ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲

『SUMMER SONIC 2018』を揺らした
洋楽アーティストたちの名曲5曲

先週末、東京会場と大阪会場の2カ所にて同時開催された『SUMMER SONIC 2018』、通称『サマソニ』。BECK、NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDSをヘッドライナーに据えた日本最大級の都市型フェスティバルは、今年で19回目を迎えました。この原稿を書いているのは開催直前…なので、今回は“『SUMMER SONIC 2018』を揺らした洋楽アーティストたちの名曲5曲”と題し、今年演奏したかもしれない(!?)出演した海外アーティストの誇る代表曲をご紹介します。
新曲「Work Out」 /CHANCE THE RAPPER
配信楽曲「Alone」/MARSHMELLO
シングル「How You Remind Me」/NICKELBACK
「Up All Night」収録アルバム『Colors』/BECK
「Holy Mountain」収録アルバム『Who Built The Moon?』 /NOEL GALLAGHER’S  HIGH FLYING BIRDS

「Work Out」(’18)
/CHANCE THE RAPPER

新曲「Work Out」 /CHANCE THE RAPPER

新曲「Work Out」 /CHANCE THE RAPPER

スタジアムで海風に吹かれて聴きたいのはチャンス・ザ・ラッパーの「Work Out」。今回の『サマソニ』で初来日公演を披露した彼は、従来の音楽ビジネスにとらわれないながらも「もっとも稼ぐヒップホップアーティスト」にランクインするほど名実ともにヒップホップ界の最高峰に立つアーティスト。この楽曲は先月7月に「I Might Need Security」「65th & Ingleside」「Wala Cam」とともに同時にリリースされた最新4楽曲のひとつで、ベビーベッドを買い、家も初めて手に入れたことなど、子を持つ父となって目まぐるしい速さで環境が変わったことを歌うと同時に《I’ma have so many seeds, I could have a birdhouse.》といった彼の人生の過渡期ともリンクさせた絶妙で前向きなリリックの乗ったサウンドはきっと気持ち良かったはず。

「Alone」(’16)/MARSHMELLO

配信楽曲「Alone」/MARSHMELLO

配信楽曲「Alone」/MARSHMELLO

マシュマロの被り物がトレードマークの覆面プロデューサー/DJ、マシュメロ。『EDC JAPAN』では数万人規模のオーディエンスを魅了した彼が、ついに『サマソニ』に降臨した。EDM界を牽引するひとりであり、ハウス、トラップ、EDM、フューチャーベースといったさまざまな音楽性を採り入れたサウンドが特徴で、Jack Üやゼッドなどの人気曲を手がける傍ら、自らもカリードやセレーナ・ゴメスらとのコラボ曲を数多く残している。今回ピックアップした「Alone」は2016年5月にリリースされたマシュメロの代表曲で、繰り返される《I'm so alone. Nothing feels like home. Trying to find my way back home to you.》というリリックと孤の持つ内面に秘めた強さやパッションが解き放たれたかのような美しく切ないサウンドは必聴だ。

「How You Remind Me」(’01)
/NICKELBACK

シングル「How You Remind Me」/NICKELBACK

シングル「How You Remind Me」/NICKELBACK

1996年にカナダの小さな町の幼馴染だった3人がともに音楽で生きていくと決めて結成されて以降、その人気は国内にとどまることなく海を渡って全世界へと広まり、これまでに5000万枚以上の売上げを記録した今世紀最大のモンスターロックバンド、ニッケルバック。今回ピックアップした「How You Remind Me」は2000年代総合トップ・ロックソングに認定された彼等の代名詞とも言えるバンド史上最大のヒットソングだ。骨太バンドサウンドでありながら美しい旋律を描く正統派ロックのラブソングは当時起きたアメリカのテロ事件後最も支持され、愛しい人への想いを馳せる楽曲となり全米チャート1位を記録。まさに普遍なものが心を強く打つことを証明した楽曲のひとつである。

「Up All Night」(’17)/BECK

「Up All Night」収録アルバム『Colors』/BECK

「Up All Night」収録アルバム『Colors』/BECK

2016年の『フジロック』で7年振りの来日を果たして以降、ここ数年は精力的に日本での活動もしているBECK。今年は『サマソニ』のヘッドライナーとしてやってきた。BECKのヒット曲と言うと94年にリリースされた「Loser」になるけれど、今回はあえて新しめの「Up All Night」をピックアップ。全米でのオルタナティブソング及びアダルト・オルタナティブソング・チャートで1位を記録したこの楽曲では第60回グラミー賞において最優秀ミュージックビデオ賞にノミネートされたことが記憶に新しいが、オリジナルの他にラップシンガーDAOKOをゲストに迎え、日本人アーティストとコラボレーションした作品を初めて制作、配信して話題となった。常に時代の先端を行くBECKを体現した秀逸な作品だ。

「Holy Mountain」(’17)
/NOEL GALLAGHER’S
HIGH FLYING BIRDS

「Holy Mountain」収録アルバム『Who Built The Moon?』 /NOEL GALLAGHER’S  HIGH FLYING BIRDS

「Holy Mountain」収録アルバム『Who Built The Moon?』 /NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS

《踊れ、踊れ!》と始まり、ポジティブ感全開にさせてくれるリリックと心沸き立つようなビートと疾走感があふれるメロディー。この人はやはり天才だなと思わせるソングライター、ノエル・ギャラガーが満を持して『サマソニ』に登場。英国史上ビートルズ以来の最強ロックグループと評されるオアシスのメンバーだった過去を持ち、2011年秋に開始したソロプロジェクトでも爆発的な人気を保持したままスタジオアルバム3作を発表し、ライヴ出演など精力的な活動を行なっている。シンプルながらも大合唱したくなるこの楽曲を盛り上げるオルガンは、ポール・ウェラーによるのも聴きどころのひとつ。この楽曲で今年最高の瞬間を感じた人も多かったのでは?

TEXT:早乙女‘dorami’ゆうこ

早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、翻訳、TV番組進行台本や音楽情報ウェブサイト等でコラムや記事を執筆するなどの業務を担うパラレルワーカー。

OKMusic編集部

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