1989年(平成元年)結成、
30年経っても光を放ち続ける
現役バンド5組!

1989年、小渕さんが『平成』という2文字を発表した光景は、今でもくっきり脳裏に浮かんでいるけれど、早いものであれから30年!? 今年5月1日のご即位に向けて、すでに“平成最後の~”なんて言葉が何にでもくっついてくる今日この頃ですが、その平成の30年間を、紆余曲折ありつつもひとつのバンドに捧げてきた、そして今でも輝き続けている現役の5組を紹介します! “結成”と呼ぶタイミングはそれぞれだったりはするけれど、“30年”ってすごいよ!?
シングル「BELIEVE」/LUNA SEA
シングル「Shangri-La」/電気グルーヴ
シングル「LOVE YOU ONLY」/TOKIO
シングル「みかんのうた」/SEX MACHINEGUNS
「Over」収録アルバム『Atomic Heart』/Mr.Children

「BELIEVE」(’93)/LUNA SEA

シングル「BELIEVE」/LUNA SEA

シングル「BELIEVE」/LUNA SEA

結成時のバンド名は、“狂気的な”という意味を持つ「LUNACY」。INORAN(Gu)とJ(Ba)が在籍していたバンドで、そこにSUGIZO(Gu)と真矢(Dr)、RYUICHI(Vo)が加入し、この5人で初めてライヴをした日を結成日としています。先月、25年以上もの時を経て、2ndアルバム『IMAGE』と3rdアルバム『EDEN』のリリースツアーをコンセプトとしたライヴが行われたんだけど、SLAVE(ファンの呼称)たちはそりゃあもう狂気の昇天ですよ! そんな夢のようなライヴで途中、RYUICHIが涙をこらえる表情を見せたのが「BELIEVE」でした。1stシングルであるこの曲、古さを感じないどころかあんまり楽しそうに演奏する姿を見ていると、LUNA SEAというバンドの描く夢を一緒に見てみたい、そんなふうに思わされたりして。30年という歴史の中で、一度は終幕という道を選んだ彼らだけど、目をつぶって存在し続けるよりも、一度壊したことによって得たものの大きさというものを、REBOOT以降の彼らのライヴを観ていると感じずにはいられません。そこにあるのはメンバー同士のこれ以上ないリスペクトと、空白の10年間ずっと存在することを止めなかったSLAVE(※)たちへの愛、そして “LUNA SEAという人たちの生き様”。つい先日、RYUICHIが肺腺がん手術をしたニュースを受けてのINORANのツィート、「言っとくよ LUNASEAの絆は 今、最強である。!!!!!」。 眩しすぎる時をこれからも、I THINK I BELIEVE!(※終幕中もファンクラブは存在し続けていた)

「Shangri-La」(’97)/電気グルーヴ

シングル「Shangri-La」/電気グルーヴ

シングル「Shangri-La」/電気グルーヴ

先日、日テレ系『アナザースカイ』に出演している石野卓球とピエール瀧を観てて思ったんだけど、51歳になって高校の同級生とずっとそのまんまの関係(しょうもないやりとりで喜んで、お互い“お前といる時が楽しくて仕方ないんだ!”っていう)で今に至ってることがすごいなと。1989年に石野卓球を中心に結成、メンバーの人数は所々で違ったり、それぞれ別の分野での才能も発揮している二人だけれど、瀧が電気グルーヴでの役割を聞かれて“他のバンドには俺がいないこと”と答えたように、一緒に“居る”ということがポイントな何とも素敵な関係性。破天荒なパフォーマンスや独特の音楽性という“らしさ”からは意表を突いた8枚目のシングル「Shangri-La」は、日産・テラノのCMに器用されたことも手伝って、「ドリカム聴いているような人たちが間違って買ったら面白いと思って」という狙い通りにまんまと大ヒット! 1月23日リリースのニューアルバム『30』では、ドイツのエレクトロ・ポップ・デュオ・2raumwohnungのインガ・フンペをゲストボーカルに迎えて再レコーディングされた「Shangri-La feat. Inga Humpe」が収録されています。一度聴くと頭ん中で「KISS KISS KISS♪」がぐるぐるグルグル…キレイな曲だよね、PVは問題作だけど(苦笑)。

