スーパーボール・ハーフタイムショー
の歴史に残る5曲

アメリカの誇るエンターテインメント『Super Bowl』。アメフトのナショナル・リーグのチャンピオンシップのことで、年間視聴率1位を毎年獲得している番組でもあります。このプロリーグ優勝決定戦では、エンタメ界での最高峰舞台と称されるハーフタイムショーが行なわれ、今年はレディ・ガガが素晴らしいステージパフォーマンスを披露して大きな話題となりました。今回は「スーパーボール・ハーフタイムショーの歴史に残る5曲」をご紹介します。

1. 「Born This Way」(’11)/Lady
Gaga

昨年の国歌斉唱に続き、今年のハーフタイムショーを異次元に変えたのは世界の歌姫、レディ・ガガ。300機のドローンによる光の粒がスタジアム上空に星条旗を描き、その屋根から飛び降りて始まったショーでもっとも印象的だったのが「Born This Way」です。カラフルな人種が存在する事実、ヒューマニティーを讃える彼女の信念とメッセージが込められたこの名曲が、多国籍からなる美しいダンサーらとともに、人種のるつぼであるアメリカという国の最高峰に位置付けされる舞台にて披露されたことに大きな意味があったと言えるでしょう。ニューアルバムも好調なガガ、来日公演開催が期待されます。

2. 「Where the Streets Have No Name
」(’87)/U2

2002年のハーフタイムショーを担ったのはアイルランド出身のモンスターバンド、U2でした。ニューヨーク同時多発テロ事件が2001年の9月11日に起きた後の最初のショーにおいて、彼らがショーのラストを飾る曲に選んだのは「Where the Streets Have No Name」。“アメリカ!”と絶叫して演奏を始めると同時に、テロ事件による犠牲者一人ひとりの名前をしっかり読める大きさで映画のエンドロールの如く巨大なスクリーンに投影したのでした。ショーの最後にBonoが翻したジャケットの裏地にはアメリカ国旗が鮮やかに彩られ、ステージには光でか辿られた大きなハートがひとつ浮かび上がらせるなど、バンドは終始アメリカ国民の心に寄り添ったのでした。

3. 「We Are The World」(’85)/Mi
chael Jackson

彼がケーンでスタジアムを指すと、それぞれの肌・目・髪の色が違う世界中の子供たちの姿が次々に現れたのは、1993年のハーフタイムショーでのこと。「誰も苦しむべきではないんだ。特に子供たちは苦しむべきではない!」と訴えかけたのは、King of Popことマイケル・ジャクソンです。現代のようにLED制御技術などなかった時代、その巨大アートを浮かび上がらせたのは他でもない、色紙を手にした観客でした。当時は、昼間にショーを行なっていたため、照明効果もあまり出ていない、とてもシンプルな演出ですが、この歌が象徴するように、世界平和と愛を歌い願うマイケルのやさしさがその場にいたオーディエンスのみならず、ブラウン管の向こう側にも伝わる歴史的なショーでした。

4. 「(I Can't Get No) Satisfaction」
(’65)/The Rolling Stones

2006年は、あの唇ロゴのかたちをしたUKのロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズによるハーフタイムショーでした。多くの大物ミュージシャンですら気負い、新たな何かに挑戦しようとしがちなこのUSエンターテインメント最高峰のステージにおいても、イギリス生まれのロックンロール界の王者バンドはワールドツアーの一環のような、い・つ・も・のストーンズのステージを魅せ、観客を大いに沸かせたのでした。その姿勢、その風格にロックの在り方を示されたショーをもっとも会場を沸かせた曲が60年代ロックを代表する曲のひとつである「(I Can't Get No) Satisfaction」でした。ぜひお聴きください。

5. 「Lets Go Crazy」(’84)/Princ
e

歴史に深く刻まれたベスト・ハーフタイムショーとの呼び声が高いのは、2007年のプリンスによるステージです。昨年、天賦の才能の塊であったプリンスが選んだオープニングで聴こえてきたのは、なんとQueen の「We Will Rock You」。それ以外にも彼はジミ・ヘンドリックス/ボブ・ディランの「All Along The Watchtower」、Foo Fightersの「Best of You」などを披露。屋根なしのスタジアムでの雨の中で「Purple Rain」を聴いたオーディエンスはさぞ興奮したことでしょう。ここでは、あの日の1曲目を飾った「Lets Go Crazy」をご紹介します。歴史的なショーの盛り上げに大きく貢献した、タイトル通りクレイジーになれるアッパーなナンバーです。

著者:早乙女‘dorami’ゆうこ

OKMusic編集部

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