祝・松任谷由実50周年! 歌い継がれる名曲たち、ユーミンカバー5選

祝・松任谷由実50周年! 歌い継がれる名曲たち、ユーミンカバー5選

祝・松任谷由実50周年!
歌い継がれる名曲たち、
ユーミンカバー5選

松任谷由実がデビュー50周年を記念したオールタイム・ベストアルバム『ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜』をリリース。テレビやラジオでユーミンが大特集されて、広い世代に愛される数多くの名曲たちがオンエアされて。50年の華々しい歴史に、今再び注目が集まってるユーミン。ここでは多くのアーティストがリスペクトやその影響を語り、自身の作品やライヴ、動画でカバーするユーミンの名曲たちを紹介。50年で600曲以上の楽曲を生み出し、これからも歌い継がれていくであろうユーミン楽曲のすごさを改めて紹介。ユーミン万歳!
「ひこうき雲」収録アルバム『ひこうき雲』/荒井由実
シングル「やさしさに包まれたなら」/植村花菜
「守ってあげたい」収録アルバム『ユーミンをめぐる物語』/JUJU
「リフレインが叫んでる」収録アルバム『UNITED COVER 2』/井上陽水
「春よ、来い」収録アルバム『A BALLAD 2』/浜崎あゆみ

「ひこうき雲」(73年)

「ひこうき雲」収録アルバム『ひこうき雲』/荒井由実

「ひこうき雲」収録アルバム『ひこうき雲』/荒井由実

1973年リリース、荒井由実時代の2ndシングル「きっと言える」のB面に収録。同年リリースされた、1stアルバム『ひこうき雲』の表題曲となったこの曲。世間的には2013年に公開された、宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』の主題歌として使用されて再評価され、当時を知らない若い世代も含めて広く知られた。松浦亜弥、MINMI、My Little Lover、桑田佳祐、Toshl、、はいだしょうこ、GLIM SPANKYら、多くのアーティストが音源やライヴ等でカバーを披露し、それぞれの理解や表現方法で聴かせる「ひこうき雲」はどれも個性的で楽しいが。Uruがカバーする「ひこうき雲」に決して風化することなく、時代や世代を超えて愛されるこの曲のすごさを改めて感じた。

「やさしさに包まれたなら」(74年)

シングル「やさしさに包まれたなら」/植村花菜

シングル「やさしさに包まれたなら」/植村花菜

1974年リリース、3rdシングルのタイトル曲。1989年に映画『魔女の宅急便』のEDテーマソングとして使用され、再び脚光を浴びたこの曲。アコースティックサウンドのカントリー調のまさに優しさが包む曲調に、温かく伸びやかな歌声で届ける希望溢れるメッセージ。つらく、しんどい時にも、穏やかで幸せな気分の時にも聴きたくなる、普遍的な楽曲。CMソングや番組テーマ曲としていまも多く使用され、恐らく最も多くカバーされているユーミン曲。少しテンポを落として、たっぷり感情を乗せて噛みしめるように歌うヴォーカルがグッと胸にくる植村花菜のカバーは、楽曲を完全に自分のものにしている、カバーする意味と意義のある名カバー。必聴です。

「守ってあげたい」(81年)

「守ってあげたい」収録アルバム『ユーミンをめぐる物語』/JUJU

「守ってあげたい」収録アルバム『ユーミンをめぐる物語』/JUJU

1981年リリース、映画『ねらわれた学園』の主題歌として描き下ろされた楽曲。この曲をきっかけに“第二次ユーミンブーム”が到来し、同年リリースされたアルバム『昨晩お会いしましょう』以降、17枚連続でオリコン1位を獲得する。恋人に家族に大切な仲間たちに、“あなた”と描かれた対象やシチュエーションがあらゆる状況に合い、これまた聴く者や時代を選ばない普遍的な楽曲であり、大名曲。今年3月に松任谷正隆&松任谷由実のプロデュースによる、ユーミンのカバーアルバム『ユーミンをめぐる物語』をリリースしたJUJUによるカバーは、ユーミンへのリスペクトと楽曲への愛をしっかり感じる名カバーだが。この曲のMVに長引くコロナ禍でみんなの心が弱っているこんな時代だからこそ、より優しく力強く響く曲だと思った。

「リフレインが叫んでる」(88年)

「リフレインが叫んでる」収録アルバム『UNITED COVER 2』/井上陽水

「リフレインが叫んでる」収録アルバム『UNITED COVER 2』/井上陽水

個人的な話だが、まだ中学生だった僕が始まったばかりの『松任谷由実のオールナイトニッポン』で、始めて知ったユーミン楽曲がこの曲。音楽には興味があるけど知識が浅く、いろんなジャンルに興味を示していたあの頃。シンセで始まる印象的なイントロや大人の恋愛を歌った歌詞にゾクゾクして、「なんだこの曲は!?」と衝撃を受けたのを覚えてる、いまも大好きな曲。西城秀樹、河村隆一、Aimer、川畑要とそうそうたるメンバーがカバーをしているが、圧巻なのは井上陽水のカバー。歌い出しから完全に井上陽水の世界観で、ねっとりとした歌声で歌うこの曲はこれまでの印象とも異なる風景を想像させ、まったく違う曲にも聴こえてくるから凄まじい。動画の曲中にある、本人による曲解説も貴重です!

「春よ、来い」(93年)

「春よ、来い」収録アルバム『A BALLAD 2』/浜崎あゆみ

「春よ、来い」収録アルバム『A BALLAD 2』/浜崎あゆみ

94年リリース。どんだけすごいんだよ!と思わされるが、この時期、「真夏の夜の夢」「Hello, my friend」「春よ、来い」と、続けてミリオンセールスを記録。98年にリリースし、驚異の380万枚を売り上げるベスト・アルバム『Neue Musik』に続く、“第三次ユーミンブーム”へと突入するユーミン。後に音楽や国語の教科書にも掲載された「春よ、来い」は、この曲でユーミンを知った若い世代も多いであろう大名曲だが。2011年の東日本大震災の際には、NHKと「(みんなの)春よ、来い」プロジェクトを行い、新録盤の「(みんなの)春よ、来い」を全世界に配信。力強く前向きなこの曲が、たくさんの人の心を救った。合唱曲としても親しまれ、槇原敬之、森山良子、THE BACK HORN、May J.と多数のアーティストにカバーされているこの曲。浜崎あゆみはバラードベストアルバム『A BALLAD 2』リリース時に、本人も思い入れの深い楽曲ということで、この曲のカバーを追加収録。和テイスト満載の艶やかかつ、浜崎らしい独創的なカバーが大きな話題となった。

TEXT/フジジュン 

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者など、なんでも屋として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野。現在は音楽サイトや、雑誌『昭和50年男』等で執筆。

OKMusic編集部

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