『SOOO BAAD REVUE』は
関西ブルースシーンの
凄腕ミュージシャンたちが残した
伝説のレアグルーブ

『SOOO BAAD REVUE』(’76)/SOOO BAAD REVUE

『SOOO BAAD REVUE』(’76)/SOOO BAAD REVUE

7月8日(月)が不世出のギタリスト、石田長生(享年62)の命日ということで、今週は石田が参加した伝説的バンド、SOOO BAAD REVUE唯一のスタジオ録音盤を紹介したい。関西独自の文化的背景から育まれてきたブルースシーンの成り立ちとともに振り返る。

関西圏の独自の音楽文化

関西弁の歌をはじめ、関西圏の音楽文化は完全に日本のシーンで一定のポジションを得ている。パッと思い浮かんだところで言うと、上田正樹の「悲しい色やね」(1982年)、やしきたかじんの「やっぱ好きやねん」(1986年)辺りがそうだし、「ええねん」(2003年)というまさしく関西弁タイトルのヒット曲を持つウルフルズ、さらには関西人ではないDREAMS COME TRUEが関西弁を取り入れたナンバー「大阪LOVER」(2007年)を発表してヒットさせている辺り、完全に関西文化が邦楽に浸透した証拠であろう。

上記楽曲は音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』で関西弁ソングの魅力を特集した時に紹介されていたのでそこから引用させてもらったが、そもそも同番組の出演者である関ジャニ∞が関西出身だし、ジャニーズ事務所で言えば、ジャニーズWESTもそうだし、忘れちゃいけないKinKi Kidsだってそうである。NMB48を語るまでもなく、アイドルシーンにおいても関西文化は一定の勢力を誇っている。バンド系では、前述のウルフルズを始め、堺市の堺東銀座通り商店街で路上ライヴをやっていたコブクロ、阪神・淡路大震災の直後、アコースティック形態で出前慰問ライヴを行なったソウルフラワーユニオンが代表格だろうか。最近ではヤバイTシャツ屋さんもそこに名を連ねるかもしれない。また、ともに地元でフェスを主催している10-FEETやくるりといった京都勢もそれぞれに独自のカラーを打ち出している。

関西圏以外の地方においても、その土地柄を音楽文化、芸能文化に反映させている例もないことはない。ライヴハウス照和から何組もの有名アーティストが生まれた…なんて話のある福岡がそうであろうし、これまた多くの有名アーティストを輩出している北海道もそうかもしれない。だが、関西には九州とも北海道とも違った独特の求心力があるような気はする。

まぁ、そこは九州や北海道に比べて関西圏の人口のほうが圧倒的に多いという如何ともし難い問題があるわけだが、人口のことで言えば、関西圏よりもさらに人が多い(倍以上もいる)関東圏に際立った文化的特色があるかと言えば、その問いには即答しづらいのがちょっと面白い感じだ。ご存知の通り、関東圏は首都圏とも言って、日本のひとつの地域というよりも日本の首都であるというポジションのほうが強い。よって、地方的な特色が目立たなく、その点で関西圏ほどの色付けがしづらいのであろう。

東京には江戸言葉または江戸弁と言われる立派な方言があり、落語などの文芸においては受け継がれている。かと言って、これが即ち関東圏の文化かと言えば、東京在住の普通の若者たちが所謂“べらんめえ口調”で話しているのを聞いたことがないし、関西弁のようにポピュラー音楽で江戸言葉が使われているケースを筆者は知らない。あるにはあるのかもしれないが、誰もが知るようなヒット曲で全編が江戸言葉というものはないだろう。

そんなふうに考えると、関西圏の文化に如何に求心力があって、各方面に影響力を与えているかを改めて感じるところではある(ちなみに、関東圏の音楽文化で言うと、“東京湾アクアライン”もしくは“海ほたる”連携とでも言うべき、横浜銀蝿から氣志團に連なるヤンキー音楽というのは関東独自のもののような気がするのであるが、今回のお題はSOOO BAAD REVUEなので、その辺は機会があればまたいつか…ということで)。

OKMusic編集部

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