L→R 松井友哉(Ba)、野田択也(Vo&Gu)、Koto(Dr)、鮨朗(Gu)

L→R 松井友哉(Ba)、野田択也(Vo&Gu)、Koto(Dr)、鮨朗(Gu)

【peeto インタビュー】
僕にかかわってくれている以上、
みんながいい感じになってほしい

無理して変わらないようにするよりは
変化を楽しみたい

楽しみにしています。さて、新たな楽曲制作、野外フェスへの出演を経て、今年度のサマーチューン「HaHa!!」がリリースされました。こちらの楽曲はいつ頃から制作がスタートしたのですか?

6月に制作して、7月にレコーディングした出来立てホヤホヤの楽曲になりますね。

いつもながら、その制作スピードには驚かされます。

最新のものを最速で楽しんでもらいたいですし、僕らも届けたいという気持ちを持っていますから。

大サビの前に“はははは!”という笑い声も入っていますが、とても印象的なタイトルですね。

ですよね(笑)。笑い声を入れるアイディアもメンバーから出たんですよ。この曲は珍しくメンバーが僕の家に集まってデモを完成させていきまして。いつもはデータ上でのやりとりなんですけど、集まっているからこそ曲の展開などもその場で作りましたね。その中で、メンバーから“笑い声でも入れてみる?”と言われて、みんなで笑ってみたらいい感じだったので採用しました(笑)。

なるほど。そのアイディアからタイトルが決まったのですか?

そうですね。この曲は“笑い”をテーマにしているので、笑い声をそのままタイトルにしました。

この曲はタイトルとジャケット写真からでは想像ができなかったのですが、ウェストコーストロックなサウンドのミドルナンバーです。今回はウクレレがメインで使用されていることが印象的ですが、全体的な音の広がり方も前の2曲の制作経験が活かされている気がしました。ウクレレを入れたのは野田さんの案ですか?

ウクレレは今回が初挑戦になりますね。昨年からウクレレを楽曲に入れたいと思っていたのですが、その時はウクレレを持っていなくて。夏頃にたまたま立ち寄った楽器屋にいい値のウクレレが売っていたので購入したんですよ。楽曲で使用するにはある程度の演奏ができないといけないし、楽曲を制作するにはウクレレが手に馴染んでいないといけないと思ったので、そこから独学で練習をしていたんです。そして、ようやく楽曲を作れるようになって作ったのが、この「HaHa!!」になります。

独学で練習されたんですね! 私も学生時代にウクレレに触れる機会がありましたが、ウクレレってコードが多いわけではないのに指のストロークで音がかなり変わるから難しくないですか?

そうそう。ウクレレはギターと全然違う楽器なんだと分かりましたよ。最近はギターとウクレレの二刀流で演奏しているので、頭がおかしくなってくるんです(笑)。ギターのDコードをウクレレで押さえるとGコードの音が鳴るんですよね。それがかなり混乱させられて。

頭で鳴らしたい音と違う音が出てくるんですよね(笑)。

Dコードを押さえたいと思っていると手が勝手にギターの押さえ方になっちゃうんですよね(笑)。難しいですけど、最近は楽しくてウクレレばっかり弾いています。

レコーディングでも野田さんがウクレレを弾かれたのですか?

はい。僕が弾いています。

この曲はウクレレで作ったということですが、デモもウクレレのみで作ってから他の楽器で肉付けをしていったのですか?

ウクレレの弾き語りで全体のデモを作って、そこからリズムなどを足してかたちを作り、レコーディングではカホンなども入れて完成させました。今回のレコーディングは“この音も入れちゃおっか”という感じで自由にやっていけた気がしますね。

そのあたりの自由な提案は前2作の経験が活かされているんじゃないですか?

そうかもしれません。レコーディングのやり方やサウンドの作り方はレコーディングの回数を重ねるごとに成長するし、その時々でやりたいことが生まれるから新しいことを試せる場になっている気がします。メンバー同士で最近どんな曲を聴いているかとか、この曲がいいとか、意見交換をすることも増えましたし、メンバーひとりひとりが楽曲の目指している方向性や完成系のイメージをしっかりと持てるようになったのも大きいかもしれません。頭で描いているゴールのイメージが近くなっている感じですね。

バンドとしてとてもいい成長をされていると思います。ひとりひとりがpeetoの音楽を理解して、野田さんが作る曲の世界観をイメージできるようになっているということは、全員がその中でやりたいことを見つけられるし、挑戦していけるという向上心にもつながっている気がしますね。

プロデューサーを迎えて楽曲制作をしたことで、peetoというバンドの芯が生まれて、全員がそれを理解できるようになったので、そこも大きな変化だと思います。

この曲はAメロ、Bメロの裏打ちのヒップホップのノリは心地良いですし、サビのキャッチ―で耳に残る綺麗なメロディーは癖になるし、Dメロのグッとくる盛り上がる部分はドラマチックだし、それぞれの部分で違った表情を見せる構成も面白かったです。

