L→R しかぎしょうた(Dr&Cho)、モリヤマリョウタ(Vo&Gu)、秋吉ペレ(Ba&Cho)

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【Dear Chambers インタビュー】
自分が“好きだな”と思える
3曲にはなった

自分は自分のスタイルで
いこうと決めた

Dear Chambersはメロディーの良さに加えて、モリヤマさんのヴォーカルも本当に魅力的です。パンクバンドというとぶっきらぼうな歌や直線的な歌唱などをイメージするリスナーが多い気がしますが、モリヤマさんの歌はエモーショナルですよね。

それは昔から自分の中でコンプレックスだったんです。僕はパンクロックが好きで、こう言うと語弊があるかもしれないけど、パンクは歌が下手な人が多いじゃないですか。下手だし、ダミ声だし、何を言っているのか分からないし…みたいな。僕はそれが全部できないんです。声が高くて、なぜかきれいな声で、歌えちゃうのにパンクがやりたくて、無理にそっちに寄ろうとする自分もいたんですよね。だけど、それはやめて自分は自分のスタイルでいこうと決めたんです。

それは正解だったと思います。さわやかさや甘い雰囲気などがありつつも決してナヨナヨしていないという絶妙なヴォーカルはDear Chambersの大きな魅力のひとつになっていますので。ギターもメロコアなどは強く歪ませた音でパワーコードを弾くことが多いですが、モリヤマさんはクランチトーンでコード感を出されていますね。

パワーコードは最近ちょっと弾き始めたくらいで、ずっとフォークソングみたいなギターを弾いていました。ガーン!じゃなくて、チャラチャラ〜みたいな(笑)。

無理してパンクに寄せていたらDear Chambersの良質な音楽は生まれなかったわけですから、自身のスタイルを持つことの大切さを感じます。話を「オレンジロード」に戻しますが、歌詞は先ほどおっしゃったように10代の日々をリアルに描いた瑞々しいものになっていますね。

そう。これはもう“僕”です(笑)。

とはいえ、誰もが共感できる普遍性を持った歌詞だと思います。

そう思いますけど、2番のAメロは僕だけですね。《音飛びを繰り返すパンクロックナンバー/全力で坂を下る》という一節があって、あの時代にこれをやっていたのは、ほぼ僕だけだと思います。10年前くらいですけど、当時の僕はCDプレイヤーを持って登校していたんです(笑)。

そ、それはアナログですね(笑)。

みんながやっていないことをやるのが好きだったので。チャリに乗りながらCDを聴くと、揺れで音が飛ぶんですよね(笑)。だから、これは僕の実体験なんです。

モリヤマさんは最高です!(笑) さらに、「オレンジロード」ではギターソロも弾かれていますよね。

ギターソロはダブルチョーキング(ユニゾンチョーキング)をしたかったという(笑)。前半のトレモロピッキングは銀杏BOYZで、後半のダブルチョーキングは↑THE HIGH-LOWS↓という僕の好きなものを、ただ詰め込んだだけのソロです。

ですが、前半の複音のトレモロピッキングは難しくないですか?

難しいです!

ギターソロを弾くことも苦にしないことが分かります。

しないですね。メロディックハードコアみたいなものも聴いていて、あの辺はギターが上手な人が多いじゃないですか。そういうところから影響を受けていて、曲が呼べばギターソロは弾こうと思っています。

いろいろな音楽を聴いてきた中で出会ったたくさんの“好き”を、Dear Chambersで活かされているんですね。続いて、「オレンジロード」の2曲目に収録されている「あの月のまま」にいきましょう。

僕はaikoさんも好きなので、「あの月のまま」のコードと歌詞の感じはそういうニュアンスを入れたいと思って作ったんです。昔の僕はしみったれた恋愛ばかり歌っていたけど、最近はやめていたんですよ。だけど、昔の恋を忘れるために蓋を1回開けようと思って、この曲を書きました。

歌詞、ヴォーカルともにピュアな雰囲気があって、さわやかに染みる一曲になっています。

こういう曲なので素直に歌おうと思ったんです。あと、この曲は後半で速い2ビートになるじゃないですか。もともとあの2ビートはなかったんです。僕らはバンドを始めた当初は2ビートの曲をメインにしていて、それでお客さんがついていたんですけど、“最近面白くないなぁ”と思ってしまって。予定調和が起きていて、“そのための曲じゃないんだけどな”と思っていたんです。だけど、「あの月のまま」を作っている時に、ここは2ビートを入れたいという気持ちになったんですよね。昔は“速い2ビートで、1分で終わろう!”みたいな感じで曲を作っていたけど、そうじゃなくて一曲の中にこれがあることがどれだけ重要かを考えた。だから、初めて考えて2ビートを使った曲なんです(笑)。ドラマチックにしたくて、最後のサビで速くなって、その後スローになって、今まで出てこなかったメロディーが出てくるという流れを考えました。

OKMusic編集部

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