別れと出会いの季節を彩る、奇跡の男
女コラボ曲5選

早いもんで、もう3月! 卒業、転勤といった別れの季節を経て、入学、就職といった出会いの季節がやってくる春。今回ご紹介するのはそんな季節を彩ってくれるかもしれない、男女ミュージシャンによるコラボレーション作品! 想像もしなかった出会いや組み合わせが、想像もしなかった世界観を作り上げる。新しい出会いが自分の見聞を広げてくれたり、自分の世界観を広げてくれたり、自分の気付かなかった魅力を引き出してくれるというのは、日常生活でもよくあること。恋人や仲間との別れは寂しいけれど、奇跡の男女コラボを聴いて、新しい出会いへの期待を膨らませよう!

1.「夢の浮世に咲いてみな」('15)/
ももいろクローバーZ vs KISS

1月に「ももいろクローバーZの新曲はKISSとのコラボレーション! 世界120カ国で発売、そして東京ドームでの共演も決定!」のニュースを聴いた時は、驚いたのと同時に大爆笑してしまった。この誰も想像すらしなかった驚異的な企画! やっぱり、ももクロ面白ぇなぁ!! ももクロ楽曲を聴いて、「ロックでスタイリッシュで、ももクロ史上に残る特別な曲を彼女たちのために作ることができると確信した」と語ったというポール・スタンレー(Gu&Vo)。完成した曲がカッコ良すぎて、これまた大爆笑! へヴィでパワフル、ダイナミックなKISSの演奏に飲み込まれることなく、自分たちの魅力を存分に発揮するももクロ。ロックとアイドル両方のカッコ良さが見事ブレンドされている上、和洋折衷の面白さも忘れない楽曲の素晴らしさは手放しで絶賛! マジで東京ドーム行こうかなぁ…。

2.「WINDING ROAD」('07)/絢香×コ
ブクロ

2006年に音楽番組『MUSIC FAIR 21』で共演した絢香とコブクロが「ここにしか咲かない花 」「I believe」と、それぞれの曲をコラボして意気投合。「一緒にライブで歌いたい」という絢香に、「どうせやるなら曲を作ろう」とコブクロが快諾し、完成したのがこの楽曲。♪曲がりくねった~の歌い出しから、鳥肌が立つような力強さ美しさ、相性の良さを聴かせる3人のハーモニー。歌や楽曲から感じ取れる両組の音楽への愛情、強い信頼関係、そして“本物感”は企画物のコラボと明らかに一線を画し、ひたすら心震わされたのを覚えてる。CD不況のご時世に初動10万枚をオーバーし、オリコン・ウィークリーチャート2位を記録。その後もロングセールスを続け、年間チャートでも11位を記録したこの曲は、後世まで残るであろうコラボの名曲となった。

3.「美しいこと」('01)/AJICO(浅井
健一×UA)

1999年、UAのアルバム『turbo』に浅井健一が楽曲提供し、レコーディングにも参加したことをきっかけに結成されたAJICO。2000年に結成され、3枚のシングルと1枚のスタジオアルバム、1枚のライヴアルバムを発表し、約1年間で活動を終了した伝説のバンド。楽曲のほとんどを浅井が手掛け、作詞を浅井とUAのそれぞれが担当。浅井の作詞作曲による2ndシングル「美しいこと」は、センチで詩情的な浅井の世界観を、絶妙なアンバランスさで絡み合う浅井とUAの個性的な歌声が表現した、AJICOでしか味わうことのできない独創性あふれる楽曲。正直、このコラムを書くまで、このユニットのことは忘れてたんだけど。「波動」「深緑」「ペピン」と彼らの残した楽曲たちを改めて聴いて、「これ、とんでもないコラボだったんだな!」と改めて思った。「ペピン」もBLANKEY JET CITYのカバーだが、ライヴ盤ではSHARBETSやUAのカバーも収録。生で観たかったなぁ!

4.「ひとつだけ」('06)/忌野清志郎
×矢野顕子

坂本龍一との「い・け・な・いルージュマジック」に始まり、数多くのコラボ楽曲を残している忌野清志郎だが、僕が大好きなコラボ曲が忌野清志郎×矢野顕子による「ひとつだけ」。2006年、矢野顕子が30周年を記念した入門アルバムとしてリリースした、セルフカバーアルバム『はじめてのやのあきこ』に収録されたこの曲。原曲は1979年にアグネス・チャンに提供された曲で、1980年リリースの『ごはんができたよ』にセルフカバーを収録。1982年に忌野清志郎、仲井戸麗市、坂本龍一、矢野顕子らによる、ヘンタイよいこバンドで矢野顕子と清志郎が初デュエットという歴史があるこの曲だが、《離れている時でもわたしのこと 忘れないでいてほしいの ねぇおねがい》と歌う、息の合ったふたりの掛け合いや、ピアノとハモニカの演奏を聴いてると、このふたりが歌うために生まれた曲のように思えて仕方ない。余談だが昨年12月、何気なく観ていた『いきなり!黄金伝説』で、能年玲奈&篠原ともえがサバイバル生活をした際、能年玲奈ちゃんが忌野清志郎のモノマネでこの曲を歌ってて、「これ、誰が仕込んだの!?」と驚いたが。ネット情報によると能年ちゃんもこの曲が大好きなんだそう。能年ちゃんの清志郎の真似は似てたし、めちゃ可愛かったです!

5.「男と女のラブゲーム」('86)/日
野美歌・葵司朗

コラボ、コラボ言ってるけど、要するにデュエットっつうことで。デュエットと言えば、やっぱり演歌だよなぁと思った時、真っ先に思い付いたのがこの曲。スナックみたいなところに飲みに行くと、客とホステスがいちゃいちゃしながらデュエットしてるのは今も変わらずある光景で。デュエットのひとつも歌えないと、立派なおじさんにはなれません! つうことで、まだ僕が小学生だった頃、大人の世界の覗き見てしまった気がして衝撃だった楽曲が「男と女のラブゲーム」。武田鉄矢と芦川よしみが胃腸薬のCMで歌っている姿をぼんやり覚えているが、♪呑みすぎたのはあなたのせいよ~と色っぽく始まり、《抱きしめて》《抱きしめて 帰したくない》と掛け合う男女デュエットは子供には刺激が強すぎた! 年配の方と酒席をご一緒する機会が多い人は、この曲を覚えておけば間違いナシです。……って、「別れと出会いの季節を彩る」のテーマから脱線しすぎな選曲でスンマセン(笑)。

著者:フジジュン

OKMusic編集部

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