カーラ・ボノフの
ソロデビューアルバム
『カーラ・ボノフ』は
傾聴すべき名曲が満載
本作『カーラ・ボノフ』について
バックを務めるのは、ウエストコーストを代表するアーティストたち。ブリンドルのゴールド(Gu、Key、Vo)とエドワーズ(Ba、Gu、Vo)、ウォルドマン(Vo)はもちろん、セクションからリー・スクラー(Ba)とラス・カンケル(Dr)のふたり、ロンシュタットのバックでおなじみのワディ・ワクテル(Gu)とダン・ダグモア(Gu、St)、エミルー・ハリスのホットバンドからエモリー・ゴーディ(Ba)とジョン・ウェア(Dr)のコンビ、ほかにグレン・フライ、J.D・サウザー、リンダ・ロンシュタットがバッキングボーカルで参加している。
アルバム収録曲は全部で10曲。ロンシュタットに提供した「誰かわたしの側に(原題:Someone To Lay Down Beside Me)」「またひとりぼっち(原題:Loose Again)」「彼にお願い(原題:If He’s Ever Near)」や、ボニー・レイットがアルバム『愛に乾杯(原題:Sweet Forgiveness)』(‘77)でカバーした名曲「故郷(原題:Home)」などオリジナルは8曲、「風の中の顔(原題:Faces In The Wind)」はクレイグ・セイファン作、「高く舞い上がって(原題:Flying High)」はスティーブ・ファーガソン作である。収められたナンバーはどれも一生付き合っていけるほどの名曲揃い。どこか哀感のある楽曲と彼女の端正で内省的な歌声が融合して、リスナーは豊かな情感に満たされる。
本作以降の活動
残念なことに、ケニー・エドワーズは2010年8月に、アンドリュー・ゴールドは2011年の6月に亡くなっている。
TEXT:河崎直人