夏にピッタリのレゲエ要素が入ったロ
ックバンド必聴5曲!

梅雨が明け、台風が過ぎ去り、ようやく本格的な夏到来!というシーズンがやって来た。ジリジリと肌を焦がす太陽、白い砂浜に青い空が広がるビーチなど…普段のデスクワーク(自分ですが)から離れ、妄想だけは逞しくなり、現実逃避したくなるものです。でも、都会に住んでいる方はフラッと海に行けない。いやいや、そもそも近くに海がない。そんなあなたには音楽で涼しくなってもらうしかありません! 今回はど直球のレゲエ音楽というより、レゲエの要素をうまく取り込んだ熱いロックバンドを紹介しましょう。

1.「GUNSHOTS」(’14)/SiM

今月の7月11、12日の2日間に渡り、地元の川崎でバンド主催による初の野外フェス『DEAD POP FESTiVAL』を大成功に収めた彼ら。氣志團、クリープハイプなど錚々たるメンツが顔を揃え、炎天下の中で凄まじい盛り上がりを記録した。そのSiMはもう10年選手で、自ら“レゲエパンクバンド”と掲げたサウンドが特徴的。多彩なジャンルを融合させ、歌詞ではレベルミュージック的側面を打ち出している。この曲はライヴにおいてはSHOW-HATE(Gu)が鍵盤を弾くシーンが見られ、MAH(Vo)のレゲエ調のメロディアスな歌い回し、加えてスカのリズムも取り入れたダンサブルな曲調に仕上がっている。フロアで踊り出す人たちを多く見かける心地良い一曲だ。

2.「BIG UP」(’15)/WANIMA

曲名がすでにジャマイカ英語に由来するスラングで、レゲエミュージャンも歌詞の中でよく使う用語ですが、「よろしく!」「ありがと!」と相手に感謝したり、誉め称えたりする時に使うフレーズです。WANIMAは熊本発の3人組で、今年レーベル「PIZZA OF DEATH」から1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』をリリースしたばかりのピカピカの新人バンド。とはいえ、いきなり好セールスを記録し、ライヴは最初から最後まで観客の大合唱が続き、若手の中でも様々なフェスに引っ張りだこ状態の超人気者。全編日本語で歌い、レゲエ、スカ、パンク、ポップスを消化した楽曲は、例えるなら“ちょっとエッチなモンパチ”と言いたくなる人懐っこさ。聴けば一発でハマります!

3.「RIVER」(’02)/10-FEET

インディーズ時代の初期曲で、今なおライヴでは絶対に欠かすことができない名曲中の名曲だ。彼らは地元で開催している野外フェス『京都大作戦』のオーガナイザーでもあり、ライヴハウスでもこのTシャツを着ている人を多く見かけるほど人気フェスへと成長している。10-FEETは結成時はメロディック・パンクからスタートしたが、活動とともにミクスチャー要素が強まり、特に七色の歌声を操ると言われるTAKUMA(Vo&Gu)のヴォーカルは、このバンドの大きな武器になっている。この曲はイントロのギターフレーズが切なさを煽り、ストレートな日本語詞も多くの人に愛されている。特にサビにおけるラガマフィン調の歌声はインパクト絶大だ。

4.「Head 2 Head」(’01)/INSOLEN
CE

そして、10-FEET好きなら知ってる人もいるかもしれない、カリフォルニア発のミクスチャーバンドをここで紹介したい。過去にTAKUMA(Vo&Gu)と「Beats Not Bombs」という楽曲で共演したこともあり、歌詞も“爆弾作るぐらいなら音楽を作れよ”という熱いメッセージを込めた曲調だった。音楽的にはパンク、メタル、ヒップホップ、レゲエと柔軟にさまざまなジャンルを取り込み、90年代中盤以降にデビューし、00年前後に爆発的なブレイクを迎えたLIMP BIZKITの延長線上に位置する通称“ラップメタル”と呼ばれるジャンルにもっとも近い。だが、いきなりレゲエ要素をぶっ込む曲展開を含め、ひと筋縄ではいかないかっこ良さがある。

5.「London Calling」(’79)/THE
CLASH

言わずと知れた名盤3rdアルバム『LONDON CALLING』のオープニングナンバーだ。パンク好き…いや、音楽を普段あまり聴かない人でも一度は耳にしたことがある楽曲ではないだろうか。直情的なパンクロックから一転、本作からレゲエ、ダブ、スカ、カリプソ、R&B、ロカビリーなどジャンルの幅を広げ、商業的にも成功を収めた。THE CLASHのオリジナリティーが開花した作品と言えるだろう。その影響力はRANCID、GREEN DAY、日本ではHi-STANDARDと後続のアーティストたちに多大な刺激や着想をもたらした。特にこの曲は豊かな音楽性とキャッチーなサウンドがうまく溶け合っている。彼らの曲に触れて、レゲエを聴くようになったリスナーも多いに違いない。

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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