ケイト・ブッシュの革新性が示された
、傑作『魔物語』の色褪せない魅力

 今回は英国を代表する女性アーティスト、ケイト・ブッシュの1980年の作品、『Never For Ever (邦題:魔物語)』を取り上げてみます。70年代末、音楽界に現れた彼女は前例のないほどの独自の個性、表現力で立て続けに名作を世に送り、今なお音楽シーンに大きな影響を及ぼし、特にビョークやマドンナをはじめ90年代以降の女性アーティストの指針となるような足跡を残してきたと言えます。旺盛な70年代~80年代の活動を経て、90年代はほぼ引退とも言えるほど完全に音楽活動を停止していた彼女ですが、2005年に12年振りとなるアルバム『Aerial』をリリースして活動を再開。以降、マイペースでアルバム制作も続けている。独身時代の唯我独尊な音楽性も素晴らしいが、家庭を持ち、母となった現在の静謐で温かな音楽は以前にはない新たなケイトの音楽性が示されている。今なお輝きを失うことのない傑作『Never For Ever / 魔物語』を取り上げつつ、既成のミュージック・ビジネスに振り回されることなく音楽を続ける、彼女の歩みも振り返ってみたい。

デイブ・ギルモア(ピンク・フロイド)
の強力な後押しでデビュー

 ケイト・ブッシュの出現というのは唐突だった。前触れもなく現れたという感じではなかったか。前評判というのをほとんど聞いた覚えがなかったと思う。デビューは1977年ということなので、その頃の洋楽シーンを振り返ってみると、アメリカではスティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガムというアメリカ人を迎えた新生フリートウッド・マックが大ヒットを連発していたし、ボズ・スキャッグスの『シルク・ディグリーズ』なんかもヒットしていた。何と言っても大きな記録を作ったのはイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』だろうか。フリートウッド・マックと同じ英国組ながら、米国に拠点を移して、アメリカ流のサウンド指向を見せたピーター・フランプトンが『フランプトン・カムズ・アライヴ』というモンスターセールスを記録したライヴ盤を出したのもこの年だった。英国に目を向けると、こちらはアバ(出身はスウェーデンだが)がダントツの人気であった。その一方でベテラン組ではピンク・フロイドが傑作『アニマルズ』をリリースしてもいる。他にもベイ・シティ・ローラーズだとかELOだとか、この年に大活躍したアーティストは枚挙にいとまがない。だが、米英を通じてこの頃音楽界を揺るがしていたのは何と言ってもパンク/ニューウェイブの台頭ということになるだろうか。米国ではすでにラモーンズやパティ・スミス、テレヴィジョンといったバンドが活動していたが、後に音楽界に大きな成果を打ち立てる頭脳派、トーキング・ヘッズがこの年にデビューしている。英国ではもうこれに尽きるというべきか、セックス・ピストルズがデビュー盤をリリースして大波乱を巻き起こしていた。そして、早くもポストパンク勢と言うべき、XTCなんかもデビューしている。ケイト・ブッシュもそんな波乱の最中にある英国で、いきなりデビューを飾っているのだ。
 業界筋では評判は伝わっていたのだろうか。聞くところによると、デビューからさかのぼること2年ほど前、ケイトは兄のパディとバンドを結成してロンドン近郊の街で活動し、たまにライヴも行なうというふうだったらしい。少しプロフィールについて補足しておくと、ケイト・ブッシュは1958年にケント州ベックスリースという町で生まれている。父親のロバートは医師、母親のハンナは看護婦(ということなので、職場恋愛のパターンだろうか)、パディとジョンというふたりの兄がいる。一家はケイトが5歳の時に一度オーストラリアに移住するが、1年ほどで英国に戻るとケント州イースト・ウィッカム・ファームというところで生活するようになる。家は裕福で、兄たちも子供の頃から音楽をたしなみ、また母ハンナはアイリッシュの血をひき、看護婦の仕事をする以前はアイリッシュのダンサーだったそうだ。そんな環境にあって、ケイト自身も早くからピアノやヴァイオリンを習っていたという。