【PAX JAPONICA GROOVE】8年目にし
ての再デビュー作品


取材:高良美咲

数々のアーティストへの楽曲提供・リミックス・プロデュース、さらにロックバンドSTERBEN、エレクトロロックプロジェクトUnFinished Monster Machineとしての活動も並行してきた黒坂さんですが、“PAX JAPONICA GROOVE”として活動を始めるいきさつはなんだったのでしょうか?

小学生の中学年くらいの頃から将来は音楽で生活していくと決めていました。学生時代は部活一色でしたので、自分でちょっとした曲を作ってみたり鍵盤の練習をする程度でしたが、大学に入ってからバンドを始めたりDJをしてみたり、イベントのオーガナイズをするなど、本格的に動くようになりました。その後、時期が来て仲間たちもそれぞれ違う進路に進むようになり、僕は僕で音楽を続けるためデモテープを送ってみたところ前のプロダクションからリリースさせていただくこととなり、ソロプロジェクトとしてスタートするに至りました。

昔から音楽に対して意欲的だったんですね。PAX JAPONICA GROOVEとしてはどのような音楽性を目指してきたのでしょうか?

クラブミュージックのレーベルでのスタートでしたので、4つ打ちダンスミュージックというフォーマットの中でできることをいろいろ考えていました。僕自身、どっぷりクラブシーンの人間ではまったくありませんし、ジャンルへのこだわりもまったくないタイプなので、自分の良いと思ったアプローチは制約ある中でも好きなだけ取り込んできました。これまでも常々“融合”ということを言ってきましたが、自分のテーマはまさにそこにあると思っています。楽曲は自分自身のそのものであり、自分の人間性が非常に反映されていると実感しています。

“PAX JAPONICA GROOVE”というプロジェクト名の由来は?

パックスロマーナ、パックスアメリカーナをもじったものですが、“和を以て尊しと為す”の精神の日本、いろんな価値を認められる日本の平和、そこからつながる世界への平和、という意味で捉えてプロジェクト名にしました。“和=融合”でもあるので、自分のコンセプトがそのまま反映されているアーティスト名だと思います。

なるほど。ソロプロジェクトということで制作の面での違いなどあれば教えてください。

PAX JAPONICA GROOVEとして、これまで7作品リリースしてきたわけですが、結構な振れ幅でやってきたと思います。ただそれでもまだまだやりたいこと、演じたい姿がありまして。PAXはまさに自分自身の等身大の姿、そのままアイデンティティで、その他の活動に関しては、PAXでは見せられなかった実験やアプローチ、またこういうことを演じてみたいというところからきています。さらにはプロデュースワークもこれから本格的にやっていきたいなと思っており、プロジェクトを俯瞰的に見て自分以外の誰かと面白いものができたらいいなと今現在もいろいろ企み中です。

楽曲制作の際のこだわりは?

今現在持っているもの、アイデアを余すことなく全て出し切ることです。あとは必ずイントロから順番に作ることです(笑)。

いよいよ12月4日にリリースとなる今作『Knock!Back!Rock!』ですが、リード曲のギターから始まる「Addicted」などのヴォーカルが入っている楽曲と、インストゥルメンタルもピアノのメロディーが心地良い「Floating Colours」から、ダンスミュージックまでさまざまな楽曲が入っていて、ジャンルに絞られることなく多彩な面が垣間見れる一枚ですね。

今回は独立後、レーベルとしてもPAXとしても1発目となる作品です。僕の中では8年目にして再デビュー作品と言っていいくらいの意味合いを持っており、“原点回帰×新機軸”と銘打ちましたが、これまでのPAXサウンドで好評いただいた空気感はそのまま引き継ぎつつ新しい側面をバランス良く見せていくことを一番に考えていました。

