【コレサワ】とにかく、自信のあるも
のができました!

コレサワがEP『女子、ジョーキョー。』を12月16日にリリースする。収録曲5曲それぞれの主人公の女の子たちの“上京”と“状況”を描き、女子特有の表情豊かな心情をまとめ上げた一枚になった。
取材:高良美咲

結構ライヴをコンスタントにやられていますけど、最近のライヴではお客さんとのやりとりも楽しんでいるなという印象を受けました。

本当はもっとお客さんを巻き込みたいんですけどね。まだ全然自分のやりたいライヴはできていないんですけど…でも、若い女の子も来てくれるようになって、届き始めているかなとは感じています。

全国を回ってみて、何か反応の違いは感じています?

この間初めて福岡でライヴをしたんですけど、そこで初めて観てくれた人も多くて。“来てくれてありがとう”って言ってもらえて、“こちらこそ呼んでくれてありがとう”という気持ちになりました(笑)。もっと行かなきゃと思いました。東京ばかりではなくて、行きたいところもいっぱいあるし。

4月にリリースしたEP『君のバンド』に対してはどういった反響がありますか?

みんな面白がってくれてます。ミュージシャンの方も、“聴いたよ、面白いね”って(笑)。嬉しいですね。それをきっかけにいろいろ聴いてくれる人が増えたらいいなと思います。ラジオとかで流れることも増えて、その反響がTwitterとかでくると、“届いてるな”って実感しますし。

なるほど。今回12月16日にリリースする『女子、ジョーキョー。』のお話をうかがいたいんですけど、“ジョーキョー”っていうのは…

これにはふたつ意味があって、東京に上京する“上京”と、女の子たちの現状…“状況”っていう。

前作は自分の経験や感情を落とし込んだ作品でしたけど、今回はジャケ写にも5人のレコちゃんがいる通り、5曲それぞれに主人公がいるのかなと思ったのですが。

曲を並べて、タイトルを付けてジャケットをどうするかという話になった時に、(イラストを書いている)ウチボリさんと、5曲それぞれに主人公がいるので5人描いたら面白いんじゃないかなーって話し合って決めました。なので、最初から“女子、ジョーキョー。”というタイトルもあったわけではなくて、選んだ曲の共通点が、女の子がそれぞれ歌の中で都会で頑張っているというつながりがあったから、このタイトルにしました。

今作もひと筋縄では行かない感がありますけど(笑)、ライヴでもよくやっている「あたしを彼女にしたいなら」は女子特有のわがまま、面倒臭さを書いていて…でも、結果可愛いっていう。

そうですね(笑)。結果、わがままも許してもらえたらいいなと思っていますし、相手の許容範囲も越えていないんじゃないかと思います(笑)。

すごく共感できます。

嬉しい! いろんな人に共感してもらえたらいいなと思っています。これはスタジオでひとりで練習していた時に今ある曲を練習しなきゃいけないのに歌い飽きちゃって…。“新しいメロディーを歌いたい!”と思って歌い出したのが最初のフレーズですね。そこからはもうスラッとできて、スタジオに入っているうちにできました。ライヴでやってみたらお客さんもいい反応で、“あ、これいいんだ!”っていう感じです。

前作もですけど、歌い出しにインパクトがありますね。

確かに。サビ始まりが好きなんだと思います。曲を作る時にサビから作ってしまうので。

素直になり切れない感じが、コレサワさんの性格も表しているように思います。

そうですね(笑)。気付いてほしいんでしょうね、本当は。自己紹介のつもりで歌っているので、歌の中の“あたし”は、自分に近いんだと思います。わがままだけど、自信がないんですよ。だから、男の子から引かれるようなことを先に言っておいて“それでもいいなら、よろしくね”っていう…本当は弱虫で強がっているだけなんだと思います。そのほうが傷付かないと思うので(笑)。

《好きなものが一緒よりは 嫌いなものが一緒のほうがいいな》というフレーズが好きです。

好きなものは違うほうが、お互いの好きなものが増えると思うんです。お互いに紅茶とコーヒーが好きだったら、“そのコーヒーも飲んでみたいな”って思うじゃないですか。それでもし好きになったら、好きなものが増えていいし。

MVは今回もレコちゃんが主人公で、初々しさ全開の物語が面白いですね。

少女漫画風にお願いしたので、漫画を読んでいる気分になってくれたらと思います。かわいいし、実は5人それぞれのレコちゃんが出ているんですよ。一番最後のシーンに、渋谷Star loungeっていうライヴハウスが出てくるんですけど、そこから次は渋谷WWWに移るんです。私が去年の11月にワンマンライヴをしたのが渋谷Star loungeで、今回は来年の2月に渋谷WWWでやるので、“コレサワ、頑張れよ!”っていうウチボリさんの思いが入っているのがすごく嬉しくて。でも、みんな気付いてるかな? みんな気付いてないと思うんですけど(笑)。