よくアイルランドやスコットランドの家庭で見られるように、ケイトたちも暖炉の側でトラッドのジャムセッションをやっていたのだろうかと想像してみるが、デビュー後の音楽性にはそれほどトラッドの世界は感じさせないというか、巧みに封印していたのかもしれない。それでも次第に身体の中のアイリッシュの血は目覚め、アルバムにはどこかしらケルティックな空気があり、アルバム『The Dreaming』あたりからドーナル・ラニーやリアム・オ・メンリィ、デイヴィ・スピラーンといったアイリッシュ・ミュージックの重鎮らと付き合いを深めていく。だが、少女時代に彼女がもっぱら夢中になっていたのは、トラッドやフォークはもとより、ロック、ジャズといった音楽で、中学生ぐらいになると待ちきれないとばかりに兄たちとバンドを組み、早くもオリジナルの曲を書き始めるのだった。
 そうしてバンドのデモテープを手にレコード会社にも売り込みを始めてみるものの、ほとんどの会社は興味を示さず、結果は落胆の連続だったらしい。ところが、兄パディの友人のツテを頼ってデモテープがピンク・フロイドのギタリスト、デイブ・ギルモアの手に渡ることになり、ここから一気に運が開けてくる。ケイトの才能に驚いたギルモアは即座に彼女の元を訪ねると、自らケイトを伴って音楽関係者を回る。それだけでは足りず、すっかりケイトの才能に惚れ込んだギルモアはピンク・フロイドのレコーディングの現場にも彼女を伴い、スタジオにいたEMIのスタッフに彼女との契約を説いて回る。それがきっかけでケイトは遂に契約を結ぶことに成功するのだ。その時、ケイトはまだ16歳ぐらいだったらしく、早急なデビューは見合わせ、ピンク・フロイドばりに約2年の期間をかけてデモ・レコーディングが繰り返される。その費用のほとんどをギルモアが負担したとも言われている。そうして、正式なレコーディングが1977年の7月、8月に行なわれ、デビュー作が完成する。プロデュースを担当したのはデイブ・ギルモアとアンドリュー・パウエル(アラン・パーソンズ・プロジェクトのメンバー)。
 こういった情報も、ケイトのデビュー盤が届く頃になって知ったのであって、英国にとんでもない逸材が…というニュースは日本には伝わってきていなかった。今となっては奇跡のようなものだが、なんと彼女は1978年の5月にはプロモーションを兼ねて来日を果たしており、東京音楽祭に出場している(観ていない)。というわけなので、関係者にはケイト・ブッシュについての情報は伝わり始めていたのだろうか。そう言えば、一般には何の前評判も伝わっていないものの、名前は忘れたが、アンダーグラウンド系の音楽雑誌がケイト・ブッシュという新人をベタ褒めしており、そのプロデュースをデイブ・ギルモアが担当しているという記事を読んだ記憶がある。その雑誌には彼女がパントマイムをリンゼイ・ケンプに弟子入りして習っているということが記されていたようにも思う。リンゼイ・ケンプはデヴィッド・ボウイがやはりジギー・スターダスト時代にパントマイムを習っていたことで知られる人物である。折良く、ボウイはブライアン・イーノと組んで『Low』や『Heroes』といった、後に『Lodger』を加えてベルリン三部作と称されるコンセプト作をリリースし始めた頃で、彼の動向が音楽界の台風の目のように言われたりする頃だった。ボウイに縁のあるアーティストということで“これは要注意”と、新進気鋭のアーティストとして、ケイト・ブッシュの名前の脳味噌への刷り込みもきっと大きかったとみえる。私自身、彼女のデビュー作『The Kick Inside(邦題:天使と小悪魔)』('78)が店頭に並ぶや、すぐさま買ったものだった。
※まだライヴ活動も頻繁に行なわれていた70年代末には彼女のライヴ・パフォーマンスを収録した映像作品もリリースされ、その中ではパントマイム、ダンスの領域でも彼女がちょっとした才能を発揮しているのが見て取れる。現在でもDVDで発売されているものがあるようなので、興味がある方は探されてもいいかもしれない。
 今、これを書きながら、当時買ったアナログ盤を引っ張り出してきて久しぶりに眺めているのだが、ライナー・ノーツは立川直樹氏が担当されている。アルバム収録曲についてはキメ細かく紹介されているけれど、ケイト・ブッシュのプロフィール的なことはほとんど述べられていないところを見ると、やはりあまり情報はプレスからも提供されなかったのだろうか。
