最強のメンバーが集結した
タワー・オブ・パワーの3rdアルバム
『タワー・オブ・パワー』
フィルモア最後の日
この映画に登場するのは、60年代から70年代初頭にかけて西海岸で絶大な人気を誇ったグループやシンガーたち。グレイトフル・デッド、サンタナ、クイックシルバー・メッセンジャー・サービス、イッツ・ア・ビューティフル・デイ、マロ、コールド・ブラッド、タワー・オブ・パワー、ホット・ツナ、ボズ・スキャッグス、ニューライダース・オブ・ザ・パープル・セイジ、ラム、タジ・マハールなどであるが、残念ながら現在の日本で記憶されているのは、サンタナ、デッド、ボズ・スキャッグス、そしてタワー・オブ・パワーぐらいかもしれない。
さて、僕がこの3枚組のサントラ『フィルモア最後の日(原題:Fillmore: The Last Days)』を友達に借りて聴いたのは中学3年生の時。中でも、当時はブラスロックにカテゴライズされていたタワー・オブ・パワーのすごさにはぶっ飛んだ。彼らのサウンドはシカゴやBS&Tのようなブラスロックとはまったく違っていて、今から思えばブラスロックバンドはホーンセクションをメロディーのアクセントとして使っていたのに対し、タワーはホーンをリズムセクションの一部としても使い独特で圧倒的なグルーブ感を生み出していたのである。メンバー編成は、スライのグループやサンタナと同様にタワーも白黒混合グループであり、ヴォーカルとオルガンのふたりが黒人である。