L→R 加藤芳樹(Dr)、藤井 樹(Vo&Gu)、高田健太郎(Gu)、郷間直人(Ba&Cho)

L→R 加藤芳樹(Dr)、藤井 樹(Vo&Gu)、高田健太郎(Gu)、郷間直人(Ba&Cho)

【Broken my toybox インタビュー】
自分が自分らしくあるために
世界を広げて飛び出していく

気持ちを共有できるツールとして
聴いてもらえたら嬉しい

今作は5年間の集大成が詰まっている傍ら、“退廃した街、そしてその街の中で生きる人々の物語”というイメージを持ってアルバムを構成しているそうですが、ひとりの人の人生を描いているように感じたので、この“街”というワードが印象的でした。

藤井
確かに一枚を通して人生を描いているようにも見えるんですけど、とある街で暮らしている人たちをひとつの風景のように描いていった感覚があったので、その言葉が出てきたんです。街ってコミュニティーとしては狭いものだから、ここで完結させず、自分が自分らしくあるために世界を広げて飛び出していくことが今作のテーマになっているというか。

確かに各曲から“ここから抜け出したい”という想いを強く感じます。特に前半の「ブラックアウト」「感情的な英雄」「バンシーの叫び」は嘆きや葛藤、怒りが歌われていますが、どれも“現状を変えたい”という意思があるからこその感情に思えました。サウンドもそれぞれのパートの主張が強くてパンチのある曲が続きますね。

藤井
歌だけでは伝わらないものがあるので、その感情にある衝動的な部分はそれぞれの楽器で表現して、楽曲としてもいいものにしたいという意識はあります。
郷間
「感情的な英雄」はベースが高い音に移動した時にすごくぶれてしまって、普通はミステイクになるけど、この曲に込められた葛藤する気持ちが表れている気がしたから“これが正解だ!”と思って進めました。曲に込められたものを想像しながらアレンジしていくので、音が感情を引き出している部分もあると思います。
加藤
今思うと「感情的な英雄」は僕と健太郎が適当にセッションで弾いていたものが土台になっているので、ちょっと不安定な感じが出ているかもしれないです。
高田
今まで“それは邪道だ”とか“ちょっとギターは弾きすぎじゃない?”と周りの人から意見をもらうこともあったんですけど、この前半の曲にはそう言われてきたことを変えずに全て詰め込んでいます。
藤井
僕と健太郎は特に“詰め込みすぎなのか?”とよく考えることが多い時期がありましたね。
高田
でも、今作はさっき藤井が言ったように“自分らしくあるために”というのを銘打っているから、やっている側が引いてしまったらダメなので、どの曲も一貫して自分であることに自信を持って弾きました。

「ロンリネスユアセルフ」からは曲調的には少しクールダウンしますが、ひたすら自問自答をしているような、自分自身に向き合っている曲が続いている気がします。

藤井
前半は外に感情を吐き出すような激しめの曲が続いて、ここからは内にこもっていく流れになっていますね。「ロンリネスユアセルフ」は鬱屈とした日々が続いていく虚しさや苦しさ、いつ抜け出せるのか確証が持てずに彷徨っている曲で。普通なら次の曲くらいから救いが見えるような展開になっていくと思うんですけど、次の「終夜運転」は「ロンリネスユアセルフ」の気持ちのまま年月だけが経ってしまっていて、さらに掘っていくという。後半のサウンドはポップながら、自分でも“なんて皮肉な流れなんだ!?”と思っていました(笑)。でも、人ってそう簡単に変われるものじゃないというか、思い詰めるところはとことん思い詰めようと思って、年末年始くらいの時期を想像しながら作りました。

気持ちがとことん落ちたあとだからこそ、「車窓」の最後のフレーズにある《まだ逝けないことをどうか許しておくれ》を聴いた時には、生きていく決意みたいなものを感じました。

藤井
そうですね。「ロンリネスユアセルフ」と「車窓」の間に収録されている「終夜運転」は、この2曲をつなげるために作ったところもあります。電車ってところもそうですが、感情もつながっているんです。

続く「もし生まれ変わったなら」は出だしの《生まれ変わったらなんて思わないで生きていたい》というフレーズに本音が表れていると感じたので印象的でした。ギターとヴォーカルのみなので音数は少なめで、“孤独”がテーマなんですよね?