 日本のメジャーな音楽雑誌にはほとんど紹介されなかったにも関わらず、デビュー盤はちゃんと日本でもリリースされ、意外だったのは、シングル「Wuthering Heights(邦題:嵐が丘)」はラジオでオンエアされることも多かった。しかも、ほどなくして日本の腕時計のブランド、セイコーがテレビコマーシャルでアルバム収録曲「Them Heavy People(邦題:ローリング・ザ・ボール)」を採用し、おまけにケイト自身がモデルとして出演したのには驚かされた。後年、実はシャイな性格でライヴにも消極的であることを知ると(80年代以降はライヴパフォーマンスは一切行なわれていない)、このコマーシャル出演は驚くべきことだ。所属する英EMIがプロモーションのひとつとして日本の業界筋に売り込んできたのか、逆に目ざとい日本の広告業界が彼女に出演オファーを出したのか、このコマーシャルの経緯については分からないけれど、デビューから早い時期に日本では彼女の動く姿を目にできていたわけである。このコマーシャルはよく覚えている。自分の歌をバックにケイトが画面に現れると、軽くパントマイムのようなパフォーマンスを披露するという風なものだったと思う。一般の視聴者はこのコマーシャルを通して、いわゆるカワイ子ちゃんでもなく、美人だけど少々魔女っぽい雰囲気のケイトをどう見たのだろうか。歌声こそロリポップ風と言えなくもないけれど。まぁ、よくよく考えてみれば現在のようなローティーンが当たり前の時代と違い、70年代末のコマーシャルモデル、タレントなんて、ずっと今よりアダルトだったのだ。
 アルバムは秀逸な仕上がりだった。日本盤はケイトのバストアップを大写しにしたもので、お目々クリクリの少々アイドル然としたもので面食らったものだ。普通の人が見れば、これはアイドルポップのアルバムだと思いかねないだろう。輸入盤はこれもどういう意図なのか計りかねたが、凧の乗ったケイトが眼球の中を飛んでいるという、じっくり見るとなかなかシュールなイラストレーションで、そこに東洋的というか、アジア的なタイポグラフィが配されたデザイン。およそ19歳の女性アーティストのデビュー盤らしくないような気がしないでもない。
 肝心の中身のほうは、もっと驚かされるものだった。冒頭を飾った「Moving」で聴こえてくる声はずいぶん特徴的というか、線の細い、かなりキーの高い声質で意外に感じた(声域は高音から低音までかなり幅広い)。それでもこれがデビュー作なのだからと「可愛らしいものじゃないか」と感じたりしていたのだが、聴き進めるうちに、それは夢想的で、なおかつ官能的であるように印象は変わっていき、さらに声云々以上にケイトの才能がひしひしと感じられてきて、居ずまいを正すように真剣にアルバムを聴き通したものだった。フェアポート・コンヴェンションのサンディ・デニーや英ブルース・シーンの花形と言われたマギー・ベル、エルトン・ジョンのバック・コーラスからソロデビューしたレスリー・ダンカン、トラッド・シーンで活躍していたスティーライ・スパンのマディ・プライヤー…と、それまでの英国の女性シンガーと比べてみても、ケイトはまったく異なる独特のスタイルだったし、その音楽姓は完全にオリジナルなものだった。歌詞やモチーフにこそ英国らしいバラッド、文学からの影響を感じさせるものの、DNAとして受け継がれているはずの“スコッツ・アイリッシュ=トラッド”的な側面はあまり感じさせなかった(後年はじわじわと発揮されるようになる)。
 クジラの声や仏教の呪文のような音声などを効果的にに使ったり、一般的なポップスの曲調とはまるで異なるメロディーラインからは寓話的なイメージも漂わせ、一聴してただものではない才能を感じさせる。それを書いているのがケイト本人であることなど考えると、心底驚かざるを得なかった。ケイト自身がTVの『嵐が丘』を観てインスピレーションを得て書き下ろしたという「Wuthering Heights(邦題;嵐が丘)」が示すように、神秘性を秘めた独特の雰囲気が全編を覆っていた。アルバムを聴き終わった時は英国文学の一篇でも読み終えたような印象が残った。実際に、歌詞の一部には神秘思想家グルジェフの教義が挿入されていたりと、細部にわたり、とても19歳の女性が書いたとは思えない凝りようだ。
