【チョーキューメイ インタビュー】
つらい時期を過ごしながらも
“生きていたい”と思う自分がいた

ドラムはもうあそこしかないでしょ？

2番の《君の鼓動が〜》のところからバスドラムを心臓の鼓動みたいに踏み始めるんですよ。そこからバスドラだけ残るっていうところにつながってるんですけど、そのアイデアを考えたのは麗なんです。“ここ、心臓みたいにして”って言われて“何を言うてんねん！”って思ったんですけど、やってみたらめちゃくちゃカッコ良かったんですよね。初めて聴いた人がこの仕掛けに気づいたら、すごく気持ち良いと思いますよ。ゾワッてなると思う。

僕はサビの《千夜一夜の〜》からの開放感がたまらなく好きで、そこでは“大好きなメロディーに乗っかってやる！”っていう気持ちでピアノを弾いています。あと、ベースだけになってからあとの展開では“ようやく来た！　自分のターン！”みたいな感じで、ライヴだと鍵盤を蹴飛ばしたくなっちゃうくらいテンションが上がるんですよ。で、さんざん自分の好き勝手をしたあとに、最後のサビに向かっていくところも自分的には最高に好きなんです。

やっぱり、みんなもさっき言ってくれたベースのみになるパートですね。レコーディングは本当に苦労したんですけど、よりよくするためにはどうすればいいのかを考えた時に、自分の一番好きなものを思い浮かべて弾こうと思って。

僕たちは最初、“怒りをぶつけろ！”とか言っていたんですよ。

でも、そこでネガティブなものを乗せてしまうと、あとでこの曲を聴いた時にフラッシュバックしそうで嫌だったんですよ。それよりも好きなことを考えて弾くほうがいいんじゃないかと。そしたら本当にいい音が出せました。

その話をごんから聞いた時、めっちゃいいこと言うなって思いましたね。

“確かに！”ってね。

全部が好きですけど、どこかを抜粋するなら私はイントロのギターと歌のところかな？　ここは透明感のある雰囲気でいきたくて、レコーディングでも自分のイメージどおりに歌えたので。そのあとにブレイクがあってBメロに入るんですけど、そこで歌のキャラが変わるんですよ。そういう歌い分けに今回はこだわろうと思っていて。例えばサビの《千夜一夜に〜》のところとか、実は地声で全然歌えるんですけど、あえて裏声にしているんです。逆に《代わりに叫ぶ》の“ぶ”の音はこの曲の中で一番高いんですが、そこは地声でいくっていうエモーショナルな部分でのこだわりがあって。あと、《君の鼓動が代わりに叫ぶ》というフレーズが1番と2番でそれぞれ出てくるんですけど、最初は低音で、2回目は高音で歌ったところも個人的には気に入っていますね。

いろんな表情を出せるのが自分の個性だと思っていて、「promise you」はそれを最大限に活用した曲ですね。同じ言葉でも歌い方や音程が変わると、そこに宿る意味も違ってくると信じているんですよ。自分のできる限りを目いっぱい詰め込んだ、詰め詰めセットみたいな曲になりました（笑）。

今回の「promise you」のジャケットがすごく好きなんです。この曲って降下していると見せかけて、実は上昇していく曲だと私は思っているんですよね。“上昇＝生きる”ってことなんですけど、歌詞は一見暗めでも、よくよく聴くと背中を押すような前向きなメッセージが込められているんですよ。歌詞に“摩天楼”って出てくるんですが、上昇のシンボルというか、雲の上まで昇りつめた時に見つけた自分だけの景色みたいな、そういう特別感とか、Aメロの浮遊感をジャケットでも表現しているんです。なので、これがものとしてあったら、かなりテンションが上がると思って…個人的に部屋の壁に飾りたいだけなんですけどね（笑）。

それ、分かるなぁ。

1曲5分半くらいあって結構長いし、メッセージ性も強い曲なので、CDでじっくり聴いてもらうのにいい曲なんじゃないかという気持ちもあって。なので、このかたちでのリリースにしました。