藤井
はい。孤独をテーマにしながらも、途中で“他のどの曲も孤独だな…”と悩んで、原点に立ち返って他の人が歌わないような孤独とは何なのかを考えました。自分のことを大切に思ってくれる人がいても、拭いきれない孤独感を持っている人っていると思うんですよね。それを言語化するのは難しいけど、そういう繊細なところを歌っていく意味はあると思って、“愛されているのに何で孤独なんだろう?”という気持ちを“自分が歌わなきゃ”と使命感を持って書きました。孤独は今まで歌ってきたことでもあるからこそ、おざなりにできないテーマだと思います。

最後の「かつては少年少女」は“光”をテーマにしたロックバラードで、曲調も心なしか晴れやかに感じます。

藤井
この曲はアルバムを作る時に考えた“街”を想像して、広い視野で書けた曲だと思います。止まることのない時間や日々に打ち拉がれている人に“もっと自分を持っていい”と歌っている曲でもありますが、“人を故意に傷つけてしまう人だって、昔は同じ少年少女だったんだ”というメッセージも込めていたり。いろんな人がいるし、誰とでも分かり合えるではないけど、同じ世界で生きていく者として心に留めておきたいことを言葉にしています。
郷間
個人的には背中を押してくれる曲ですね。何かが変わったわけではないけど、もがいている様子を歌い続けた末に、もがき続けることを決意した曲なのかなって。
高田
「ロンリネスユアセルフ」からの流れもあって悩み切ったあとの曲なので、“自分が自分であるためにこれからどう生きていくか?”という次の問いかけが突きつけられる歌詞だなと。
加藤
僕は歌詞の内容は難しくて分かっていないことが多いんですけど、この曲を聴いた時は何となく現実的なことを歌っているんだなと思って、はっきりとは分からないまま納得した感じがありました。

改めて、今作はどんな一枚になったと思いますか?

加藤
今までの集大成みたいな名目でアルバムを作ったので、ここからは自分たちにとって新しい試みに挑戦していくと思います。今持っているものは全力で出したので、何年か経って聴き返した時に“そう言えば、こんなことしていたな”と初心に返れるくらいには、結成からの5年間のブロークンを詰め込んだ作品になりました。
藤井
どう生きていくかの道筋が見えない中、その気持ちを共有できるツールとして今作を聴いてもらえたら嬉しいです。でも、今作のテーマにあった“自分が自分であるために”を考えて今いる街を飛び出したとしても、必ずしも希望に辿り着けるわけではないと思うので、これからは自分の殻を破った先のことを表現していきたいです。

取材:千々和香苗

アルバム『Broken my toybox』2021年12月22日発売 ユニバーサルミュージック
    • 【初回限定盤】(CD+DVD)
    • POCE-92124
    • ¥3,850(税込)
    •  
    • 【通常盤】(CD)
    • POCE-12175
    • ¥2,800(税込)
Broken my toybox プロフィール

ブロークンマイトイボックス:2016年5月に結成し、都内のライヴハウスを拠点に活動。20年9月に『Gunosy × ARTIST BASE オーディション2020 ~RISE~』でグランプリを受賞し、21年1月には「Hello Halo -ReLight-」がMBSドラマ特区『夢中さ、きみに。』のオープニングテーマに抜擢。同年12月に1stアルバム『Broken my toybox』をリリースする。Broken my toybox オフィシャルHP

「かつては少年少女」MV

「感情的な英雄」

「もし生まれ変わったなら」MV

「バンシーの叫び」MV

「Hello Halo -ReLight-」

『Broken my toybox』
Trailer movie

OKMusic編集部

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