4月に4年振りとなる来日公演を予定しているジェフ・ベック。アルバム『WIRED』が出た頃の来日公演で初めて生の姿を目にして以来、何度もライヴに足を運んできた。それでも、また日本に来てくれると知っただけで胸がときめいてしまう。同世代のギタリストたちが円熟の路線をゆくのに対し、彼だけが丸くならず、ひたすら過激に、鋭さを増している。まさに年齢を超越してしまったかのようなそのサウンド、ギター・プレイに一度触れたなら、彼は永遠にあこがれの存在であり続けるだろう。

1.「SHAPES OF THINGS」('68)

いろいろ迷ったが、自身のリーダー・バンドJEFF BECK GROUPのデビュー作『TRUTH』の冒頭曲であり、世にハードロック・サウンドが知られるようになったきっかけを作った一曲ということで選んでみた。現在の耳で聴くとブルースを基調としたガレージロック的なサウンドだが、ラウドでエッジの立ったジェフのギタースタイルはすでに確立されている。リードヴォーカルはロッド・スチュワートで、これを聴く限り彼も優れたロックシンガーであったことが分かる。ベースは現ローリング・ストーンズのロン・ウッド。もともとギタリストだが、ジェフの命令でベースに転向させられていたという。とはいえ、よく弾み、雄弁なベースラインは黒人音楽好きの彼の非凡なセンスを示している。

2.「SUPERSTITION」('73)

ティム・ボガート、カーマイン・アピスと組んだパワートリオ、BB&Aによる迫力満点の一曲。元はスティービー・ワンダーがジェフに贈った曲だが、スティービー自身も『TALKING BOOK』('72)に収録。ジェフもレコーディングに参加している(別曲だが)。異色の機器トーキング・モジュレーターが使用されていることも話題になった。唯一残されたスタジオ盤とともに、日本でのみ発売が許可されたBB&Aの『ライヴ・イン・ジャパン』(昨年リマスタリング40周年記念盤が発売)の冒頭にも同曲が収録された。ちなみにこの時が彼の初来日。当時、世界最強のリズムセクションと謳われた米人ふたりを従え、ジェフも半端ない気合いで弾きまくる。ファンキーなリフに続き、すさまじい音圧と轟音に吹っ飛ばされる

3.「CAUSE WE'VE ENDED AS LOVERS」(
'75)

BB&A解散後、ギターインスト期に突入したジェフが放った大傑作『BLOW BY BLOW』に収録。本人もお気に入りの曲らしく、ライヴの重要なレパートリーになっている。邦題は『哀しみの恋人たち』。豪快に、鋭角的に弾くかと思えば、驚異的なタッチ、コントロールで多彩かつ繊細な感情表現をしてみせる。その美しさは譬えようもない。まさに天才を裏付けるような、ジェフのギターテクニックとセンスのすごさが凝縮されたような曲だ。エフェクターの類を介さず、ギターはアンプ直結のほぼクリーントーンで弾いている風だし、メロディーも覚えやすいので、ギタリストを目指す方に格好の教材とも言えそうだが、細かいニュアンスの表現など、難易度は高そうだ。

4.「BIG BLOCK」('89)

最近のアルバムにも通じる、もはやインダストリアル系とも言われたりする硬質なサウンドに突入し始めたのが、本作を収録した『GUITAR SHOP』だった。ジャケットもタイトルも、いかにもクルマ好きのジェフらしい、ガレージでギターをチューンアップしているイラストが使われた粋な装いだが、内容は凄まじいばかり。凄腕ドラマーのテリー・ボジオ、キーボードのトニー・ハイマスとの3人のみで、ベースも不在。だが、その不足感を微塵も感じさせないどころか、斬新なサウンド構築に成功している。この人気曲を収録したDVDで演奏中のギターを凝視していても、どうすればこうした音が生み出されるのか分からない、神わざ的な領域で弾いている。それも余裕の表情で…。

5.「A DAY IN THE LIFE」('98)

他人のアルバムのためのセッションワークも数多いジェフだが、かつてアルバムプロデュースを担当したジョージ・マーティンの依頼で、ビートルズのトリビュートアルバム『IN MAY LIFE / GEORGE MARTIN』のセッションに参加する。そこで演奏されたのがこのジョン・レノンの傑作。しかもジェフはヴォーカルのないインスト演奏でこの名曲に挑み、見事、傑作に仕上げている。ギター表現の可能性を徹底して追求し、常人にはとうてい真似のできないそのテクニックには、唖然とさせられること必至。こんなギター、誰も弾けない。本作のレコーディング以降、ジェフは自身のライヴでもよく演奏しており、日本公演でもラスト、あるいはアンコールで披露される可能性も高い。

著者:片山明

OKMusic編集部

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