【ゆいにしお インタビュー】
元気でいることって、
おまじないだと思う

みんなが素直でいられる世界だと思います。素直になることって難しいですし、自分自身も気持ちを素直に伝えることが苦手だったりもするので、曲の中の主人公に憧れを抱きながら曲を書いている節はありますね。人の良いことを瞬時に褒めることができたり、好きだという想いを真っ直ぐに伝えられたりする、チャーミングな女性になりたいという理想はずっとあります。

これは昔、母親の車に“注意一秒、怪我一生”と書かれたお守りが吊るされていたことを思い出しつつ書いた歌詞なんです。今までは昔の想い出からフックアップして歌詞を書くことはしてこなかったんですけど、最近実家に帰れていないことが反映して出てきたのかもしれないです。

楽しかったですね。今回のチームにはこれまでの作品でもお世話になったアレンジャーの水口浩次さんと、エンジニアの比留間泰生さんに参加していただいたんですけど、またおふたりと一緒に楽曲を作れることへの喜びがありました。さらに、今回は初めての試みとして、曲を作る段階から水口さんに入っていただいたんですよ。なので、今回はひとりというよりは二人三脚で作り上げたような感覚です。今まで音楽理論に則してというよりかは、直感的にコードを当てはめながら曲作りをしていたんですけど、水口さんがそこに対する知識的なアドバイスをしてくださったんです。その効果は大きかったですね。ホーン隊を含めたイメージは私自身がもともと抱いていたものなので、想像以上の出来上がりになったと思っています。

はい。タイアップ含めていいお話もたくさんいただけて、いろいろな方とお話できる機会も増えてきているので、前向きに進んでいっている実感があります。「ワンダーランドはすぐそばに」の歌詞の中でも《はやくおいで》というフレーズが何カ所か出てくるんです。今までの曲の主人公ってタフだけどメンヘラで、恋人が持つダークサイドに引きずり込まれてしまいタイプだったんですけど、今回はそうじゃなくて、自分が立っている明るい世界に相手を誘い込んでいる。その違いってかなり大きいと思いますし、私自身も、楽曲自体も、ポジティブになっている証明だと思っています。

最初にお話したことにもつながりますが、自信を持てるようになったことが理由なんだと思います。前は自分の嫌なところがひとつでも見つかれば、そのたびに落ち込んでしまっていたんですけど、今はくよくよせずに“自分は自分やしな”と割り切ることができようになったんです。今作の中にある《我慢は必要さ》という歌詞はダークサイドに堕ちてしまわないように自制することの必要さを書いた部分なんですけど、元気でいることって、おまじないだと思っているんです。疲れて余裕がない時って、周りの人も寄せつけないオーラを放ってしまうと思うんですよ。だから、空元気でもいいからいったん元気になってみる。そうすると、そのテンション感のまま前に進めたりもするので、そういった励ましの意味合いも持っている楽曲になったと思います。

はい！　明るい曲をもっと書いていきたい気持ちもありつつ、しっとりとしたバラードを作りたいとも思っています。あとは、ファンクラブが開設されたことでより強く思ったのは、自分のモチベーションの大部分がリスナーの方々の存在だなということなんですよね。なので、自分が書いていきたい曲を書きつつ、その上でリスナーの方々に喜んでもらえるものになっていったら嬉しいです。