“おそ松ロス”を脱却したいアニメフ
ァンにもクリックしてほしい5曲

今回も今回とて「季節ものとか時事ネタとかでお願いします」というリクエストがあり、「前回よろしく桜ソングとか春物ポップスとか、そこはかとない既視感がじわじわ滲むテーマに不時着したらどうしよう」と頭を抱えたのですが、どうもアニメ関連はかぶりを回避できそうなので、こういうことになりました。
さて、4月に入り、春期アニメがスタートしました。『おそ松さん』に没入するあまり、松ロスを患ってエア松をこじらせている大きなお友達が多数散見されますが、もちろん今期もたくさん面白いアニメが放送されているのですよ。せっかくなので話題作のOP、ED、挿入歌等を手がけるアーティストの過去作も視聴してみてください。その隣のボタンを押すまでの動線としてこの文章が存在するので。

1.「はたらくおっさん」(’11)/フジ
ロッ久(仮)

読みは“ふじろっきゅかっこかり”。トリガー制作『宇宙パトロールルル子』のオープニングテーマ「CRYまっくすド平日」を歌っています。客席とステージのボーダーラインを笑顔と喧噪のメロディーラインで取り払うパフォーマンス、ガード下に散らばる死体のような酔っぱらいがアルコールで混濁した意識でないと吐き出せない、不安と未来への渇望をありのまま綴ったような歌詞。恥を恥としないパンクネスとポップネスが多幸感のみを身に纏ってみぞおちにくらい付く清々しさは、否応なく泣き笑いの坩堝にたたき落としてくれます。やっとコートが寝静まる陽気が訪れたので、三連符が胸を弾ませるこの曲を。

2.「ワイルド・サイドを行け」(‘16)
/GLIM SPANKY

GLIM SPANKYのおふたり、対談連載お疲れ様です! いつも楽しく拝読しております! そして、『境界のRINNE』第2期エンディングテーマ決定おめでとうございます! 元来の持ち味であるオールドスクールなブルースもいいですが、ストレートなロックを淡々とかき鳴らしながら無言でポップスを肩に羽織る姿もなかなかどうしてクールかつアダルティーなものです。高橋留美子先生の破壊的かつ軽妙なスラップスティックコメディーに笑い声を上げる視聴者と読者たちは、いついかなる時もポーカーフェイスを崩すことないふたりにも手を伸ばしてくれるでしょうか。

3.「X次元へようこそ」(’14)/やく
しまるえつこ

『セーラームーン』がリニューアルして帰ってくるなんて、2010年代後半に突入してもガチャガチャや食玩でグッズが購入できるなんて、20年前の少年少女たちはきっと予測し得なかったでしょう。すでに新シリーズ“Crystal”も3期に突入しましたが、ミニスカートを閃かせて華麗に戦う美少女戦士たちは、どれだけの時間を経ても、自分にとっては“お姉さん”です。そして、常に実在性/非実在性云々という論考が、当人の思惑とは関係なく通過儀礼のように構えている“エニグマの極地”やくしまるえつこの提供曲のタイトルが“ニュームーンに恋して”というだけでなんだか嬉しくなります。今回は『スペース☆ダンディ』のエンディングテーマに起用されたこちらを!

4.「I Want You」(’96)/Savage Ga
rden

細かい事情や工程は分からないのですが、毎回毎回ものすごく手間がかかるであろう著作権問題等をクリアーし、懐かしの超スタンダード洋楽ナンバーをエンディングテーマに据えてくる『ジョジョ』シリーズ製作陣には脱帽するばかりです。今シリーズ『ダイヤモンドは砕けない』もどうなるかとワクワクしながら予想していたのですが、この曲が選ばれると予想できたファンはごく少数ではないでしょうか。亡霊めいたダレン・ヘイズの声は、平穏な日々を願う吉良吉影のごとし。涼やかなエレクトロサウンドに隠された情愛のリリックは、ラブデラックスを操る山岸由花子がその美貌に秘めた狂熱のごとし。と、無理矢理こじつけながら放送日の金曜を心待ちにしています。

5.「BACK IN BLACK」(’15)/BOOM B
OOM SATELLITES

誓ってトリガー贔屓というわけではないのですが、BOOM BOOM SATELLITESの「LAY YOUR HANDS ON ME」がオープニングテーマに決定した『キズナイーバー』もトリガーが制作しています。そして、この曲もやはり同社が手がけた『ニンジャスレイヤー フロムアニメイション』のオープニングテーマでした。冒頭のドラムスティックのカウントからパーフェクトにスタイリッシュなこのデジタルロックから、“ドウモ、ニンジャスレイヤーサン!”という律儀な挨拶で始まる脱力FLASH戦闘シーンが展開されるブラフは、“もう笑うしかねぇや”という爽快感を齎したものです。彼らにはこれからもそんな予想の範疇を飄々と飛び越えた化学反応をお披露目してくれることを願っています。

著者:町田ノイズ

OKMusic編集部

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