 ちなみに「Wuthering Heights(邦題;嵐が丘)」は日本では明石家さんまが司会を務めるバラエティー番組『恋のから騒ぎ』のオープニングテーマ曲に使われたりしたが、誰の入れ知恵か分からないが、ずいぶん思い切ったチョイスだと思う。まぁ、これも導入部だけ聴いているぶんには“可愛らしいものじゃないか”ということなのだが。
 というわけで、好奇心優先でデビュー盤を聴いた私はその才能にぶったまげて、以後、彼女のアルバムがリリースされるたびに購入していくのだが、最初は「これ売れるんだろうか?」と一瞬思った記憶がある。アルバムは文句なしに素晴らしいのだが、この濃さ、重さ、深さはポップス市場には不向きかも、と余計な心配をしてしまったのだ。しかし、これが売れたのだ。シングル「Wuthering Heights(邦題;嵐が丘)」は全英4週連続一位を記録し、アルバムも英国チャートで3位という好成績を収めている。アメリカの市場や日本での成績ははっきりしないのだが、日本では前述のコマーシャルとのタイアップもあったので、そこそこ売れたのではないだろうか。
 デビュー盤が出た8カ月後には早くもセカンド作『Lionheart』('78)が届けられる。プロデューサーの名からデイブ・ギルモアの名前が外れたものの(縁が切れたわけではなく、以降もケイトとギルモアの付き合いは続く)、アンドリュー・パウエル他、前作同様、コックニー・レベルやアラン・パーソンズ・プロジェクトでお馴染みの腕ききのミュージシャンが脇を固めている。カーヴド・エアのメンバーだったキーボードのフランシス・モンクマンの参加も話題になった(マニアの間で)。ケイトはデビュー前から相当数の曲を書き溜めており、そこから選りすぐりの曲をレコーディングしていったようだが、前作との間隔の極端に短いセカンド作のリリースは、デビュー盤の制作時にすでにレコーディングを終えていた曲が多数あり、そこから漏れた曲をセカンドに回した可能性もある。前作とほぼ同じバックアップ・メンバーによるアルバムに変化はほとんどないが、楽曲のクオリティーはこれまた高く、デビュー盤らしい華やかさを欠いたぶん、セカンド作はケイトのヴォーカリストとしての素質、音楽的な実験精神が垣間見えて、当時はこちらのアルバムがターンテーブルに乗る機会が多かったような記憶もある。チャートは英国では最高位6位と、デビュー盤ほどではないにしても堂々たる成績である。

3作目にして前衛性とポップを絶妙の構
成力で両立させた傑作を発表

 ようやく『Never For Ever (邦題:魔物語)』('80)に辿り着いた。CD時代となっては関係ない話だが、アナログ時代、前2作のアルバムはシングルスリーブだったが、本作ではダブルジャケットとなり、豪華な作りになった。英国の有名な絵本画家、ニック・プライスの手なるイラストレーションがフロントカバー、中面に描かれている。鳥や魚、蝙蝠や怪物、白鳥、猫や蝶などさまざまな生物と一緒に描き込まれているケイト・ブッシュはもはや魔女のようだ。イラストの図案から察するに、描かれている生物や怪物は、ケイトの子宮から飛び出してきているというようなシチュエーションとなっており、何ともすごい。裏面はズバリ、コウモリに変身したケイトが宙を飛んでいる。アルバム中を探しても、もはや英国美女らしきものを感じさせる写真など皆無。ライナーノーツもなく、歌詞だけが訳されていた。日本盤に付けられた帯には「20ヶ月の時間が彼女に与えたものは…?」「英国最優秀女性ヴォーカリストに輝くケイト・ブッシュが自ら初のプロデュースで描くシュールリアリスティックな音と幻想の世界。今、その扉は開かれる!」と仰々しくある。最初の20カ月というのは、本作が前作から約2年のインターバルを置いて制作されたことを意味している。もっとも、その間を新譜の制作に費やしていたのかと言えばそうではなく、この間には自身初となる大規模な英・ヨーロッパツアーがあったり、ピーター・ゲイブリエルの要請でアルバム『ピーター・ゲイブリエル III』('80)のセッションに参加し、「Game Without Frontiers」でゲイブリエルとデュエットするなどの仕事もこなしていた。この曲は大ヒットを記録している。ゲイブリエルとはこの後、彼の大ヒット作『So』('86)にもケイトは招かれ、シングル「Don't Give Up」で再びデュエットし、これも世界的な大ヒットになっている。
