UVERworldの
デビューアルバム『Timeless』は、
あらゆる要素が高い熱量のままに
融合された傑作だ

『Timeless』('06)/UVERworld

『Timeless』('06)/UVERworld

今週の邦楽名盤は12月22日に通算11枚目のニューアルバム『30』をリリースしたばかりのUVERworldのデビュー作『Timeless』を取り上げる。彼らの音楽性の素晴らしさに関しては、新作『30』も含めて以下に記したが、精力的な活動内容も決して無視できない…というか、そこもまた強調しなければならないところだろう。今現在、10月末から始まった全国ツアー『UVERworld POWER OF GIG 2021』の真っ只中で、あとは12月30日&31日のマリンメッセ福岡公演を残すのみとなったが、このツアーもまた昼夜2回公演だ! 昨秋からずっと彼らのライブは昼夜2回公演なのだ。すごいのひと言である。UVERworldは日本最強バンドかもしれない。

最新先『30』も素晴らしい出来栄え

このUVERworldの名盤コラムを書くにあたって、いつもと同じように、バンドについて書かれているページや、彼らの音源について解説されたページなどを参考にしようとググってみた。すると、発売されたばかりの新作『30』に関するページが比較的上位に上がってきた。発売直後なのでそれはそうだろうと思われるかもしれないが、いつも他のアーティストの場合は案外そうでもない。もちろん新作にまつわるページもそれなりに上位にあがってくるが、過去作に関することが上にくることも少なくない。おそらく熱心なファンが作品解説をしているサイトなどが結構閲覧されているからだろう。もっとも、こちらが探しているのはその週に取り上げる音源のことだったり、そのアーティスト自体の情報だったりするので、自分のブラウザが自分の傾向を分析して表示しているのかもしれないし、単に自分が新作に関することにしか目が行ってないだけなのかもしれない。

ただ、それにしても、今週のUVERworldに関しては、ニューアルバム『30』関連のページが表示される割合は高かったように思う。そうなると、簡単には見過ごせないもので、まずは『30』についてのページ、メンバーが『30』について語ったインタビュー記事などを見てみようということになる。そのいくつかを覗いてみると、この新作『30』はすこぶる評判がいい。メンバーの手応えも相当いいようだ(はっきりとそう言っているようなものは見つけられなかったけれども、ニュアンスは間違いなくそうだった)。そうなると、その新作を聴いてみたくなるのは、ライター稼業云々以前に、人の常だろう。で、早速、拝聴。こういう時はサブスクは便利である。…確かにこれは傑作だ。冒頭2曲からズシリと来た。ロックバンドとしてやるべきことに躊躇してないことが何よりも素晴らしい。堂々たるアルバムである。今これをやれるUVERworldの真っ直ぐさに、正直言って強く心を打たれた。当コラムは新作レビューではないので、『30』についてはこれ以上詳しく述べないが、筆者がズシリと来た冒頭2曲の歌詞を以下に載せておきたい。この短いフレーズだけで、UVERworldの性根、その太さが分かろうというものではなかろうか。

《俺達にとって音楽はビジネスなんかじゃねぇ!/これが人生の全て!》《見つけろ!/お前にとっての「全て」》(アルバム『30』収録「EN」)。

《もう売れなくても良い/自分自身の在り方を誇れるように/やり方なんてさ 売れるだけで良いならいくらでもあるからこそ/やってきたことの歴史と同じくらい 何をやらなかったかを大切にしたい》(アルバム『30』収録「One stroke for freedom」)。

OKMusic編集部

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