巣ごもりのお供に。年末年始にまつわる洋楽ソング5選

巣ごもりのお供に。年末年始にまつわる洋楽ソング5選

巣ごもりのお供に。
年末年始にまつわる洋楽ソング5選

2020年を振り返る時、否が応でも先立つトピックは新型コロナウイルス。新年を迎えようという今もその猛威は止むことなく人の暮らしに影響を及ぼし続け、ここ日本でも旅行やイベント自粛などが再び促される事態となり、予定を返上して巣ごもりの年末年始を余儀なく過ごすことになった人も多いはず。そこで今回は“年末年始”にまつわる洋楽5作品をピックアップしてみました。タイトルだけでなく、歌詞にも注目してみてください。
「New Year’s Day」収録アルバム『WAR』/U2
「New Year’s Day」収録アルバム『This House Is Not For Sale』/Bon Jovi
「The New Year」収録アルバム『Transatlanticism』/Death Cab for Cutie
「Funky New Year」収録アルバム『Please Come Home For Christmas』/Eagles
「New Year’s Eve」収録アルバム『Bad As Me』/Tom Waits

「New Year’s Day」(’83)/U2

「New Year’s Day」収録アルバム『WAR』/U2

「New Year’s Day」収録アルバム『WAR』/U2

ニュー・イヤー・ソングと聞いて真っ先に頭に浮かぶのはU2の「ニュー・イヤーズ・デイ」です。約40年前にリリースしたロック史に残る名盤『WAR』に収められた作品で、好きになったアーティストを掘り下げていくうちに辿り着いた一曲でした。久しぶりにアルバムを引っ張り出して聴きましたが、若さによるバンドのエネルギーがあふれてまくっていますね。ただ聴いているだけでパワーをもらえるような気持ちになるこの曲の生まれた背景にはポーランドにおける民主化運動を大きく担った独立自主管理労働組合「連帯」があり、戦場が歌われています。偶然にも作品完成後にポーランドの厳戒令が解かれたなどの逸話もあるので触れてみてはいかがでしょうか。

「New Year’s Day」(’16)
/Bon Jovi

「New Year’s Day」収録アルバム『This House Is Not For Sale』/Bon Jovi

「New Year’s Day」収録アルバム『This House Is Not For Sale』/Bon Jovi

彼らの王道とされる“ボン・ジョヴィっぽい”作品群があるとするならば、この作品はそこには属さない近代のボン・ジョヴィ作品の中のひとつが「ニュー・イヤーズ・デイ」。13年にリッチー・サンボラがバンドを去り、それまでサポート・メンバーだったヒュー・マクドナルドとフィル・Xが正式加入して以降、初となるアルバム『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』に収録され、それまでのボン・ジョヴィにはなかった新たな息吹が感じられる作風は今年コロナ禍でリリースされたアルバムへとつながっています。もともと広い領域をさらに広げて本格始動したボン・ジョヴィ。この歌詞にある通り、希望を持って新たな年を迎えましょう。

「The New Year」(’03)
/Death Cab for Cutie

「The New Year」収録アルバム『Transatlanticism』/Death Cab for Cutie

「The New Year」収録アルバム『Transatlanticism』/Death Cab for Cutie

今回ピックアップした作品の中でもとりわけ好きな新年を歌う歌はデスキャブの「ザ・ニュー・イヤー」。のっけから壮大なロックサウンドが鳴り響き、“新年あけました”感が満載であるのに対し、歌っている内容は途轍もなく内向的。このギャップが堪らないのです。“新しい年が始まろうが昨日と何も変わりはしない”という歌い出しや歌詞に“distance”という言葉が連発しますが、この作品は遠距離恋愛を歌ったものとされています。周囲がどう浮かれようとも、年が変わろうとも、自分の身に起きている問題には何の変化ももたらさないという普遍に深く共感できるものの、決して後ろ向きな気分になることもなく不思議と何度も聴きたくなる作品です。

「Funky New Year」(’78)/Eagles

「Funky New Year」収録アルバム『Please Come Home For Christmas』/Eagles

「Funky New Year」収録アルバム『Please Come Home For Christmas』/Eagles

「ファンキー・ニュー・イヤー」はイーグルスからファンへのクリスマスプレゼントとしてリリースされた「プリーズ・カム・ホーム・フォー・クリスマス」のシングルに収録された作品です。彼らの人気を不動にした名盤『ホテル・カリフォルニア』と次アルバムの『ロング・ラン』の狭間において、息抜き的に作られた作品という嘘か誠か分からない話もありますが、チャールズ・ブラウンをカバーしたタイトル曲は言わずもがなクリスマスのスタンダードナンバーとなり、そのカップリングであるこの作品もまたイーグルスの持つ違ったテイストを堪能できるナンバーであることは周知の事実。クリスマスは終わってしまいましたけど、クラッシックな名曲に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

「New Year’s Eve」(’11)
/Tom Waits

「New Year’s Eve」収録アルバム『Bad As Me』/Tom Waits

「New Year’s Eve」収録アルバム『Bad As Me』/Tom Waits

ロックの殿堂入りした11年にリリースし、全米初登場6位にランクイン及び自己最高位を記録したアルバム『バッド・アズ・ミー』。その作品の最後から2曲目に収録された「ニュー・イヤーズ・イヴ」は、その名の通り、大晦日を歌った作品です。大らかさと、人の温もりを感じさせる唯一無二の渋い声でとうとうと歌い上げられた作品は、例え素朴な描写でさえもドラマチックな世界となって大きく広がりひと際輝くものとなります。シンガーである以上、声は最大の魅力。この天賦の才能に太刀打ちできる人はいません。トム・ウェイツという孤高の詩人の歌声にまだ一度も触れたことのない人にはこの機会に体験されることをオススメします。

TEXT/早乙女‘dorami’ゆうこ

早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、アニメや人形劇の英語監修及び翻訳、音楽情報ウェブサイト等で執筆するなどの業務を担うパラレルワーカー。

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