そんなアルバム一曲目を飾る「ODORI」はクラブミュージックの中に和のテイストが取り込まれていて面白いです。

デビュー曲「昇竜」がそうでしたが、その後の『戦国IXA』というオンラインゲームのテーマ曲になった「彩り-once upon a time」などスタンダードな西洋音楽と邦楽、その他エスニック音楽との融合、そこに4つ打ちダンスミュージックの要素やオーケストラアレンジを被せるようなアプローチをほぼ毎作品で行なってきました。これは他にあまり例を見ないPAX JAPONICA GROOVE独自のスタイルのひとつだと自負しております。今回も尺八をメインに、3拍子のリズムに4つ打ちのビートを絡ませ、アウトしたギターやボレロ的なストリングス展開を入れるなど実験的な試みでした。といいつつもイントロから順番に作る中でひらめいたアイデアをいろいろ試していく感じですので、最初から具体的に決めていたわけではありませんが。

「The Period」では黒坂さんが自ら歌っていますが、ご自身で歌うために作られた一曲なのでしょうか?

そうです。他のヴォーカリストの方に参加してもらい一緒にサウンドを作り上げていくことは、相乗効果が生まれるとても素敵な体験ではありますが、それだけではなく、いち表現者である以上、自分の声や熱量をぶつけることも大切だと思っています。“The Period”というタイトルが表す通り、一旦これまでの活動に終止符を置き、新しいスタート、そして、続くこれからを歌った曲となっています。

なるほど。本作の中で印象深い曲は?

出来上がるとそれまでのことが記憶から吹っ飛ぶんですが(苦笑)。ちょっと質問とずれてしまうかもしれませんが、リード曲「Addicted」でしょうか。デモが本当にノリと勢いで2時間ほどでサクッと出来上がってしまったことに加え、これまでのPAXのカラーとはちょっと違い過ぎることもあり、僕としてはサブ的な立ち位置にするつもりが、関係者の方々からリード曲に薦められて、僕もだんだんその気になってそのまま決定してしまったのがなんだか新鮮でした(笑)。もちろんさらにブラッシュアップを重ね、今は自信を持って“これがリード曲です”と言えます!

今回の制作で何か発見できたことなどはありましたか?

抽象的ですが、より一層“自由な等身大”になることでしょうか。

どのような作品になったと思いますか?

今の自分にできる全てをやり尽くしました。前作ではできなかったでしょうし、想像もできませんが次回作はまた違うものになることは間違いないですし。ひとまず2013年の自分の全てです。

そんな今作の聴きどころとは?

今回Mai Hernandezという新人シンガーをフィーチャリングしたリード曲「Addicted」、先行シングル「Found Love」、そして「Fall For U」がガールズポップ3部作的な感じなのですが、いずれも聴きやすく元気いっぱいな曲ですので、これまでクラブミュージックを聴かなかった方々にも楽しんでもらえればいいなと思います

ぜひ、初めての方にも触れてほしい楽曲たちですね。今後はどのような活動をしていくのでしょうか?

リリース早々ではありますが、次回作にも少しずつ着手していく予定です。また、ライヴも久々にバンドセットはもちろん、ソロでも行なえたらと思っています。あとは、その他企画中のプロジェクトのプロデュース、リリース、ライヴも来年から進めていきたいですね。

最後にひと言お願いします。

今まで応援してきてくださった方も、今回初めてPAX JAPONICA GROOVEを知ってくださった方も、ひとりでも多くの方に楽しんでいただける作品を作り続けていきたいと思います。まずは今作『Knock!Back!Rock!』をぜひ聴いてみてください。今後とも応援のほどよろしくお願い致します!
『Knock!Back!Rock!』
    • 『Knock!Back!Rock!』
    • OPD-2001
    • 2013.12.04
    • 2640円
PAX JAPONICA GROOVE プロフィール

パックス・ジャポニカ・グルーブ:黒坂修平によるプロジェクト。和の精神を持つ“日本”本来の在り方が地球平和へつながることを願って命名。国内外のさまざまなミュージシャンとのコラボレーションや、映像・身体表現などのパフォーマンスも取り入れつつ、 ジャンルの壁を越えた複線的な感動を伝える独自の世界観を創り出している。オフィシャルHP

OKMusic編集部

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