【HERE インタビュー】
“どこを切り取ってもリード曲だ!”
という気持ちで作り進めていた
最初のデモが新境地すぎて、
“全然分かんない!”って(笑)
アルバムに向けての曲作りは、いつくらいから始めたんですか?
武田
昨年の11月くらいには最初のデモができていたんですけど、それが新境地すぎたから“全然分かんない!”と言って(笑)。
尾形
最初のデモに関しては、ギターふたりからのレスポンスがずっとなかったんです(笑)。
武田
やってはいたんですけど、自分の中で納得いかなくて。結果、“シンプルにしよう”と思ってやったのが一番良くて。
尾形
それが「大丈夫、永遠じゃない。」で。今までにないテンポ感を意図的に狙ったり、和音も凝っていて、あまりロックバンドにはないジャズ的な進行が随所に隠されているんです。だから、これは苦戦するだろうとは思っていましたね。この間、弾き語りのイベントがあって、アルバムの宣伝もしたいから「大丈夫、永遠じゃない。」を弾き語りでやろうと思ったんですけど、難しくてできませんでしたからね(笑)。
三橋
あと、「鋭く尖る」も最初のデモに入っていて。そこまで時間をかけたつもりはなかったんですけど、作業量が多かったので結果的に時間がかかってしまった感じでした。
尾形くんの中では、9月に「詩になる」をリリースして、その延長上にアルバムがあったのか、アルバム制作ってところで気持ちを切り替えて作れたのか、気持ち的にはどっちだったんですか?
尾形
わりと地続きでしたね。実は「詩になる」を作った時、「Sing!! Sing!! Sing!!」と「今ここがポイントだ」はもう録音していたんです。リードで曲でいける隠し球をすでに持っていたので、いざアルバムとなった時に、その安心感はありましたね。そこからできた「大丈夫、永遠じゃない。」はメロディー的にもこれまでにない新しいものができていると感じたし、「鋭く尖る」の構成も今までにないものだったりしたんで、“こういうふうにアルバムを作っていこう”というのが見えてきた感じがありました。さらにギアを上げたところで「BANG-BANG-ZAI」ができたりして、アルバムに向かう良い流れもあったし。なので、“どこを切り取ってもリード曲だぞ!”という気持ちで、熱意を持って作り進めていけました。
すでにMVも公開されているアルバムのリード曲「BANG-BANG-ZAI」に関してはいかがですか?
尾形
サビやメロディーは他の曲と比べものにならないほどシンプルなので、最初は“ライヴで映える曲ではあるけど、リード曲ではないな”と思っていたんです。でも、リード曲にしようとしていた「Sing!! Sing!! Sing!!」のMVのロケハンに行く車の中で、MVの監督やカメラクルーの方に他の曲も聴いてもらったら、“「BANG-BANG-ZAI」がリード曲のほうが良くない?”と言われて“マジで!?”ってなって(笑)。
あははは。“えっ、このタイミングでそんなことを言う!?”って感じだよね(笑)。
尾形
それで“だったらもう一本、MV撮る?”って話になったら、道中でMVのイメージもバンバン出てきて。僕はどれがリードでもいいし、なるべく周りの意見を取り入れたほうがいいと思って、その意見を取り入れました。その後、3月に9mm Parabellum Bulletとfolcaとやった3マンライヴ(『逆三角関係』:2023年3月17日 at 新宿BLAZE)で「BANG-BANG-ZAI」を初披露したんですけど、その時の反応もすごく良くて、お客さんもサビでバンザイを合わせてくれたし、たまたま観に来ていたアルカラの太佑さんにも“すごい曲ができたな!”と言ってくれて、“あぁ、間違いなかったんだ”と思いましたね。
HEREを知らない人にも響くキャッチーな曲だと思うし、結成15周年というおめでたいタイミングにもぴったりですね。
尾形
まさに“めでたい”って意味ではぴったりですね(笑)。《誰かのバースデーを祝え》って歌詞の、その適当さもいいですし。
武田
《何かしら記念日》って言っていますからね(笑)。
尾形
今乗っている機材車のカーナビが、エンジンをかけると毎日何かの記念日を言うんですよ。そのたびに“そんな記念日知らんし!”と思っていて。
尾形
自分でも適当な歌詞だと思いながらも、“ロックってそういうもんじゃん”って言われて“そうだな”と思いました(笑)。
うん。“That's All Right!”って感じで、“大丈夫、大丈夫”と無責任に言い放って、背中を押してやれるのがロックだと思いますよ。アルバムリリース後は全国対バンツアーが決定していますが、どんなものになりそうですか?
尾形
こういうツアーは久しぶりなので、意図的に会場や対バンも多くしたんですよ。今まで対バンしてきた人もいたり、初めて対バンする人もいたり、僕ら的にも新鮮な感じがしていますし。ツアー初日が芸人の流れ星☆ってところから始まって、なかなか面白いラインナップになっていると思いますし、久しぶりに来てくれる人もたくさんいると思うので、しっかり盛り上げていきたいと思っているから楽しみにしてほしいですね。
取材:フジジュン
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アルバム『電撃』2023年6月7日(水)発売
HERE
■『HERE 7th Album Release Tour『Lightning Bolt』』
6/07(水) 東京・下北沢CLUB Que
W)流れ星、HONEBONE(O.A.)
6/10(土) 愛知・新栄CLUB ROCK'N'ROLL
W)アルカラ
6/11(日) 大阪・寺田町fireloop
W)アルカラ、sui sui(O.A.)
6/17(土) 千葉・稲毛K's DREAM
W)セックスマシーン!!、ロマンス&バカンス
7/08(土) 石川・金沢vanvanV4
W)MARSBERG SUBWAY SYSTEM、ガストバーナー、アンジーモーテル
7/09(日) 新潟・新潟CLUB RIVERST
W)MARSBERG SUBWAY SYSTEM、ガストバーナー、終活クラブ
7/12(水) 神奈川・横浜F.A.D
W)首振りDolls、スキッツォイドマン、好き好きロンちゃん
8/04(金) 宮城・仙台FLYING SON
W)SaToMansion、虎の子ラミー、ヤジマX(モーモールルギャバン)
8/05(土) 岩手・盛岡five the morioka
W)SaToMansion、虎の子ラミー、ヤジマX(モーモールルギャバン)
8/25(金) 東京・渋谷Spotify O-Crest
W)メリー、ベッド・イン、folca(O.A.)
■ツアー番外編
『VILLAGE MAN’S STORE“GRATEFUL MET tour”』
7/01(土) 島根・出雲APOLLO
W)ビレッジマンズストア
7/02(日) 山口・周南rise
W)ビレッジマンズストア
ヒア:2008年活動開始。ハイテンションという名の“熱中”を追求するロックバンド。18年5月に結成10周年を記念して『ハイテンションフェス』を初開催し、私立恵比寿中学、9mm Parabellum Bullet、アルカラなど親交のあるアーティストが集結。同年9月にはZepp DiverCity(TOKYO)でバンド史上最大規模のワンマンライヴを敢行。20年12月に6thアルバム『風に吹かれてる場合じゃない』を発表し、21年11月にはCD+DVD盤の売上げを『Music Cross Aid ライヴエンタメ従事者支援基金』に寄付するプロジェクト『POWER TO JAPAN 2021』を立ち上げた。HERE オフィシャルHP
「BANG-BANG-ZAI」MV
「Sing!! Sing!! Sing!!」MV