追悼・“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーがインスピレーションを与えた名曲5選

追悼・“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーがインスピレーションを与えた名曲5選

追悼・“ロックンロールの女王”
ティナ・ターナーが
インスピレーションを与えた名曲5選

5月24日、所属事務所によって明らかにされた「ロックンロールの女王」ことティナ・ターナーの訃報はさまざまな媒体を通して瞬く間に世界を駆け巡りました。その後、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガー、キャロル・キング、ダイアナ・ロス、マライア・キャリーら音楽界のレジェンドからバイデン大統領やオバマ前大統領を含む世界中のファンが哀悼の意を表しました。今回はティナ・ターナーが遺した楽曲群から5曲を紹介します。
「What's Love Got to Do with It」「Private Dancer」「Better Be Good to Me」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner
「We Don't Need Another Hero (Thunderdome)」収録アルバム『Simply The Best』/Tina Turner
「Typical Male」収録アルバム『Break Every Rule』/Tina Turner

「What's Love Got to Do with It」
(’84)/Tina Turner

「What's Love Got to Do with It」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner

「What's Love Got to Do with It」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner

ティナ・ターナーと言えばこの曲でしょう。邦題は「愛の魔力」。5thアルバム『Private Dancer』からシングルカットされ、アメリカの「Billboard Hot 100」で3週連続1位を獲得。さらに『第27回グラミー賞』では最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞の3部門を受賞し、『MTV Video Music Awards』最優秀女性ビデオ賞をも受賞したティナ・ターナー最大のヒット作です。これらの輝かしい記録をマークした時、ティナは44歳! 前夫のDV問題など、それまでの不運が続いた人生を吹き飛ばすかのような躍進は多くの人々に勇気を与えました。黒皮のミニスカに髪を逆立てて歌う当時の彼女の姿はNYで撮影されたMVでも観ることができます。

「Private Dancer」(’84)/
Tina Turner

「Private Dancer」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner

「Private Dancer」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner

“ロックンロールの女王”と呼ばれたティナ・ターナーが当時45歳で華麗なるカムバックを果たしたアルバム『Private Dancer』に収録された同タイトル曲。『タイム』誌の「トップ10カムバックアルバム」に選出されたこともあるアルバムは彼女の逝去後、iTunesのトップ3を独占した作品のひとつ。ソロシングルとしては初の全英シングルチャートで6位にランクイン。その後もチャートをインアウトしながら全英アルバムチャート通算147週トップ100入りするロングセラーを記録。また、煌びやかなミラーボールと憂いあるティナの表情が印象的なこの曲のMVは、彼女の死後、「愛の魔力」「孤独のヒーロー」と並んでiTunesで最も再生された3本となりました。

「We Don't Need Another Hero
(Thunderdome)」(’85)/
Tina Turner

「We Don't Need Another Hero (Thunderdome)」収録アルバム『Simply The Best』/Tina Turner

「We Don't Need Another Hero (Thunderdome)」収録アルバム『Simply The Best』/Tina Turner

映画『マッドマックス/サンダードーム』(85年公開)の主題歌で邦題は「孤独のヒーロー」。この映画は前作『マッドマックス2』のヒットを受けて製作されたシリーズ第3作で、メル・ギブソンとティナ・ターナー本人が主演を務めて話題に。砂漠に追放された孤独な放浪の戦士のストーリーにティナのパワーバラードがマッチしています。この曲はゴールデングローブ賞ベストオリジナルソング賞、 『MTV Video Music Award』最優秀女性ビデオ賞を受賞、アメリカの「Billboard Hot 100」では2位を記録。イギリスで3位、オーストラリア、カナダ、ドイツ、ポーランド、スペイン、スイスでも1位を獲得した彼女のヒット曲のひとつ。映画での女王アウンティ役のまま出演したMVも必見です。

「Typical Male」(’86)/
Tina Turner

「Typical Male」収録アルバム『Break Every Rule』/Tina Turner

「Typical Male」収録アルバム『Break Every Rule』/Tina Turner

ティナ・ターナーの名を世界に知らしめた曲のひとつ。『Private Dancer』の大ヒットに続き、その2年後にリリースされたアルバム『Break Every Rule』のリードシングルとして発売された作品で、フィル・コリンズがドラムで参加。アメリカで「Cash Box Top 100」のシングルチャートで1位を獲得、「Billboard Hot 100」ではシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」に次いで3週連続2位となり、惜しくも2度目の首位獲得にはならず。しかし、オーストリア、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、スイスなどでチャートのTOP10入りを果たしました。アルバムにはデヴィッド・ボウイやブライアン・アダムス、スティーヴ・ウィンウッド、ルパート・ハインら豪華メンバーが参加しています。

「Better Be Good to Me」(’84)/
Tina Turner

「Better Be Good to Me」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner

「Better Be Good to Me」収録アルバム『Private Dancer』/Tina Turner

邦題は「あなたのとりこ」。原曲はスパイダーのアルバム『ビトウィーン・ザ・ラインズ』。ティナのヴァージョンはグラミー賞で最優秀女性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。2021年にはロックの殿堂入りも果たしたティナ・ターナーは、音楽のみならず、生き様を通して人々に影響を与えました。現在ワールドツアー中のビヨンセもその中のひとりで、先のパリ公演では「彼女が存在していなければ自分はこのステージに立っていなかった」と明言。さらに「インスピレーションについて思う時、私の人生にはふたりのティナが存在します。私の母であるティナと、そしてもうひとりはもちろん、素晴らしい人、ティナ・ターナーです」とコメントしています。

TEXT:早乙女‘dorami’ゆうこ

早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸にコンサート制作通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、アニメや人形劇の英語監修及び翻訳、音楽情報ウェブサイトにて執筆。

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