 内容も過去の作品から大きく変化している。ここには女性シンガーソングライターというよりは“アーティスト”とシンプルに呼んだほうが良さそうなケイト・ブッシュがいる。本人が後に語ったのでは、過去におけるレコード会社主体のアルバム制作や自らをシンガーソングライターとして置かれているスタンスには不満だったという。彼女はデビュー時からあくまで自分をアーティスティックな表現を試みる者としてアピールしたかったようだ。さすがに最初からセルフプロデュースをするには経験値もなく、そのあたりは恩師ギルモアの手に委ねるのもやむなしとしていたようだが、多少の経験も積み、レコード会社に対しても充分な成績を示したとなれば、そろそろ自分流を貫き通したくなる。レコード会社側もケイトがこれほど主張の強いアーティストであるとは、思っても見なかったのかもしれない。最初はギルモアがやたら推薦するから、まぁ彼を信用してやらせてみるか、というぐらいだったのだろう。ところが、思いもよらずケイトは大物だったというか、言い方は悪いが、彼女は化け物だったのである。
 やれるものならやってみろと静観するつもりで、それでもさすがにレコード会社はクリス・レアとの仕事で実績のあるプロデューサー、ジョン・ケリーとの共同というかたちでケイト自身の制作指揮を承諾したのだが、英EMIのお膝元とも言うべきエアー、アビーロード・スタジオを使ってレコーディングされた本作の出来映えには、これまた会社もリスナーも、ミュージシャンを含む多くの音楽関係者もぶったまげるほどのものだった。アルバムは1980年9月8日に発売されると、チャートを駆け上り英チャートでついに1位を獲得してしまった。これは英国女性アーティストとしては初となる快挙だったそうだ。日本でもオリコンチャート40位を記録している。これは洋楽アルバムとしては大ヒットと言っても差し支えないのではないだろうか。ミュージシャンは前2作から継続して参加しているものも多いが、ジェフ・ベックとの仕事で知られるキーボードのマックス・ミドルトンの参加や「Violin」という曲ではアイリッシュ・トラッド系のフィドラー、ケヴィン・バーク、「Breathing」という曲ではバッキング・ヴォーカルで英国の燻し銀のシンガー、ロイ・ハーパーの参加が目をひく。
 全11曲で約38分ほど。CDや音源配信の時代においては1パッケージでこれだけというのは短いと感じられるかもしれないが、中身のあまりの深さにそれを意識させない。全曲、アレンジの全てをケイト自身が手がけているのだが、粒ぞろいの楽曲が並び、いずれの曲にも崇高な世界観が描かれており、演奏だけでなく、ヴォーカル表現もこれまでになく複雑になり、可憐に歌っていたデビュー時のケイト・ブッシュはどこにもいない。今回、原稿を書くために棚から引っ張り出したのは90年代のはじめに最初にCD化されたバージョンのものだったが、内容はいささかも古びてはおらず、イヤホンで集中して聴いていると、これが先鋭的なアーティストによる2015年のリリース作だと言われても納得しそうな斬新さで、改めて驚かされた。これを機会に最新のリマスター盤、あるいはケイト側にハイレゾ音源でのリイシュー計画があるのならそれを買い求めようかと思ってしまうほど感動してしまった。
 本作を彼女の全ディスコグラフィから選んだのには、本作が彼女の音楽キャリアのある意味で現時点における頂点と考えるからだ。この2年後にリリースされる通算4作目となる『The Dreaming』('82)も本作に負けず劣らず傑作だと思うのだが、そこで示されているのは全身全霊をかたむけ、自分の持ちうる創造のアイデアを絞り出すような壮絶な世界であり、ケイトのヴォーカルも女性シンガーの、というよりは精神が破綻する寸前まで追い込んだアーティストのうめき声、悲痛な叫び、咆哮のようだ。暗いところでひとりで聴いていると怖ささえ感じないでもない。そういう意味で、彼女のクリエイティ部な面とシンガーとしての魅力がバランスよく両立している『Never For Ever(邦題:魔物語)』を選んだわけだ。
