写真左より時計回り、黒瀬莉世(Ba)、牧野純平(Vo)、丸谷誠治(Dr)、土器大洋(Gu)、志水美日(Key)

写真左より時計回り、黒瀬莉世(Ba)、牧野純平(Vo)、丸谷誠治(Dr)、土器大洋(Gu)、志水美日(Key)

【LILI LIMIT】毎日にちょっとしたス
パイスを与えることができる一枚

LILI LIMITが、前作からわずか半年でミニアルバム『#apieceofcake』をリリース。“前作を超え、なおかつ変化が分かる曲”を基準に、全曲リード級になったという今作について牧野純平(Vo)に訊いた。
取材:高良美咲

2012年に山口で活動を始め、その後は拠点を福岡に移し、2014年に上京したとのことですが、活動を続ける中でどのような変化がありましたか?

活動をしてく中で、ありがたいことにリスナーが増えていき、“殻の中で鳴っている楽曲”ではなくなっていきました。今は、常に“リスナーにどう楽しんでもらうか?”考えて活動しています。

これから出会う人たちにLILI LIMITがどんなバンドなのかをひと言で説明するとしたら?

“アニュマニデイズ”。そんな造語や、個性の強い音を生み出すバンドです。

2015年7月にミニアルバム『Etudes』をリリースしましたが、手応えはいかがでしたか?

手応えはありました。素敵な方々に作品や生の歌が届いて良かったなと素直に思います。“新学期に入ってクラス替えをした”みたいな、“これから新しい友達できんのかな?”って不安、去年もクラスが同じだった友人がいる安心感…不安の中に未来への期待や安心感が詰まっている、そんな作品になりました。

バンドとして何か変化はありましたか?

ライヴでは、いただいた時間の中で“どうオーディエンスに心を開いてもらうか?”“どう楽しんでもらうか?”をリリースする前より考えるようになりました。あと、自分たちらしさとは何なのかも考えていくようになっていきました。まだ、答えには辿り着けていませんが。

前作から半年でリリースされる1月20日ミニアルバム『#apieceofcake』は、その時から構想があったのでしょうか?

まだ構想はありませんでした。基本的に前作のレコーディングからも新しい楽曲は常に作り続けていて、リリースが決まり、最終的に集まった曲たちを聴き、今回のアルバムにはどれが相応しいだろうかというのをメンバーと考えて選曲していくので。この作品をリリースし、もっと多くの方と音楽で日々の時間を共有できたらな、というビジョンというか希望があり、そのためにどうするかを作詞をする上で考えました。

選曲はどのように?

選曲をしていく中で、前作を越えられるポップな音楽、なおかつ僕らの変化が分かる曲はどれだろうか?と、最終的に集まった15~20曲を聴き、話し合い、考え、選びました。結果、今回のアルバムはリード級の楽曲ばかりになりましたね。

作詞は全て牧野さんで、作曲は牧野さんと土器さんのおふたりがしていますが、制作の際はどのように進めているのですか?

今作品は、1番までを僕がPCで作り、土器がそこからアレンジをして1曲まるっと作り、各パートのメンバーがそこから音色やフレーズなどを考え、その後僕がメロディーと歌詞を付けるといった流れです。「Festa」は土器から発信された楽曲で、僕がメロディーと歌詞を付けました。

「Festa」は、2015年12月16日にタワーレコード限定でリリースされていますね。

ありがたいことに反響がとてもありました。本当に嬉しかったです。

「141121」(2014年11月発表)に収録されていた「Boys eat Noodle」は今作に向けての再録ですか?

