『朝顔』はレミオロメンの類稀なる
センスが詰まった破格のデビュー作

『朝顔』(’03)/レミオロメン

『朝顔』(’03)/レミオロメン

卒業シーズンである。今や卒業式でJ-ROCK、J-POPが合唱されることも不思議でなくなっているようだが、さまざまな“卒業ソング”がある中で、2007年から2011年の間、10~20代の圧倒的な支持を受けて『定番の卒業ソング』ランキング1位を5年連像で達成したレミオロメンの「3月9日」は今も歌い継がれているのだろうか。4月3日に藤巻亮太がレミオロメンのナンバーをセルフカバーしたアルバム『RYOTA FUJIMAKI Acoustic Recordings 2000-2010』がリリースされることもあって、今週はレミオロメンの名盤を取り上げてみたいと思う。

2000年代に現れた桁違いの新人

桁違いとしか形容できない駿馬というのはどこの世界にもいるもので、球界ではルーキーイヤーの清原和博や松坂大輔がそうであっただろうし、“怪物”と呼ばれた高校時代の江川卓もそうだろう。野球以外のスポーツ界で言えば、女子レスリングの吉田沙保里、伊調馨、体操の内村航平、フィギュアスケートの羽生結弦辺りの名前が挙がるだろうか。競走馬ならオグリキャップ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル辺り。スポーツ以外で言えば、棋士の藤井聡太七段がおそらくそうなのだろう。漫画で言えば『ONE PIECE』は文字通り、売り上げも桁違いなら、他の追随を許さないハイクオリティーを20年間以上に渡って続けている、化物のような作品であることはみなさんよくご存知のことと思う。

邦楽シーンにおいても他に比類なき才能を発揮した、桁違いのアーティストはもちろんいて、サザンオールスターズやユーミンはその筆頭だろうし、B'zやMr.Childrenも名実ともにその域だと言える。ここ20年間で言っても、宇多田ヒカルを始めとする女性アーティストの台頭にはその類稀なる能力を見せつけられた格好だった。個人的に忘れ得ない存在は、2003年にメジャーデビューを果たしたレミオロメンだ。個人的に…とは言ったが、彼らが出現した時、“これはモノが違う!”と思った人はかなり多かったに違いない。

生臭い話で恐縮だが、彼らのマネジメントが烏龍舎からレーベルがSPEEDSTAR RECORDSに決まったと聞いた時、“このバンドは向こう30年間は余裕で数字が見込めるなぁ”というようなことを思ったような気がする。将来の四番候補というか、クラシックレースの大本命というか、具体名を挙げるのも恐縮だが、サザン、ミスチルの後継はレミオロメンで決まりと思った音楽業界人は普通に多かったと思う。もしも2003年にブックメーカーで“今年デビューした日本のアーティストで最初にミリオンヒットを出すのは?”というブッキングがあったら、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ORANGE RANGE、スキマスイッチ、大塚愛といったそうそうたるメンバーの中、レミオロメンのオッズはかなり低かった──つまり、本命視されていてもおかしくなかった思われる(実際にはORANGE RANGEが最初にミリオンを記録。あと、日本では日本国内の法律で定められた以外のギャンブルは禁止されています。念のため)。

OKMusic編集部

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