 そうは言っても、『The Dreaming』もぜひ聴いていただきたいアルバムだ。この作品では完全にケイトの独裁体制というか、単独プロデュースが実現されている。その結果、レコード会社との衝突も勃発することとなる。1981年の春から幾つものスタジオを使い分けながら行なわれたレコーディングは、一度は完成を見たもののケイト自身が満足できずに破棄、2度にわたって仕切り直されるなど、費用、時間ともにかさみ、レコード会社と対立を生む原因となった。また、この頃からケイトはデジタルサンプリングマシーン、フェアライトを大々的に導入するようになり、この最新鋭のマシンを駆使しながら、壮絶な72トラック録音が行なわれている。82年9月にリリースされたアルバムを聴けば、ケイトがおそらく精神が破綻する寸前まで自らを追い込んで制作されたであろう、狂気と見まごうばかりの凄まじい創作意欲を知るだろう。レコーディングに参加しているデイブ・ギルモアのピンク・フロイドを遙かに上回るプログレ度である。彼の他、ケイトと支え続けてきたお馴染みのメンバーに、ドーナル・ラニーやをはじめとしたアイリッシュ勢、元ペンタングルの名ベーシスト、ダニー・トンプソン、バグルズのジェフ・ダウンズらが参加しているのも話題になった。音の緻密さは群を抜いており、内容は実に前衛的かつ過激なもので、このアルバムで始めてケイト・ブッシュの音楽に接してしまった人は思わずたじろいでしまうかもしれない。
 『The Dreaming』はそれでも全英チャート3位に入ったのだから、リスナー側がいかに彼女の新作に期待を寄せるようになっていたかを物語っているとも思う。そして、いかに難解な内容になっていようが、アルバムの根底に流れているクリエイティビティーの素晴らしさを伝えてくるのだ。
 だが、さすがに内容が重すぎたとケイト自身も思ったのだろうか。またまた3年のインターバルを置いて発表された次作『Hounds of Love(邦題:愛のかたち)』はラヴソングが多く歌われ、ケイト自身のヴォーカルもエキセントリックなスタイルから一転、穏やかにメロディーラインを追うものになっていた。ジャケット写真にもケイトの美しいポートレイトが使われている。アナログ盤が棚に残っているところを見れば、このアルバムまでがヴィニールで、次作の『The Sensual World』('89)から完全にCD時代に切り替わっている。『Hounds of Love(邦題:愛のかたち)』『The Sensual World』、そしてさらに3年後に出る『The Red Shoes』('93)あたりから顕著になってきたのが、いわゆる当時の言い方での“ワールドミュージック”への接近だろうか。すでに『The Dreaming』から前述したようにアイリッシュの重鎮たちがレコーディングに参加しているのだが、そうしたアイリッシュ音楽へのよりいっそうの接近、さらにブルガリアン・ヴォイスの女声合唱グループ、トリオ・ブルガルカを大々的にレコーディングに起用するなど、伝統的なものと彼女なりの実験的な音楽を融合し、それをポップフィールドに提示するかたちでアルバムは制作されていく。引退前というか、『The Red Shoes』には彼女には意外というか、その頃とてつもなくスーパースターになっていたプリンスが参加しているほか、エリック・クラプトンやジェフ・ベックまでが顔を揃えている。豪華絢爛なスタープレイヤーを迎え、ともすれば話題性先行の凡庸なアルバムに陥りそうなものだが、そうならないところがケイトらしいところで、セルフプロデュースの姿勢は崩さず、独特のヴォーカルを通して唯一無比な存在感を示している。
 この後、ケイトは一切の音楽活動を停止してしまう。精神を病んで、それこそピンク・フロイドのシド・バレットじゃないが、家から一歩も出ない生活をしているのだとか、いかにもそれらしい噂もあったが、実際には『The Red Shoes』のレコーディングにも参加していたダニー・マッキントッシュとの間に一児をもうけ、家事と育児にあてる時間を優先したということだった。