はい。再録になります。歌詞のことをお話しすると、改めて今の自分と過去の自分の変化に気付かされました。なので、歌をどんな気持ちで歌うのが正しいのかを相当悩みました。今の僕からは考えても出ない歌詞なので。今作に入れた理由は、再録を要望する声が結構あって、『Etudes』では「Girls like Chagall」を再録していたので出さない理由もないな、と思い今作に入れました。

「seta gaya」は語感の良い言葉とご機嫌なサウンドと一見ちぐはぐな歌詞が面白いです。

前作までフィクションを歌詞にすることが嫌だったんですが、アレンジが終わってオケを聴いていたら物語が浮かんだんです。僕自身、作詞に対する考え方の変化があり、丁度フィクションを描きたくて。読んでいて楽しい歌詞を意識しました。

転して、《人を殺す夢を見て目覚めた》と始まる「vanilla ice claim」は、さまざまな問題を提起するような含みのある歌詞で。全体的に、リスナーの想像を掻き立てる歌詞が多いですね。

書く時にこだわったのは、聴いた時間帯であったり、日によって印象が変わるように書きました。ひとつの答えに縛られないようにというか。なので、歌詞を書き、書いた日とは違う心の温度の時に改めて歌詞を読み返して、同じ気持ちになったら修正したり、丸ごと書き直したりしました。あくまで作詞者本人なので、リスナーの方にどう聴こえるかは分かりません。成功したらいいなと願っています。

今作の中でも思い入れのある楽曲があれば教えてください。

本作品で愛を歌うことにしたきっかけの曲なんですが、7曲目の「lycopene」です。この曲は亡くなった愛犬に向けて書いた曲です。約16年間、ともに生活をしてきて、彼女がこの世から旅立つ時にお見送りできなかったんです。今をしっかり生きて、会いたい人には会って、ちゃんと自分の言葉で気持ちは伝えていかないとなって改めて思いました。そんな僕の変化と、家族に温かい愛を与え続けてくれた彼女に向け書いた唯一のラブソングです。

出来上がってみて、どのような一枚になりましたか?

毎日にちょっとしたスパイスを与えることができる作品になったのではないかなと個人的に思います。そして、土器のアレンジセンス、黒瀬の丁寧なベースリズム、志水にしか生まれないコーラスワークのきれいさ、丸谷のドラムは全曲輝いています。ぜひ、メンバーの個性も聴いてみてください。

改めて発見できたことはありましたか?

“自分たちに何が必要なのか?”ということです。変化するタイミングだなと。なので、本当の意味で、僕らの集大成になったアルバムです。

タイトルの“#apieceofcake”という言葉に込められた意味を教えてください。

ホールのケーキをイメージしてください。ミュージシャンの仕事について考えた時に、“いろいろな感情の中のひと欠片の感情”をリスナーに与えることが僕らミュージシャンの仕事なのではないかと個人的に思ったんです。また、音楽の面白さを考えた時に、音楽には“ A ”について歌った楽曲が人によっては“ A’ ”に聴こえたり、真逆の“ Z ”に聴こえたりするのではないかなと。そのミュージシャンの可能性や音楽の性質を“a piece of cake=ひと欠片のケーキ”と例えたタイトルです。タイトルに(Twitterの)ハッシュタグを付けることによって、自分は美味しいと思っていたケーキが人によっては想像通りの味だったり、美味しいとは言えない味だったり…そういった味を共有できるようにしました。そして、またその味の感想やイメージなどを自分にインプットし、改めて楽曲を聴くとまた違った味が楽しめるんじゃないだろうか?と現代社会だから楽しめるようなタイトルです。

リリース後には初のワンマンライヴを含むリリースツアー『#apieceofcake release tour2016』を東名阪の3カ所で行ないますが、どのようなライヴが期待できそうでしょうか?

ひとまず、僕らの未来と僕らの過去が見れるワンマンライヴになりそうです。今後を期待できるようなツアーになればと思っています。各地でお会いできるみなさんとお喋りをすることも楽しみです。初めての方に、ぜひ一度聴いてみてもらいたいです。よろしくお願いします。
『#apieceofcake』
    • 『#apieceofcake』
    • LACD-0267
    • 2016.01.20
    • 2160円
LILI LIMIT プロフィール

リリ・リミット:2012年に山口県で結成。その後、活動拠点を福岡に移し、2014年春上京。メンバーチェンジを経て現在の5人編成となる。自主制作CDが話題を呼び、15年 7月8日に初のミニアルバム『Etudes』を発表。翌16年1月20日には2ndミニアルバム『#apieceofcake』をリリース。リリース後には、東名阪3カ所を回るバンド初のワンマンライヴを含むリリースツアーを予定している。LILI LIMIT オフィシャルHP

OKMusic編集部

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