2020年は初の無観客!紅白の舞台で節目を迎えたアーティスト達!

2020年は初の無観客!紅白の舞台で節目を迎えたアーティスト達!

2020年は初の無観客!
紅白の舞台で節目を迎えた
アーティスト達!

「2020年はどんな年だった?」と聞かれたら、誰もがコロナ一色の記憶と言っても過言ではないほどで、それまでの当たり前が当たり前ではなくなり、代わりにいくつもの新しい手法や商品が生まれた、そんな一年でした。音楽に関してもそれは言えることで、今年を象徴すべくなんと紅白歌合戦が1951年の第1回放送以来初の無観客での開催に! そして、この日節目を迎えるグループも…。一年の最後の日ということもあって、これまでにも紅白のステージが大事なターニングポイントとなったアーティストが存在しています。今回は、そんな今でも心に残る場面をご紹介!
「I Love you, SAYONARA」収録アルバム『THE CHECKERS 30TH ANNIVERSARY BEST~7×30 SINGLES~』/チェッカーズ
「CAN YOU CELEBRATE?」収録アルバム『Finally』/安室奈美恵
「Forever Love」収録アルバム『X Singles』/X JAPAN
「それ行けベイビー!!」収録アルバム『MUSICMAN』/桑田佳祐
「Happiness」収録アルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』/嵐

「I Love you, SAYONARA」(’87)
/チェッカーズ

「I Love you, SAYONARA」収録アルバム『THE CHECKERS 30TH ANNIVERSARY BEST~7×30 SINGLES~』/チェッカーズ

「I Love you, SAYONARA」収録アルバム『THE CHECKERS 30TH ANNIVERSARY BEST~7×30 SINGLES~』/チェッカーズ

【1992年/第43回】“彗星のごとく”なんて表現があるけれど、現代のように表現手段やツールが多彩でないあの時代、どれだけチェッカーズの登場が衝撃的で世の中に色を付けてくれたか、便利になった今の時代を生きる人たちには味わうことのできない煌きだったんじゃないか、そんなふうにさえ思える稀少な存在。そんな彼らが解散を発表し、ラストツアーを経て迎えた紅白のステージは、当初大トリで番組側も調整を進めていたものの、それまでグループがトリを取った前例がないからという、はっ!?と言いたくなるような理由で中盤での登場に。そこで「フェアウェル・メドレー」と題して歌われた「ギザギザハートの子守唄~涙のリクエスト~星屑のステージ~I Love you, SAYONARA~Present for You」では、ワンマンライヴかと思ってしまうほど会場からは大きな歌声が…! 《もう俺のために笑うなよBaby》《I Love youだけどSAYONARA》という歌詞が、一緒に歌っているファンの想いとリンクしてやけに悲しくなったけど、歌い終えた後の晴れやかなフミヤの表情を観ていたら、決して涙をしきつめただけのステージではなかったんだと、“だけどサヨナラ”できっと良かったんだと、思いたくなったものでした。

「CAN YOU CELEBRATE?」(’97)
/安室奈美恵

「CAN YOU CELEBRATE?」収録アルバム『Finally』/安室奈美恵

「CAN YOU CELEBRATE?」収録アルバム『Finally』/安室奈美恵

【1997年/第48回】安室奈美恵の紅白と言えば、引退前ラストとなる第68回の2017年、「Hero」が記憶にも新しく、すぐに思い浮かぶ人も多いのでしょうか。実際、特別枠であったり生中継での出演ということなどでも話題になり、すごくプレミアムで美しい勇姿を魅せてもらったなと印象にも残っているのだけど、個人的には産休前最後となった「CAN YOU CELEBRATE?」のイメージが強いかな。当時まだ弱冠20歳の女の子が、《永遠ていう言葉なんて 知らなかったよね》と少しふっくらした顔で涙ながらに歌う姿は何とも眩く、紅組トリということもあってとても温かな気持ちで一年を締め括れた、という人も多かったんじゃないでしょうか。1997年2月の発売からもうすぐ24年が経とうとしているが、国内の女性ソロアーティストセールス1位の記録はいまだ破られていない。引退しようが彼女の残した歌は、今でもあの時の涙のように私たちを幸せな気持ちにさせ続けてくれている、そんな証のような気がするのです。

