TUBEのオリジナル作で最高売上の『Bravo!』で“やっぱりこの人たちはすげぇ!”と素直に脱帽

TUBEのオリジナル作で最高売上の『Bravo!』で“やっぱりこの人たちはすげぇ!”と素直に脱帽

TUBEのオリジナル作で
最高売上の『Bravo!』で
“やっぱりこの人たちはすげぇ!”
と素直に脱帽

『Bravo!』('97)/TUBE

『Bravo!』('97)/TUBE

いきなり私事で恐縮だが、筆者はこれまで自発的にTUBEを聴いたことがない完全なる“TUBE弱者”なのだけれども、7月8日にTUBEの新作『日本の夏からこんにちは』がリリースされるとあって、彼らの過去作品を紹介しようと企てた。弱者の定番行動として最初にTUBEのディスコグラフィーを調べてみたのだが、何と彼らはデビューした1985年から2012年までアルバムのリリースを欠かしていない。実に多作なバンドなのである。弱者らしく、まずその辺りからTUBEのことを探ってみることにしたのだが──。

歴代でもトップクラスの多作ぶり

TUBEがこれまで発表したオリジナルアルバムは、最新作『日本の夏からこんにちは』を含めて、実に34作品。これは同時期にデビューしたアーティストの中では群を抜いて多い数字である。同じ1985年デビューの米米CLUBが16作品なので、TUBEはその倍以上である。米米は一度解散しているのでそれも止むなしとして、渡辺美里の20作品に比べても大分多い。聖飢魔IIの大教典は第三十三まで発表されているが、これには極悪集大成盤や歴代小教典大全、実況録音盤が含まれているので実質は17作品と、ちょうどTUBEの半分である。ちなみにTUBEはミニアルバム3作品、ベストアルバム3作品、バラードベスト2作品、オールタイムベスト1作品が出ているので、聖飢魔II的にカウントすると、43作品を世に出していることになる。さらにちなみに言うと、このTUBEのオリジナルアルバム34作品というのは、谷村新司の31作品より多く、矢沢永吉と同数。松任谷由実が38作品、さだまさしが42作品、中島みゆきが43作品と大御所たちが鎮座ましますし、途中で名義が変わっているものの、T-SQUAREの今年6月にリリースした新作が通算47作品だったというから、上には上がいるけれども、現在もメジャーで活躍しているバンドやグループの中で、TUBEはズバ抜けてオリジナルアルバムの制作数が多いアーティストと言っていいだろう。

そんなわけだから、当コラムとしてはどの作品をチョイスしていいか激しく迷う。“TUBE弱者”の筆者としては、TUBEと言えば夏、夏と言えばTUBEなのだろうから、まず“夏”を冠した作品が代表作に相応しいだろうと考えた。ところが…である。『N・A・T・S・U』(1990年)、『浪漫の夏』(1993年)、『終わらない夏に』(1994年)、『ゆずれない夏』(1995年)、『夏景色』(2003年)と、最新作『日本の夏からこんにちは』(2020年)を置いておいたとしても、5作品もある。“SUMMER”にしても、『HEART OF SUMMER』(1985年)、『SUMMER DREAM』(1987年)、『SUMMER CITY』(1989年)、『Only Good Summer』(1996年)、『SUMMER ADDICTION』(2011年)と、これも5作品。さすがにタイトルだけでは、どれが代表作か判別が付かない。それならば…と当コラムの通例としてメジャーデビュー作をチョイスする方法もあるが、TUBEは俗に言うインディーズ時代の音源がない(あるのかもしれないけど、それにしても入手超困難だろう)。メジャーデビュー作が1stである。となれば、チャートで初のベスト10入り作品とか、それこそ初1位奪取作とかに白羽の矢を立ててみよう。前者が『THE SEASON IN THE SUN』(1986年)で、後者が『納涼』(1992年)である。“TUBE弱者”としてはどちらでもいいのかなと思ったが、何とも選別が難しかったので、“それでは…”とセールス的にはどちらが良かったのかを調べてみた。

オリコン調べによると、『納涼』はTUBEのアルバムでは第20位で相対的に見れば案外低め(これ、結構ややこしいことになっていて、1992年版が第20位で、2003年の再発版が第11位。合算すれば上位にランクされるのかもしれない)。『THE SEASON IN THE SUN』はオリコン調べの対象が1988年以降にリリースされたCDとなっているので、この調査ではランキングが不明だ。さて、困ったと。そのランキング上位を見ていると、アルバム売上のトップ3は全てベスト盤が占めているのだが、それ以下にオリジナルアルバムが顔を出している。4位『Bravo!』(1997年)。5位『終わらない夏に』。6位『浪漫の夏』。7位がまたベスト盤で、8位『Only Good Summer』。9位『ゆずれない夏』。そして、10位『HEAT WAVER』という結果である。“やはり、“夏”や“SUMMER”がタイトルに着いた作品が上位なんだなぁ”と感心しつつも、そうではない、『Bravo!』なるアルバムがオリジナルでは(少なくともオリコン調べでは)最上位ということに興味を惹かれた。

『Bravo!』が発表された1997年はCD生産枚数が国内過去最高だった年でもあるから、それも少なからず関係しているのであろう。また、『Bravo!』は発表された当時、全11曲に全てタイアップ付きであったというから、それもまたセールスに影響したと思われる。売れた作品が即ち良作でないことは、“売れているものが良いものなら世界一うまいラーメンはカップラーメンだ”という甲本ヒロトの名言を出すまでもなく、自明の理ではあろうが、日本でCDが最も売れた時期=フィジカル・メディアに最大の需要があった時期に、そこに収録された楽曲が全てCM曲やテレビ番組のテーマに使われたというのは、まさしくそこにTUBEの音楽(“大衆”音楽)の役割、そのエッセンスが詰まっているとは考えられる。筆者は“TUBE弱者”なので、正直言ってこの選択は正しいかどうかは分からないけれど、このバンドのある側面は導き出すことはできるだろうと、TUBEの名盤は『Bravo!』であるという賭けに出て見た。以下、その考察である。

OKMusic編集部

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