「シュシュ」は8月にも配信限定でリリースしていますが。

これはフランス語で“お気に入り”って意味なんですけど、音楽をずっとやりたいですけど、それによって落ち込んじゃったり、真剣になりすぎて自分が見えなくなっちゃって音楽が嫌いになるよりは、音楽とずっと一緒にいたいから、お気に入りくらいの距離感でずっと続けていきたいなという気持ちを込めてます。

ちょっと切ない曲ですね。

寝る前にぴったりなバラードですね。この曲では歌詞の内容をわざとフワっとさせているので、メロディーが好きとかアレンジが好きとか言われますね。ゆっくりだから、私の声もよく伝わるメロディーなんじゃないかなと思います。

今作に向けて書いた曲はありますか?

2曲目の「トーキョー」ですね。上京をして今東京で頑張っている人…自分自身もそうですけど、東京は夢が叶うところだというのを伝えたくて。

実際に東京に来て感じたことを書いているのですか?

そうです。私でも頑張ったら叶うんだというのをみんなにも伝えたくて。でも、来ればいいってことじゃなくて、“そこからはあなた次第だよ”というのも伝えたかったんです。

元気な掛け声が入っていて、ライヴでは楽しめそうな曲ですね。

お客さんと歌える曲があまりなかったから、ライヴでやるのを想定して曲を作りました。みんなで“ヘイヘイ!”って言いたいです。

「最終電車」は《気休めのフリスクみたいな恋ばかりしていた》という歌詞が印象的でした。

そこ突っ込んでもらえて嬉しいです(笑)。恋っていろいろあるじゃないですか。俳優さんのことを好きになってキュンキュンするのも恋だし、その日たまたますれ違った人をカッコ良い!と思うのも恋だし。気休めというか、1時間くらいのそういう恋ってフリスクみたいだなって。

歌詞を単純に読むと、主人公は彼と別れて最終電車に乗ったけど途中で降りてタクシーに乗るわけですが…この後どうなるのかが気になります(笑)。

(笑)。電車に乗ったからこそ本当の気持ちに気付いたっていうことですね。電車に乗る前は勇気がなかったけど、ひと駅乗って気付いたんだと思います。これは、私が友達とごはんを食べに行って終電で帰る時に寂しくて、もっと一緒にいたかったなぁ…って、もしこれが友達じゃなくて好きな人とかだったら、超ロマンチックじゃないですか?(笑)。

確かに(笑)。続く「シティーガール」も“終電”というワードから始まりますね。この主人公は、上京して頑張っている女の子?

これは仕事を頑張っているんだけど、全然自分の思い描いていたことができなくて、“自分、キラキラしてないな”って感じている女の子です。自分も“キラキラしていたい”って思うので、応援歌的なところもありますね。

最後のほうにサイレンの音が入っていますけど…

レコーディングでメガホンを使ったんですけど、それをオンにする時に反対にしてメガホンのサイレンが鳴っちゃったんです! バンっていう音はスイッチを入れ替える音で…ただ私が間違えただけなんです(笑)。面白くてそのまま採用されたんですけど、みんながどう思うのか楽しみですね。

メガホンを使ったのはどういうイメージから?

夜の渋谷をイメージしていたんです。夜の渋谷ってがちゃがちゃしていてうるさいじゃないですか。だから、その感じを出したくて。歌っているというよりも、心の声って感じなんです。

収録された5曲にそれぞれ主人公がいますけど、一番コレサワさんに近いのはどれですか?

近いのは「トーキョー」だと思います。ちょうど今のタイム感に近いので。でも、全部自分の肉片がどこかしらにありますね(笑)。

出来上がってみて、どうですか?

前作もいいですけど、今回はさらにいいものをちゃんと作れたなというのがあります。そう自信を持って言えるものができたのが嬉しかったのと、同世代の女の子にももっと聴いてほしいなというのがあります。とにかく、自信のあるものができました。男子がどう受け止めてくれるのかも楽しみですけど…女子の取り扱い説明書代わりにしてもらえたら分かりやすいかも(笑)。

リリース後はツアーがありますね。

初めてのバンドでのツアーなので、いろいろな楽しみがあります。ファイナルの渋谷WWWワンマンに向けて盛り上げていきたいです!
『女子、ジョーキョー。』
    • 『女子、ジョーキョー。』
    • RECO-003
    • 2015.12.16
    • 1296円
コレサワ プロフィール

コレサワ:大阪府出身のシンガーソングライター。中毒性のある声、POPなメロディー、日常の風景を独自の視点で切り取った歌詞が話題に。メディアには顔出しはせず、“れ子ちゃん”と言われるクマのキャラクターがビジュアルを担当する。コレサワ オフィシャルHP

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