関東でも1月に積雪があったりと、本当に寒い日が続きます。2月もこの寒さが続くと思うと、とても辛いです。しかし、2016年1月から音楽的には熱い作品ばかりが届いている状態で、正直、時間とお金が追い付きません。昨年末はモーターヘッドのレミー・キルミスター、今年1月10日にはデヴィッド・ボウイと輝かしきロック・レジェンドが亡くなり、驚きと悲しみでいっぱいです。ですが、彼らが産み落した作品は永遠に生き続けます。ということで、1月に出たばかりのホヤホヤの音源を中心に良質曲を紹介します。

1.「Role-playing」(’15)/URCHIN
FARM

2010年に活動休止したURCHIN FARMが昨年まさかの再始動! これにはびっくりしました。バンド休止以降、矢澤壮太(Vo&Gu)はback numberのサポートメンバーとして、師崎洋平(Gu&Cho)とSHITTY(Ba&Cho)はJAWEYEで活動していたものの、再びこのメンバー3人が集結して完成させたミニアルバム『By Blue』は、音楽的にはパンクとパワーポップが正面衝突した荒らしさと美メロの融合ぶりが絶品。新作は踊れる要素も加味したポップチューンがぎっしり詰まってます。今回紹介したいのは、休止前に出た楽曲で彼らの魅力が存分に詰まった名曲です。ぜひ聴いてみてください。

2.「Sparks」(’15)/浜田麻里

浜田麻里の25枚目になるニューアルバム『MISSION』がとにかく素晴らしい。ここで紹介するのは、その作品のオープニングを飾る曲。ワタクシ、彼女の歌声を聴きながら、いつの間にか涙が出てしまい…自分でも驚いてしまいました。悲しいからではなく、もう心が震えてしまって、感動のあまりに涙が出てきました。こんな体験は数年に一度あるかないかだと思います。個人差はあるでしょうが、今からでも遅くないので、彼女のヴォーカリストとしての表現力の奥深さに触れてほしい。昨年は『LOUD PARK』などフェスにも出演し、このアルバムも好セールスを記録中です。LOUNDNESSの高崎晃(Gu)、Mr.BIGのビリー・シーン(Ba)などバックの演奏陣も豪華さを極めてます。

3.「Butterfly」(’15)/NOISEMAKER

昨年は『ROCK IN JAPAN』から『OZZFEST JAPAN』まで、幅広い活躍ぶりを見せた北海道札幌発の4人組。彼らはラウドロックのカテゴリーに収まらないオープンなサウンドで、多くの観客を魅了するライヴアクトと言えるでしょう。このニューシングル「Butterfly」は前作のライヴ感も継承しつつ、よりシンプルかつスケール感のある音像で勝負してます。歌心あふれるメロディアスなヴォーカル、自然や大地などが脳裏に浮かぶ際限なき音色に身を置くと、なんとも心が晴れ渡るような気持ちになってくる。特にシングル表題曲はキャッチーなので、初めて聴く人にも取っ付きやすいと思います。

4.「DYSTOPIA」(’15)/MEGADETH

約3年振りに出るMEGADETHのニューアルバム『DYSTOPIA』が、デイリーアルバムチャート(総合)で1位を獲得! 昨年『LOUD PARK』で新メンバーにアングラのキコ・ルーレイロ(Gu)を迎えた編成で、ライヴパフォーマンスを観せてくれたが、デイヴ・ムステイン(Vo&Gu)との相性もぴったりでMEGADETHサウンドにしっかり溶け込んでいた。ゆえに新作にも期待していたのだが、内容も本当に良い。アルバム表題曲は名盤『RUST IN PEACE』時代を彷彿させるフレーズもあり、これぞMEGADETHと言える切れ味とフックが散りばめられている。

5.「I Can't Give Everthing Away」(
’15)/DAVID BOWIE

2016年、早くも今年のマスターピースと言える一枚が届いた。デヴィッド・ボウイの遺作となってしまったラスト・アルバム『★』は、全7曲入りにもかかわらず、途轍もなく内容は充実してます。全曲が名曲、全編に渡り凄まじい緊張感が張り巡らされています。今回は若手の実力派ジャズ・ミュージシャンを多く起用したようで、そのチャレンジ精神が功を奏し、一曲一曲がフレッシュな輝きを放っています。特にラストを飾るこの曲は、アルバムを締め括るに相応しく、「私は全てを与えることはできない」と連呼するデヴィッド・ボウイの透徹した歌声に沈黙の感動を強いられる超名曲です。何度も言いますが、アルバム丸ごと味わってもらいたい。大傑作です。

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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