サマソニで印象に残った洋楽アクト5組

サマソニで印象に残った洋楽アクト5組
3年振りに開催となった都市型フェス『SUMMER SONIC 2022』。東京会場は、ZOZOマリンスタジアムと幕張メッセにて、8月20日、21日に渡って行なわれ、国内外のアーティストが顔を揃えた。今年のフジロックに続き、コロナ禍以降、久しぶりに洋楽勢のライヴ・パフォーマンスを体感できることもあり、多くの観客が詰めかけていた。ここでは、初日の8月20日に観た洋楽勢で印象に残ったアーティストをピックアップしたい。筆者の個人的な音楽的嗜好が加味されているので、その辺はご了承したいだければと。
「Let The Bad Times Roll」収録アルバム『Let The Bad Times Roll』/The Offspring
「Growing Up」収録アルバム『Growing Up』/THE LINDA LINDAS
「Lost In Stereo」収録アルバム『Nothing Personal』/ALL TIME LOW
シングル「Coffee」/Beabadoobee
シングル「MAMMAMIA」/MANESKIN

「Let The Bad Times Roll」('21)
/The Offspring

「Let The Bad Times Roll」収録アルバム『Let The Bad Times Roll』/The Offspring

「Let The Bad Times Roll」収録アルバム『Let The Bad Times Roll』/The Offspring

19年1月以来、3年半以上振りに来日となったオフスプリング。「MOUNTAIN STAGE」(幕張メッセ)に19時に登場した彼らは「All I Want」で始まり、「The Kids Aren't Alright」で終わる文句ナシのセットリストで観客を狂喜乱舞させた。また、他の国ではやらない「One Fine Day」を盛り込んだりと、日本仕様の楽曲チョイスに興奮した人も多かっただろう。昨年出た10thアルバム『Let The Bad Times Roll』から唯一表題曲のみプレイされ、こちらも過去のヒット・ナンバーとうまく馴染んでいた。「悪い時期だけど、乗り越えて行こうぜ!」という、今の時代性ともリンクした力強いメッセージ性に背中を押されたのは言うまでもない。

「Growing Up」('22)
/THE LINDA LINDAS

「Growing Up」収録アルバム『Growing Up』/THE LINDA LINDAS

「Growing Up」収録アルバム『Growing Up』/THE LINDA LINDAS

LA出身のガールズ・バンド4人組、リンダ・リンダズ。メンバー全員10代という圧倒的な若さで、人種差別や性差別にNOを突きつけた「Racist, Sexist Boy」が、RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロなどに称賛されるなど、人気急上昇中の彼女たち。今回は待望の初来日となり、「MOUNTAIN STAGE」の午前中スタートという早い時間帯にも関わらず、「So Many People!」とメンバーが何度も口にするほどの大盛況ぶり。メンバー全員がヴォーカルを担える強みを活かし、楽曲ごとにメイン・ヴォーカルを変えるユニークなスタンスに惹きつけられてしまった。楽曲的には余分なものを削いだパンキッシュさと、親しみやすいメロディ・ラインの同居が本当に素晴らしい。バンド名の由来にもなっているTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」も最後にやってくれ、大いに盛り上がった。

「Lost In Stereo」('10)
/ALL TIME LOW

「Lost In Stereo」収録アルバム『Nothing Personal』/ALL TIME LOW

「Lost In Stereo」収録アルバム『Nothing Personal』/ALL TIME LOW

ルックス良し、楽曲良し、パォーマンス良し、の三拍子揃えたUS発のポップ・パンク・バンド、オール・タイム・ロウ。来年で結成20周年を迎えるものの、変わらぬ人気をキープし続けている彼ら。パンクの領域に止まらず、良質なロック・ナンバーを届け、根強いファンベースを築き上げている。今回もフロアを終始ジャンプさせ、スケールの大きな歌で観客を包み込む貫禄のステージングを披露。とにかく演奏が始まれば、確実に観る者の心を掴むフック抜群の楽曲に圧倒されるばかりだ。曲名を連呼するこの曲も昇天すること間違いナシ!

「Coffee」('17)/Beabadoobee

シングル「Coffee」/Beabadoobee

シングル「Coffee」/Beabadoobee

フィリピン生まれ、ロンドン育ちのシンガーソングライター、ビーバードゥービー。彼女は今回マリンスタジアムでトリを飾ったThe 1975のUKツアーのサポートを務めたりと、Z世代の若者を中心に熱い支持を得ている逸材である。この曲はカナダのラッパー、Powfuがシングル「death bed (coffee for your head)」でサンプリングで使用してTikTok上で話題となった。今回はThe 1975と同じステージ、そう、いきなり初来日でスタジアムに堂々登場。キュートな笑顔を振りまきながら、アンニュイな歌声を存分に披露してくれ、素朴なメロディーの美しさに聴き入った人も多かったに違いない。

「MAMMAMIA」('21)/MANESKIN

シングル「MAMMAMIA」/MANESKIN

シングル「MAMMAMIA」/MANESKIN

今や世界でもっとも人気がある“新人バンド”と言っても過言ではないだろう。イタリア発のマネスキンが、遂にここ日本の地に足を踏み入れた。『サマソニ』出演の2日前に初の単独公演が豊洲PIT(8月18日)で行なわれ、そこでも観てきたのだが、豊洲PIT同様に不特定多数の音楽ファンが集まるサマソニでも凄まじい盛り上がりを記録した。ダミアーノ(Vo)は確かな歌唱力はもちろん、「頑張れ、頑張れ!」と新しい煽り文句を覚えていたし、トーマス(Gu)は猿の被り物をしてギターをプレイしたり、また、ヴィクトリア(Ba)は単独では観られなかったニップレス状態で演奏、イーサン(Dr)のタイトなビートも聴き応え十分であった。個人的にはこの曲のリズムに体が激しく揺さぶられ、ライヴでも一段と映えていた。刺激的なMVも必見!

TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。

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