『SOOO BAAD REVUE』は
関西ブルースシーンの
凄腕ミュージシャンたちが残した
伝説のレアグルーブ
関西ブルースシーンから登場
そんなふうに早くから流行歌と結び付いていた関西圏文化は1970年代に入ってブルースと融合していく。1971年にB. B. Kingが初来日を果たすなど、この頃はブルースが本格的に日本に紹介されたと言ったもいい時期であって、その人気は全国へ広まっていたようだが、大学の音楽サークル活動が盛んだった関西においては(京都が最も盛んだったとか)、ブルースのレコードを聴くだけでなく、自らプレイする若者たちが多くなっていったという。その中で頭角を現していったのが、1970年結成の憂歌団や、1972年結成のウエスト・ロード・ブルース・バンド、あるいは1973年結成の上田正樹とサウス・トゥ・サウス(上田正樹のソロデビューは1972年)らであるが(憂歌団、ウエスト・ロード・ブルース・バンドの名盤も以前、当コラムで紹介しているので、ぜひバックナンバーをご覧ください)、今回、名盤を紹介するSOOO BAAD REVUEもそのひとつと言っていい伝説のバンドである。
https://okmusic.jp/news/65161
■『BLUES POWER』/ウエストロード・ブルースバンド
https://okmusic.jp/news/35781
『LIVE!』に収録されているテイクは、1976年9月の東京・武蔵野映画館と、同年10月の名古屋・東別院青少年会館で収録された音源である一方、こんな話もある。1976年8月7~8日に行なわれた、その当時、関西で圧倒的に支持されていたアマチュアバンドのコンテスト『8.8Rockday』にSOOO BAAD REVUEがゲスト出演する予定だったらしいのだが、解散のため出演をキャンセルするむねが当日、入場口の貼り紙で発表されたというのだ(その知らせを見て相当がっかりしたと述懐していることを書いた、どなたかのブログをお見かけした)。その辺から察すると、メンバー、関係者の間ではアルバム『SOOO BAAD REVUE』リリース前に解散が決まり、デビューアルバムが出る前にバンドがなくなるわけにもいかないので、ライヴ収録することで何とか最低限に事を収めたといった感じではなかったのだろうか。
いずれにしてもその活動期間は1年足らずということになる。一説にはメンバーが揃ってバンド名を“SOOO BAAD REVUE”として活動を本格化したのは1975年12月らしいので、仮にアルバム発表前に解散が決まっていたとすると、実質的にはほぼ8カ月程度しか活動していなかった可能性すらある。こうなると、伝説というより幻のバンドと言った方がしっくりくる。