【IVORY7 CHORD】聴く人によっていろ
んな景色、色を感じてもらいたい


取材:高良美咲

元WRONG SCALEの大西俊也を中心に、吉田昇吾(UNCHAIN)を始め、ロックシーンで影響力のあるメンバーが集まり2010年に結成されたIVORY7 CHORD。
大西俊也
メンバーが決まる前からデモは作っていたんですが、いまいちイメージできない部分があって、これという曲ができていなくて。でも、メンバーが決まってバンドの全体像が見えた時、メロディー、リフ、リズムが一気に全部思い浮かんで30分くらいで「distance」という曲ができたんです。みんなもそれに手応えを感じてくれて、この曲を元もとにバンドの方向性が徐々に定まっていった感じです。
と、まるで巡り合わせのようなエピソードを語ってくれた。さらに、どのように現在のメンバーが集まり、結成されたのかも訊ねてみた。
大西俊也
UNCHAINのメンバーでもあるドラムの吉田とは、以前のバンドWRONG SCALEの頃からよく対バンしていた仲でもあって、普段は人を寄せ付けない寡黙なイメージの彼ですが(笑)、共通の趣味もあったりでプライベートでも会うようになって。そこでドラマーとしていろいろ叩きたいという吉田の気持ちも聞いていたし、自分も次のバンドを考えた時に吉田がドラムをやってくれるならIVORY7 CHORDを結成しようと思っていました。UNCHAINのメンバーも全員仲良いので、相談してみたら快くOKしてくれて。それから三谷(現在休養中)は、ギターをもうひとり探しているって話を他で聞いて、自分に手紙とかライヴ映像を送ってくれたんです。けど、そのライヴ映像には音がまったく入ってなくて、ひたすらお客さんを無音で煽り倒してる姿が写ってました(笑)。なので、まったく参考にはならなかったんですが、すごく気持ちは伝わってきたし、じゃあ一緒にやろうという流れになって。そこからレコーディングに向けて始動しました。
“IVORY7 CHORD”というバンド名はどのようにして決められたのだろうか?
大西俊也
“IVORY”という言葉は自分が前々から入れたいなと思っていて、“CHORD”もいい、数字も入れたいっていう意見をまとめて名付けました。“7”をセブンスにしたのは、自分の曲がセブンスコードというコードが多いのでそうしちゃいました
楽曲については“誰が叩くか、弾くか、歌うかというところを考えて曲を作っている部分が大きいので、メンバーが変わった時の変化はあります”とのこと。そこで、このバンドならではの楽曲制作に対する意識について訊いてみた。
大西俊也
映像が見えるような、メロディー、構成は意識していますね。あとは気持ち良く叩けるリズムはもちろんですが、逆に吉田が簡単には叩けないようなリズムを随所に取り入れて、困らせたいというところも意識しています(笑)。けど、それも全体をいい流れにつなげるひとつです。今、自分としては音楽性というのを定めずに、もっと非ジャンル化できたらいいなと思ってやってます。すごく難しいことではあるんですけど、いろいろ挑戦していって最終的にはどんな曲でもIVORY7 CHORDになればなと。既存の枠にとらわれず、新しいかたちを目指してさまざまな角度からアプローチしていければと思っています。
そして、実に約1年4カ月ぶりとなる新作をリリース。ミニアルバムのタイトル“Synesthesia”(共感覚:ある刺激に対して通常の感覚の他に異なる感覚を生じる)に込められた意味とは?
大西俊也
共感覚を音楽で表現できるとはもちろん思っていないですが、何か感じ取ってもらえればいいなとは思っています。けど、今回自分に対しての思いというのもすごく強くあって。何色にもなりたくないという自分の気持ちと、聴く人によっていろんな景色、色を感じてもらいたい気持ち。そんな思いもあって、ジャケットも真っ白にしてそこにバンドロゴが浮かび上がっているものになっています。
実際に共感覚のように何かを感じたことで生まれた楽曲もあるのだろうか?
大西俊也
残念ながら今回はないですね(笑)。共感覚という感覚はすごく辛く感じる方が多いみたいです。辛さという部分に関しては、曲作り後半に襲ってくる特有のそれは、もしかしたら近いかもしれません(苦笑)。
そんな大西自身、今作の中でも思い入れのある楽曲は「Paradox」だという。
大西俊也
同じところをぐるぐるしているマンネリ感みたいなものが自分の中にあったんですが、そこから一歩前に抜け出すことができた、そんな曲です。けど、これは全曲に対して言えることかもしれませんね。「KIOQ」もそうですが、今回はどの曲にも思い入れが強いです。今回はとにかく“攻めまくる”というところを重点に置いていて。音圧以外の部分での勢い、BPM以外でのスピード感をいかに出せるか。バラードも感情的な部分での攻めが出せればいいなと。今回得たものは大きかったです。言葉で表現できない感覚的な部分が多いんですけど、もう次が自分でもすごく楽しみになっています。
そして、今作について大西は“今自分たちができる最高到達点”と自負している。
大西俊也
それと同時に次の道を見つけることができた。目指すことができる。そんな作品です。すでに発売されていて、リアルな感想を聞くことができているんですが、“いい意味でIVORYなんだけど、IVORYじゃない”と感じている人が多いみたいです。まさにそれを聴いて感じてもらえたらと思います。
最新作を引っ提げて、10月4日に渋谷WWWにてリリースライヴを行なう彼ら。ライヴに対する意気込みを語ってもらった。
大西俊也
今回リリースライヴはあえて渋谷1本なんです。それは次を意識してのことで。今後、ライヴも徐々にですが増えていく予定です。この日でしかやれない、今までの集大成とも言えるようなライヴを準備中なので、ぜひ遊びにきてほしいです。待ってますよー!!
『Synesthesia』
    • 『Synesthesia』
    • QCL-017
    • 2013.08.28
    • 1800円
IVORY7 CHORD プロフィール

アイボリーセブンス・コード:洗練されたメロディーと、幅広い繊密な楽曲アレンジが特徴であり、これまでの作品は自主制作にもかかわらず、オリコンインディーズチャート上位に入る等、高い爆発性を秘めている。また、大西は作曲・アレンジ提供をするなど、クリエイターとしても独自の存在感を放っている。オフィシャルHP

OKMusic編集部

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