同じセクションを作らないようにしようという意識がありました。弾き語りになっている頭の部分は最初に作りましたが、そこからの構成はメンバーと一緒に“こんな感じが面白いんじゃない?”とか“このほうが楽しいよ”とか前向きな意見交換をしながらかたちを整えていったので、いろんなアイディアが入っています。これも今の僕たちなら何をやっても大丈夫だと思える自信がかたちになっている気がしますね。

なるほど。では、歌詞についてもうかがいたいです。サビの《一生笑って暮らしていたいね friends》や《バカなフリでハイになって幸せを振り捲こう》などのフレーズからもpeetoが楽曲で伝え続けている“毎日楽しく笑って過ごしていたい”というメッセージが表れていますが、全体的な歌詞に関するコンセプトはありますか?

《一生笑って暮らしていたいね friends》がこの曲のテーマになっているので、そこから肉づけをしていきました。作詞に対する僕のマインドは今までと変わりないですけど…。

『Virgin』(2022年3月発表のミニアルバム)のインタビューの際にも“自分が思っていることや伝えたいことを自然と歌詞に落とし込んでいる”とおっしゃっていましたので、その時のマインドが今でも変わらずに作詞ができているのかなと思いました。

まさしくそのとおりです。自分のマインドに対して難しく考えすぎずに作詞をしているので、そのモードのまま続いている感じですかね。

今までも友達や仲間に向けての想いを歌詞にされてきましたが、今作で特に印象的だったのは《自分はもう自分で良い/自分が最高ですって言えるような日々を/共に作って行くんだろ?》というメッセージでした。この部分が友達や仲間だけでなく、ファンへ向けた問いかけにも感じたんですよね。

お客さん、ファンの方もそうですし、ライヴハスの人もそうですが、僕は友達が好きだし、友達には頑張ってほしいじゃないですか。友達にはいい感じに暮らしていてほしいんですよ。

“自分にかかわっている人みんなが楽しく暮らしていてほしい。一緒に楽しく過ごそうよ”という気持ちが表れていると。

僕にかかわってくれている以上、みんながいい感じになってほしいという気持ちがこの曲には入っている気がします。

日本語が多くなっているからこそ、新曲が出るたびに今の野田さんが感じていることがとても伝わってくるので、楽曲を追っていると野田さんの思っていることが分かるようになってきました。歌詞の変化に対して周りの反応はいかがですか?

褒められることが多くなりました(笑)。自分では分かっていないんですけど、“歌詞が良くなってきたよね”とメンバーやスタッフさんから言われることが増えたんです。昔の歌詞も自分の言葉だから好きですけどね。『GAL』(2021年7月発表のアルバム)の頃の歌詞を見ても面白いと思いますし。確かに書き方や作詞への向き合い方は変わりましたけど、その頃のやり方を今もやっていますから。ただ、そうやって変わっていく自分も大切にしたいですね。無理して変わらないようにするよりは変化を楽しみたいので。

その気持ちも大切だと思います。

歌詞を書くのって面白いんですよ。曲を作るのとは違って歌詞は知識じゃないし、理論でもないし。人間の感情には浮き沈みがあるから、その時の自分にしか書けないものになっているんじゃないですかね。

9月には自主企画イベントの第2弾『THIS SUMMER WITH PEETO Vol.2』を東阪で開催されます。どんなイベントになりそうですか?

9月と言ってもまだまだ夏だと思うので、夏全開なイベントにしたいと思います! あとは、僕のウクレレの演奏が間に合うかな~っていうのが不安ですかね(笑)。でも、対バン相手も巻き込んで最高のライヴを届けるので、楽しみにしていてください!

取材:岩田知大

配信シングル「HaHa!!」2023年8月9日リリース No Big Deal Records
    • COKM-44560

ライヴ情報

『THIS SUMMER WITH PEETO Vol.2』
9/07(木) 大阪・LIVE SQUARE 2nd LINE
w)Panorama Panama Town / Set Free / and more…
9/29(金) 東京・渋谷Milkyway
w)Jam Fuzz Kid / ゴホウビ / SPRINGMAN

peeto プロフィール

ピート:2017年に結成された千葉県柏発のカルチャーロックバンド。ブラックミュージックやシティポップ、R&Bなどさまざまなジャンルを織り交ぜた独自の音楽を発信している。20年に開催された『No Big Deal Records Audition 2020』でグランプリを獲得。21年7月に2ndアルバム『GAL』を発表し、23年8月には配信シングル「HaHa!!」をリリースし、9月に東阪にて自主企画イベントを開催。 https://peeto.jp/peeto オフィシャルHP

「最強の二人」MV

「SunDays」MV

OKMusic編集部

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