「Forever Love」(’96)/X JAPAN

「Forever Love」収録アルバム『X Singles』/X JAPAN

「Forever Love」収録アルバム『X Singles』/X JAPAN

【1997年/第48回】人って、生きてさえいれば本当の終わりなんてないんだ。数カ月後にそのことに気付かされた1997年の12月31日。前途の安室奈美恵と同じ放送回にて、当時はまだ今とは違って色物的な目で見られていたことも多かったあの頃、紅白の流れとしてはわりとサラッと進行していたように記憶しているけれど…当日解散ライヴを終えた後だよ? 燃え尽きた心奮い立たせて、もう一度衣装着替えてメイクして、枯れた声に包帯巻いた両手で…どんな想いであのステージに立っていたんだろう、そう思うだけでたまらなくなる。そして、そのステージが結果として本当のラストステージになってしまったことがなおさら。わずか5カ月後、築地本願寺で行われたHIDEの告別式にて、YOSHIKIのピアノ伴奏で紅白以来顔を合わせていなかったTOSHIが歌ったのが同じ「Forever Love」でした。この曲自身が《教えて 生きる意味を》という詞の答えであり、輝く季節は、ある意味あの夜、永遠に変わったのかもれない。2007年、X JAPAN再結成。まだまだ終わりなんてない。

「それ行けベイビー!!」(’11)
/桑田佳祐

「それ行けベイビー!!」収録アルバム『MUSICMAN』/桑田佳祐

「それ行けベイビー!!」収録アルバム『MUSICMAN』/桑田佳祐

【2010年/第61回】2008年、サザンオールスターズが無期限活動休止を発表後に日産スタジアムで行なわれたライヴ『真夏の大感謝祭』のWOWOW生放送で、ビニール合羽でタオルを巻いて、雨に降られながら泣いて歌って生き生きと楽しんでいるたくさんの観客の顔に、改めてすごいなぁ…とその存在を思い知らされたそのわずか2年後、桑田佳祐の食道ガンの発覚と治療専念のための音楽活動休止のニュースは、まるで親戚か幼馴染のことのように不安になったのを覚えています。病気からの復活を機に、その年の紅白・特別枠で出場が発表されたのは放送3日前のこと。袴姿でバニーガールを従え披露したのが、発売延期となっていたアルバム『MUSICMAN』収録の「それ行けベイビー!!」と、退院直後に発売されたシングル「本当は怖い愛とロマンス」。《終わりなき旅の道中は予期せぬことばかり》《命をありがとネ》といった歌詞から病気を予知していた説も出たが、発覚前に収録していて本人もびっくりだったのだとか。桑田(サザン)×紅白という、何か起こしてくれるんじゃないか!?というワクワクを、これからも私たちに味あわせてほしいと切に願うばかりです。

「Happiness」(’07)/嵐

「Happiness」収録アルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』/嵐

「Happiness」収録アルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』/嵐

【2020年/第71回】2年もあるから…昨年1月に活動休止が発表になったときそう思っていたけれど、テレビを付ければがいる、そんな当たり前すぎる時間はウソみたいにあっという間に過ぎて、何ならコロナで予定していたスケジュールがとびまくり、NHKスペシャルナビゲーターに就任していた『2020東京オリンピック・パラリンピック』が延期になった時は、ファンでなくてももしかしたら休止自体延期になるんじゃないかと淡い期待を抱いたもので、それだけに、ファンやそれ以上に嵐メンバーたちの悔しさや不完全燃焼さは計り知れないわけで。そんな想いが決断させた最後の時間の使い方は、紅白ではなく生配信ライヴ『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』。20:00からスタートのため、紅白との時間調整をどうするのかは不明だけど、最後の瞬間は大切な人たちと同じ時間を過ごしたい、そんな彼らの気持ちが滲んでいるよう。とはいえ、2009年から12回に渡り出演してきた紅白も、大事な華となるステージ。これまで毎回メドレーを披露しているため今回も同様であると過程するなら、個人的には「A・RA・SHI~Love so sweet~One Love~Happiness」がベストかなと。やっぱり嵐は元気に明るく、誰もが笑顔になれる曲で終わってくれるんじゃないか、そんな気がしています。思い出の後先を考えたら寂しすぎるけど、信じる気持ちずっと止めないでい続けたら、騒がしい未来がきっと向こうで待っていてくれるはず。そうでしょ? だから、また必ず5人そろって会える日まで、ありがとう嵐!
TEXT:K子。

K子。 プロフィール:神奈川・湘南育ち。DIE IN CRIESで“音楽=音を楽しむ”ことを知り、好きな音楽の仕事がしたい!とOLをやめてオリコン株式会社に9年所属。どっぷりの反動で旅行業界に転職後、副業で旅・エンタメ関連のWEBで執筆するも、音楽への愛が止められず出戻り人に。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。

OKMusic編集部

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