現在を比べて何か変化はありますか? 逆に変わらないところもあれば教えてください。
変わったところと言えば、僕ら幼なじみなんですけどプライベートでは遊ばなくなりましたね~。プライベートまで知ってるとライヴ中のMCの新鮮さがなくなるんで、極力知らないまま本番を迎えたいんですよ。変わらないところは頭の中で生まれる妄想をかたちにしていくところですかね。妄想って、意外と大人になっても中学生の時と変わらないんで、それは結成した当時から変わってないです。
2013年6月にリリースした前ミニアルバム『バッカーゲッター』をリリースしましたが、PANにとって、どのような一枚になったと思いますか?
新時代の幕開けって感じですかね! ドッシリとしたリズムで出す一体感を覚えてしまったので、もう病み付きです。
そんな前作から10カ月というPAN史上最速でフルアルバム『ヒズム ハズム リズム』がリリースされましたが。
アルバムの話は2013年の6月ぐらいからなんとなくあったんですが、ツアーも始まってしまって、制作の時間がなかなか作れず、気が付けばツアーファイナル。10月半ばからアルバム制作に取り掛かりました。とにかく今のPANがやりたいことを考えて、ライヴで楽しい雰囲気で汗をかける、踊れる曲を詰め込みました。
収録されている全楽曲タイアップ予定、さらにPVも制作予定とのことですが、このようなことをしようと考えたきっかけは?
インパクト重視ですね! もちろん全曲タイアップ決まれば嬉しいですけど、最終的に決まりそうにない時は“ギター、ゴッチの7月度アラーム音に決定!!”とかその辺の可能性も含めての話で!
(笑)。前作収録曲「直感ベイベー」も含め11曲が収録されていますが、今作のために書き下ろした楽曲はありますか?
「直感ベイベー」以外は全てこのアルバムのために作った曲です。他に出来上がっていた曲はなかったです!
PANの楽曲には共通してポジティブさがありますよね。今作ではメンバー全員が作曲を手掛けていますが、アレンジはどのように進めているのですか?
ポジティブさは、そうありたいっていう理想も含めてですかね! 歌詞的にはライヴ中でも聴こえてくる言葉を意識してるので、合唱とかは好きです。曲のアレンジは一旦作ったものから無駄な部分を省くことが多いですね。
1曲目を飾る「天国ミュージック」は疾走感のあるバンドサウンドが印象的で、すでにライヴではシンガロングを巻き起こしていてびっくりしました。
すいません…反応めっちゃいいです! 反応が返ってくるのはほんまにグッとくるので嬉しいです。キャッチーなメロディーやけど、ちょっと変わった曲にしたいなぁと思ってて、それでいてAメロ、Bメロ、サビがはっきりと違うものを目指して作りました。
歌詞には、アルバムのタイトルでもある“ヒズム ハズム リズム”という言葉が入っていますね。この言葉にはどのような想いがあるのですか?
読んで字のごとく、まさに今のPANの音楽って感じです! さらに語呂がいいのでタイトルにしました。
「金なんていらない」から続く「金くれ!!」の流れがインパクト大で、人間らしさが出ていて面白かったです。
ラスト2曲の歌詞が出てこなくてほんまに困ってて“もう金も何もいらんから、いい歌詞降ってきてくれっ!”ってバイトして金稼ぎながら急に思い付きました。“これが本当の想いや! 金なんかいらん!”と“金ないと何もできへんやんけーっ!”、この矛盾しつつも誰もが持ってる想いを曲にしました!
《ワビサビ》など、日本を象徴する言葉が並んだ「ニッポンジャポン」はユーモアにあふれる楽曲ですね。
《ワビサビ》の部分から出来上がったので、これは日本の歌にしようと思いました。暗い話題や、ややこしい国の話が多いので、そんなん取っ払ってみんなで日本元気にしようやって思って作りました。
「WA WA WA」には地元大阪に実際に存在する場所の名前が出てきますが。
その時のライフスタイルを自然に歌詞にしていった感じです。ライヴではどんちゃん騒ぎできる曲だと思います。
「ハイエナさん」は、《ハイエナさんが狙ってる》という独特のフレーズが印象的でした。
《ハイエナさんが狙ってる》という歌詞は、実は別の曲で自分の中にだけあったものをこの曲にはめてみたら結構良かったんで、これに使おうと決めました!
他にも、ライヴでの光景が想像できるような「今日だけ祭り」、駆け抜けるようなバンドサウンドが印象的な「逃げろーーーっ!!」が収録された、今のPANの勢いが詰め込まれた一枚になっていますね。
聴いててめっちゃ楽しい一枚です。これをライヴでやるとどれぐらいパワーアップするのか想像しただけでワクワクします!
特に注目してほしいところはありますか?
夢を与えるような歌詞ばっかりじゃないところですね。その時に思った本当の気持ちをリアルに書いたので、同じような状況の人らには共感してもらえると思います。そこからハッピーに生きていこうや!ってとこです。
『ヒズム ハズム リズム』ツアーを控えていますが、どのようなライヴになりそうですか?
今までのツアーを超えるような光景に出会えるような気がするので、楽しみです!
楽しみにしています!
まずは19周年の今年をやり切ることなんで、ツアーを成功させたいと思います。今年のPANヤバイで! アルバム聴いてーっ!!!
- 『ヒズム ハズム リズム』
- ADVE-1008
- 2014.04.16
- 2200円
パン:1995年に結成された、大阪を拠点に全国で活動するロックバンド。06年より、毎年9月に大阪城野外音楽堂で『MASTER COLISEUM』を企画。12年には2日間開催し、約7,000人を動員した。生粋のライヴバンドで、全国各地に根強いファンを持つ。オフィシャルサイト