 思えば彼女不在の90年代、そして2000年に入ってからの音楽界は目まぐるしいものだった。彼女の後継と言ってしまっていいのかどうか分からないが、ケイトが付けた道筋を辿るように、ヨーロッパ圏からはビョークのようなユニークなアーティストが現れるなど、世界中で才能溢れる女性アーティストがデビューした。前衛的な音楽が受け入れられる一方で、ミュージシャンやリスナーの間からルーツミュージックへの眼差しも熱くなった。そして、音楽制作の環境もデジタルレコーディング、宅録というものが当たり前のようになった。さらにインターネットを介して音楽流通が行なわれるようになった。…と挙げ始めればきりがないけれど、その間、ケイト・ブッシュという存在が忘れられることはない代わり、まったくの噂さえ耳にしなかった。それはやはり、寂しいものだったと言わざるを得ない。60年代、70年代、そして80年代と主に米英の音楽を聴いてきたものには、90年代以降の新しいアーティストたちが届けてくる音楽には時として“やり尽くした”感を覚えないではいられないことがある。あぁ、それはすでに誰かがやっていたよ、とてもいいけど最新のものじゃないね、過去の焼き直しか…と。過剰なクラシックロック賛美ほど鬱陶しいものもないし、方法論ばかり追うことは少しも音楽の本質を理解したことにならないが、こういう時代にケイト・ブッシュならどんな作品を作っただろうと、思うことは一度や二度ではなかった。

今後を期待させる『Aerial』(2005)以
降のマイペースな活動ぶり

 どうやらケイト・ブッシュが音楽活動を再開するらしい、というニュースを耳にしたのは2002年頃のことだったろうか。どこから聞こえてきたのか、自宅のスタジオを改装して最新の機材を揃えてウォーミングアップをしているという、噂の真贋を確かめるほどもないたったそれっぽちのニュースだったが、廃人にでもなっていなければ、そろそろそういうことがあってもいい頃だと思ったものだった。実際にはその噂は本当だったらしく、そのころからアルバム『Aerial』のレコーディングは始まっていたらしい。だが、アルバムは一向にリリースされず、やはり噂は噂でしかなかったのかとファンは落胆の日々を過ごしたものだった。“空気(大気)の~”という意味を持つアルバム『Aerial』のリリースが現実のものとなったのは2005年11月のことだった。初の2枚組、1時間20分というヴォリュームはそれだけ時間をかけて制作され、息子アルバートのことを歌った曲もあるなど、没にできないだけの曲が溜まったということだったのかもしれない。ディスク1は“A Sea of Honey”、ディスク2は“A Sky of Honey”と題され、ひとつのコンセプト作になっている。内容はかつての彼女のアルバムとは微妙に趣きが異なったものだったが、家族とともに穏やかな日々の中で暮らしているらしい彼女の“今の時間軸”を示すように、どの曲も5分、それ以上の長さを伴ったものが多く、ゆったりした曲調が多いことも印象的だった。劇的に、そしてエキセントリックな部分はなくなったけれど、彼女らしい部分はしっかり継承されており、重厚に構築されたサウンドに乗って歌う表現力豊かな歌唱は以前よりうまさを感じさせる。アルバムは長いブランクをものともせず、全英3位を獲得し、先行シングルとして出た「King of the mountain」も英チャート4位のヒットとなり、健在ぶりを見せつけた。そう、アメリカや日本でのチャートはそれほどでもなかったが、ヨーロッパ圏では軒並みトップ10入りしており、いかに欧州での根強い人気を保っているかを示す結果になった。
 以降はかいつまんで紹介しておく。アルバム『Aerial』以降、また6年のブランクを置いてケイトはかつての自作『The Sensual World』('89)と『The Red Shoes』('93)をセルフカバーするかたちで、『Directors Cut』('11)をリリース。どういう意図があったのか分からないが、単なるリマスタリング作業などではなく、完全に再録となっているところがこの人らしい。これも堂々英チャート2位を獲得。また、同年には新作『50 Words For Snow(邦題:雪のための50の言葉)』('11)がリリースされている。
 というわけで、最後のアルバムが出てからでもそろそろ4年が経っている。きっと、自宅のスタジオで、時間と、以前ほどにはミュージックビジネスの制約に縛られることなく、新作へ向けての録音が続けられているのだろうと思う。現在56歳、この人のことだからまだまだ驚くような傑作をものにするに違いない。

著者:片山明

OKMusic編集部

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69コメント
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