ライ・クーダーらしさが際立つ
傑作セカンドアルバム『紫の峡谷』
音楽伝道者としての側面
結局はこの“お勉強”のおかげで、カントリーブルースやサザンソウル、カントリー、フォーク、ブルーグラス、ワールドミュージックまで、ありとあらゆる音楽を聴くことになって、ライの仕掛けた罠にまんまとはまっていることに気づくのだ。ライのアルバムで知ったスリーピー・ジョン・エスティスは、彼のアルバム『スリーピー・ジョン・エスティスの伝説』が日本でも73年にリリースされただけでなく、74年の第1回『ブルースフェスティバル』に来日(鉛筆のカポ、覚えてますか?)するなど、ライのおかげでカントリーブルースのファンになった者も少なくなかったはずである。