来日間近のライオネル・リッチー、珠
玉の5曲はこれだ!

 なんと、今年3月、27年振りの来日公演を行なう予定のライオネル・リッチー。どこからか“それ、誰?”って声も聞こえてきそうだが、40歳未満ならそれは仕方のないこと。なぜなら、彼が世界中を席巻したのは1982年から1986年あたりまでで、それ以降は10年ほど第1次隠居生活に入るからだ。逆に言えば、現在40歳以上の音楽好きは、知っているのが当たり前かもしれない。当時は、マイケル・ジャクソンと並ぶほどの人気があり、全世界でのアルバム売上枚数は1億枚を超えるモンスター・アーティストだ。若い人でも、アフリカ難民へのチャリティー曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」を知っている人は多いと思う。あの曲をマイケル・ジャクソンと共作したのがライオネル・リッチーであり、参加した有名スターを差し置いて、一番最初に歌うのが彼なのである。そのことだけを取り上げても、彼の実力がどんなものだったのか分かると思う。

1.「You Are」(’82)

 アメリカ屈指のファンクバンド「コモドアーズ」(Wikipedia)を脱退後、ソロとなってリリースした1枚目の『Lionel Richie』に収録されたナンバー。ナンバーワン・ヒットになったわけではないが、僕は今でもこの曲が一番好きだ。ポップスとしてもよくできた曲だが、ソロの初期はソウル風味を少しだけ残しているところが良い♪ シンセ全盛の時代だが、ここでは抑え気味に使われているので、そんなに古い感じはしない。ホーンやストリングスのアレンジもカッコ良く、なんと言ってもサビの部分のさわやかさが素晴らしい。81年に始まったテレビの音楽番組『ベストヒットUSA』で、一時期は毎週のようにこの曲のPVがオンエアされていたから、覚えている人も多いだろう。

2.「All Night Long」(’83)

 彼の名を世界中に轟かせたモンスターヒットがこれ。この曲を収録した2ndアルバム『Can't Slow Down』(邦題は、ヒットにあやかって『オール・ナイト・ロング』となった)は、全米、全英、全豪のアルバム・チャートでナンバーワンに輝き、1985年のグラミー賞では最優秀作品賞を受賞するなど、とんでもない成功を収め、彼は一躍トップスターの仲間入りを果たした。トロピカルな雰囲気で曲全体が彩られ、途中アフリカン・ポップスっぽい部分が挿入されるのは、彼がワールド・ミュージック(Wikipedia)の流行を敏感に察知していたからだろう。この曲をはじめ、同時期にヒットを飛ばしていたポリス、サバイバー、イエス、シンディー・ローパーなど、面白いPV作りに力を注いだアーティストの曲が大ヒットするようになっていく。今では当たり前のことかもしれないが、80年代初頭とはそういう時代であった。

3.「Say You, Say Me」(’85)

 切ないメロディーとシンプルな内容の歌詞で、切々と歌い上げられる、ライオネルらしさが出た絶品のバラード。シンセ全盛の時代だけに、打ち込み多用で若干音が軽めなのはご愛嬌。この曲がリリースされた当時、僕が驚いたのは、彼は黒人シンガーなのに極力ソウル臭さを抜いて白っぽさを強調した(していたように見えた)ことである。今では、ごく普通の音作りなのだが、当時は斬新だった…というか、彼やマイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダーのような存在が、ポピュラー音楽界で新しい黒人のポップスを創ったのである。映画『ホワイトナイツ 白夜』(’85)のテーマとしても使われ、この曲も世界中で大ヒットする。

4.「Jesus Is Love」(’80)-The C
ommodores

 彼がコモドアーズ在籍時に作詞作曲を担当したナンバーで、アルバム『Heroes』に収録された隠れた名曲である。“これだけは絶対に外せない”と言いたい! この頃は、まだグループのメンバーであるし、ソウル・ミュージックを意識したスタンスなので、ソロ転向以後のライオネル・リッチーの音ではない。しかし、この曲に流れる熱いソウルが、現在までの彼を支えていると言っても過言ではないと思う。静かで美しいゴスペル曲で、だんだんと盛り上がっていく彼の抜群の歌唱力には心底しびれる。僕は個人的にはコモドアーズ時代のライオネル・リッチーが一番好きである。なお、2009年に行われたマイケル・ジャクソンの追悼会で、彼はこの曲を歌ったそうだ。

5.「We Are The World」('85)-USA
For Africa Various Artists

 プロデュースにクインシー・ジョーンズを迎え、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ホール&オーツ、シンディー・ローパー、ケニー・ロジャーズ、レイ・チャールズなどなど、世界的なトップスターが大挙参加したアフリカ難民救済のチャリティー曲。彼はこの曲をマイケル・ジャクソンと共作し、ライオネル・リッチーが名実ともに世界のトップスターであることを証明した。ドキュメンタリー・タッチで作られたPVも秀逸で、スーパースターたちが一堂に会するさまは、何回観ても興奮する。若い人でも、このPVを観た人は多いんじゃないだろうか。音楽史上に残るイベントの一つであることは間違いなく、そして文句なしの名曲だ!

著者:河崎直人

OKMusic編集部

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