「LOVE YOU ONLY」(’94)/TOKIO

シングル「LOVE YOU ONLY」/TOKIO

シングル「LOVE YOU ONLY」/TOKIO

当時「平家派」に在籍していた城島茂によって、TOKIOの前身となるユニット「TOKIO BAND」が結成されたのが1989年。「LOVE YOU ONLY」は彼らのデビューシングルにあたり、何気にいまのところ自身最大の売上枚数らしいんだけど、個人的にもいちばん好きな曲はコレだったりします。だって、ショーゲキ的じゃない? アイドルと言えど「君が熱い恋をするなら 相手は僕しかいない」んだよ(笑)? こんなにはっきり言われちゃうとね~、むしろ気持ちいい。それに、カラオケで盛り上がる! 何なら「君が(君が~)」の後追いコーラスを自分で一人二役やっちゃってもこれまた楽しい♪ ちなみに、その昔ラルクがパートチェンジ(※)したその名も“KIOTO”で、ライヴでカバーしてたのもこの曲でした。(※Vo:tetsu(現:tetsuya)、Gu:hyde、Ba:sakura、Dr:ken)

「みかんのうた」(’99)
/SEX MACHINEGUNS

シングル「みかんのうた」/SEX MACHINEGUNS

シングル「みかんのうた」/SEX MACHINEGUNS

ANCHANG(Vo&Gu)が大学在学中にルーツとなるバンドを結成。セックス・ピストルズよりもすごいバンドに!と付けられたこのバンド名・SEX MACHINEGUNS、最初は呼びづらくて困ったけど(笑)、それよりびっくりしたのは初めて行った武道館ライヴで目にした、バンギャたちの凄まじいヘドバン! いまだかつて、アレを超える光景には出会っていませんが、そのときの印象が強いのか、マシンガンズの曲というとちょうどその前年に発売され、昨年リリースのアルバムにも現メンバーによる新録が収められている人気曲「みかんのうた」が真っ先に浮かびます。彼らの4枚目のシングルとなる今作、もうね、ANCHANGの故郷・愛媛愛がすごくてすごくて…「命の水だ ポンジュース」って(笑)、そりゃあ地元でライヴのたびに差し入れ届きますよ! 「みかん」を連呼した後の「みかーん」はヘヴィメタとは思えないほどの微笑ましさです。

「Over」(’94)/Mr.Children

「Over」収録アルバム『Atomic Heart』/Mr.Children

「Over」収録アルバム『Atomic Heart』/Mr.Children

1989年はご存知のように昭和も7日間だけあるのだけど、実はミスチルは平成元年ではなく希少な昭和64年の結成。年が明けた1月1日から『Mr.Children』と改名したところからスタートしています。ミスチルの曲の中から1曲選ぶって至難の業だけど、ここはやっぱり「Over」かな。ブレイクのきっかけとなった「CROSS ROAD」や「innocent world」が収録されている、アルバム『Atomic Heart』の最後の曲です。シングルカットはされていないものの、桜井和寿ならではの赤裸々な言葉で綴られた失恋ソングは人気が高く、2017年発売のシングル「ヒカリノアトリエ」ではシークレットトラックとして別ver.が収められています。以前ライヴのMCで、これはどういう意味なんだ!?と物議を醸していると話していた「顔のわりに小さな胸」という歌詞がぴったりの表現だなと思う友達がいて(笑)、声も少し鼻にかかってたから、この曲聴くたびに勝手に私の中で当時の彼女の恋と被らせてみたりして…ま、ないよね(笑)。でも、“今となれば”愛してた彼女の要素や、体験談にしか聞こえない二人のエピソードが、具体的なほどこの曲が愛しく感じて、一周まわってふと考えた。ホントに心変わりだったのかな…。リリースから25年、街で偶然出会うことがあったなら、“今だから言えるトーク”してみてほしいな…今なら彼女の瞳も何か語ってくれるかもしれない。なんてね。

TEXT:K子。
K子。 プロフィール:神奈川・湘南育ち。DIE IN CRIESで“音楽=音を楽しむ”ことを知り、好きな音楽の仕事がしたい!とOLをやめてオリコン株式会社に9年所属。どっぷりの反動で旅行業界に転職後、副業で旅・エンタメ関連のWEBで執筆するも、音楽への愛が止められず出戻り人に。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。

OKMusic編集部

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